労務管理システム
労務管理システムとは、入退社の手続き、雇用契約、社会保険・雇用保険の届出、年末調整、マイナンバー管理といった労務業務をクラウド上で一元化するSaaSです。従業員本人にスマートフォンから情報を入力してもらい、その情報をもとに書類を自動作成してe-Govへ電子申請できるため、紙の回収と役所窓口への持ち込みをなくせます。
労務管理システムとは
労務管理システムは、人事労務の担当者が毎年くり返す手続きを、紙とExcelから切り離すためのシステムです。入社時の誓約書や扶養控除申告書の回収、雇用契約の締結、健康保険・厚生年金の資格取得届、年末調整の申告書集め、マイナンバーの収集と保管——こうした業務は、対象者が多いほど回収と転記に時間がかかり、締切も法令で決まっています。従業員本人に入力してもらった情報がそのまま書類になり、電子申請までつながる点が、給与計算ソフトや勤怠管理システムとの一番の違いです。
対応範囲はサービスによって差があります。入退社手続きと社会保険の電子申請はどのサービスも押さえていますが、年末調整とマイナンバー管理は別製品として分かれている場合があり、雇用契約の電子締結や人事評価まで含むかどうかも分かれます。給与計算を内包するもの(freee人事労務)と、給与は別サービスに任せて労務手続きに特化するもの(オフィスステーション 労務)があるため、すでに使っている給与ソフトを続けるのかどうかで選択肢が変わります。
掲載5サービスのうち4つが料金を公開しており、最安有料プランは1名あたり月額300円〜440円、中央値は400円です。ただしこのカテゴリは、単価だけでは実際の負担が読めません。基本料金に数名分が含まれる方式(freee人事労務・マネーフォワード クラウド社会保険)、初回に登録料がかかる方式(オフィスステーション 労務)、月額の最低利用料金が設定されている方式(ジョブカン労務HR)が混在するためです。
労務管理システムの検索需要トレンド
検索インタレストは2年を通じて70〜80台で安定し、大きな増減はありません。12月だけは52まで落ち込み、年末の繁忙期に情報収集が止まる傾向が毎年見られます。制度改正の話題が出る秋口(10〜11月)に持ち直すのも共通の動きです。(出典:Googleトレンド/キーワード「労務管理」)
労務管理システムの料金相場
当メディアが掲載5サービスを調査した、最安有料プラン(1ユーザー月額・税抜/年払い換算)の料金相場です。単価は横並びでも、最低月額や無料条件で規模別の実額は変わります。
| 企業規模 | 年間コスト(最安) | 業界中央値 |
|---|---|---|
| 従業員10名 | 48,000円/年〜 | 中央値 50,400円/年 |
| 従業員50名 | 180,000円/年〜 | 中央値 240,000円/年 |
| 従業員100名 | 360,000円/年〜 | 中央値 480,000円/年 |
※最安有料プラン・1ユーザー月額・税抜・年払い換算。無料プランあり:2/5サービス(SmartHR・ジョブカン労務HR)/無料トライアル:5/5サービス・平均25日。集計対象5件・2026.07時点・当メディア調べ。
労務管理システムの選び方の要点
労務管理システムの中心業務は入退社手続きと社会保険の電子申請ですが、実務でセットになる年末調整とマイナンバー管理が、同じ料金に含まれるかどうかは分かれます。ジョブカン労務HR・freee人事労務・マネーフォワード クラウド社会保険は年末調整とマイナンバー管理に対応する一方、オフィスステーション 労務ではどちらも別製品(オフィスステーション 年末調整/マイナンバー)を組み合わせる構成です。労務単体の月額だけで比べると、後から必要な製品が増えて総額が変わります。
このカテゴリは料金の作りがサービスごとに違います。freee人事労務は基本料金に5名分が含まれ6名目から従量、マネーフォワード クラウド社会保険はクラウド一式の基本料金(3名または5名込)に追加ユーザーが乗り、ジョブカン労務HRは月額最低利用料金2,000円、オフィスステーション 労務は10名以下なら一律4,400円という下限があります。当メディアの試算では、従業員10名なら年48,000円〜53,760円と差は小さいものの、100名では360,000円〜528,000円と開きが出ます。
月額だけを見て決めると、初回にかかる費用で計算が狂います。掲載5サービスのうち、オフィスステーション 労務は登録料110,000円(税込)が初回のみ必要で、これは1年目の総額に効いてきます。freee人事労務・ジョブカン労務HR・マネーフォワード クラウド社会保険は初期費用0円です。導入年と2年目以降でコストが変わることを前提に、少なくとも2年ぶんで比較すると判断を誤りません。
労務管理システムは給与計算と表裏一体です。freee人事労務は給与計算を内包しており、給与から労務まで1つにまとめたい企業に向きます。マネーフォワード クラウド社会保険は同シリーズの給与・勤怠・会計と同じ基盤でつながり、ジョブカン労務HRはジョブカン給与計算・勤怠管理と連携します。一方でオフィスステーション 労務やSmartHRは各種給与計算ソフトとの連携を前提としており、いまの給与ソフトを変えたくない場合に選びやすい構成です。
掲載5サービスすべてに無料トライアルがあり、SmartHRは30名以下なら¥0プラン、ジョブカン労務HRは5名までの無料プランを無期限で使えます。労務管理システムは従業員全員が触るため、管理側の使い勝手だけでなく、スマートフォンから入力する従業員側の分かりやすさが定着を左右します。人数の少ないうちは無料プランで運用を組み立て、人が増えた段階で有料プランへ移る進め方が現実的です。
労務管理システムの比較一覧(全5サービス)
マネーフォワード クラウド社会保険
月額300円〜会計・給与などと連携するマネーフォワード クラウドの社会保険・労務機能。社会保険/雇用保険手続きの電子申請・年末調整・マイナンバー管理に対応。中小向けはクラウド一式の基本料金+従量ユーザー課金で、単体の1人単価比較には注意。
オフィスステーション 労務
月額440円〜シェア上位の人事労務クラウドソフト。128帳票に対応し、入退社手続き・雇用契約・社会保険/労働保険手続きの電子申請をペーパーレス化。登録料11万円+1名あたり月額440円(税込)と料金を明示する。
「このカテゴリに掲載してほしい」「料金改定を反映してほしい」といったご相談は、 編集部が内容を確認したうえで掲載・訂正します。掲載中のサービスの情報更新も同じ窓口です。