コールセンターCRM

コールセンターCRM比較5選|エディションで総額7倍の差

料金を公開しているのは5サービス中2つだけです。Salesforceは10席1年でStarter 36万円・Enterprise 252万円と7倍差があり、公式の標準は後者。デコールcc.CRMは初期込みで初年度220万円です。

コールセンターCRMの料金公開率は40%でした。掲載5サービスのうち金額を公開しているのはSalesforce Service Cloudとデコールcc.CRMの2つで、FastHelp5・inspirX・CTBASE/AgentProSMARTは個社見積りです。

そして公開されている2サービスも、単純には比べられません。Salesforce Service Cloudは1ユーザー月額3,000円(Starter Suite)から42,000円(Unlimited)まで4段階あり、公式ではEnterprise(21,000円)がコンタクトセンター向けの標準エディションとされています。10席で1年使うと、Starter Suiteが360,000円、Enterpriseが2,520,000円で7倍の差です。

同じ条件でデコールcc.CRMを計算すると、月額1シート1万円で1,200,000円に初期費用100万円を加えて2,200,000円。Salesforce Enterpriseと近い水準になります。この記事では掲載5サービスについて、費用の構造、最低席数、対応チャネルを一次データから整理しました。

結論:エディション・最低席数・チャネルの3点で絞る

先に結論を述べます。

1つめは、どのエディションが自社の要件に合うかです。Salesforceの最安であるStarter Suite(3,000円)を基準に検討を始めると、実際の見積りと大きくずれます。公式が標準としているEnterpriseは21,000円で、7倍の開きがあります。

2つめは、最低席数です。デコールcc.CRMは最低5席、inspirXは最小5ユーザー、CTBASE/AgentProSMARTは10席からです。Salesforce Service Cloudは最低席数の記載がなく1ユーザーから契約できます。少人数のサポート部門で始めるなら、ここで候補が絞られます。

3つめは、対応チャネルです。FAXに対応しているのはデコールcc.CRMとFastHelp5、LINEはinspirXのみ、SNSとAIエージェントはSalesforce Service Cloudのみです。問い合わせがどのチャネルで来るかによって選択肢が変わります。

コールセンターCRMとは

コールセンターCRMは、顧客情報と応対履歴を一元管理し、電話やメールでの対応を支援するシステムです。CTI(電話とコンピューターの連携)と組み合わせることで、着信した時点で相手の顧客情報を画面に表示できます。

一般的なCRMとの違いは、応対履歴の管理と応対業務の支援に重点がある点です。掲載5サービスはいずれも顧客情報の一元管理と応対履歴(コンタクト履歴)管理を基本機能として備え、FAQやトークスクリプトによる応対品質の標準化を支援します。

当メディアの調査では「コールセンター」という検索キーワードの指数は直近25か月で50〜68の範囲に収まり、平均は60.6でした。前半12か月の平均63.0に対し後半12か月は58.4とわずかに下がっていますが、振れ幅は小さく安定しています。当メディアが調査したマーケティング系のキーワードが大きく上下する中で、変動の小さい分野です。

選び方:5つの確認ポイント

1. エディションによって総額が数倍変わる

Salesforce Service Cloudのエディション別の年間費用を、10席で計算すると次のようになります。

エディション1ユーザー月額(税別)10席・1年
Starter Suite3,000円360,000円
Pro Suite12,000円1,440,000円
Enterprise(公式の標準)21,000円2,520,000円
Unlimited42,000円5,040,000円

公式ではEnterpriseがコンタクトセンター向けの標準エディションとされています。最安のStarter Suiteと比べると7倍です。契約形態も異なり、Starter Suiteは月間契約が選べますが、Pro Suite以上は年間契約が基本です。

デコールcc.CRMのクラウド版は月額1シート1万円〜で、10席なら年1,200,000円に初期費用100万円〜を加えて初年度2,200,000円という計算になります。Salesforce Enterpriseの2,520,000円と近い水準です。

なおSalesforceはエディションの費用とは別に導入構築費が個社見積りで発生します。

2. 最低席数を確認する

掲載5サービスは始められる席数が異なります。

  • Salesforce Service Cloud:記載なし(1ユーザーから)
  • デコールcc.CRM:最低5席(クラウド版)
  • inspirX:最小5ユーザー(中心は30〜100席)
  • CTBASE/AgentProSMART:10席から
  • FastHelp5:数席から数千席まで

少人数のカスタマーサポート部門で始める場合、10席を下回る規模で契約できるかどうかが選択肢を絞ります。inspirXは5ユーザーから対応しますが、中心となる規模は30〜100席とされているため、小規模での導入は事前確認が要ります。

3. クラウドとオンプレミスのどちらを選べるか

掲載5サービスのうち3サービスがオンプレミスまたはパッケージでの導入に対応します。

  • FastHelp5:クラウド型/オンプレミス型を選択可
  • デコールcc.CRM:クラウド(AWS)/オンプレミスを選択可(オンプレミス版はインストール台数課金・要問い合わせ)
  • inspirX:クラウド/パッケージ(サブスク型のiXClouZも別途提供)
  • Salesforce Service Cloud・CTBASE/AgentProSMART:クラウドのみ

自社のセキュリティ要件でデータを社内に置く必要がある場合、この段階で候補が絞られます。

4. 対応するチャネルを確認する

掲載5サービスは扱えるチャネルが異なります。

サービス対応チャネル
デコールcc.CRM電話・メール・チャット・FAX・SMS
FastHelp5CTI連携・通話録音・FAX連携
inspirXメール・SMS・LINE
Salesforce Service Cloud電話・メール・チャット・SNS+AIエージェント(Agentforce)
CTBASE/AgentProSMARTメール対応・CTI連携

FAXに対応しているのは2サービス(デコールcc.CRM・FastHelp5)で、FAXでの問い合わせが残る業種では条件になります。LINEを挙げているのはinspirXのみ、SNS対応とAIエージェントを備えるのはSalesforce Service Cloudのみです。

デコールcc.CRMは応対履歴をワンビューで確認できる設計のため、チャネルごとに画面を切り替える必要がありません。

5. 複数センターを扱うかどうかで絞る

複数のコールセンターや複数クライアントの業務を1つのシステムで扱う場合、マルチテナントへの対応が条件になります。

デコールcc.CRMはマルチテナントに対応し、複数センターの同時運用ができます。CTBASE/AgentProSMARTもマルチテナント管理を備えます。掲載5サービスの中でこの機能を明示しているのはこの2サービスです。

FastHelp5は席数の拡大とセンターの増設に対応するとしています。BPO事業者のように複数の委託元の業務を並行して扱う場合は、テナントを分けて管理できるかを確認する必要があります。

独自データ:料金公開率と試用の可否

当メディアが掲載5サービスの公式サイトを2026年7月時点で調査した結果は次のとおりです。

料金公開率は40%(2/5)でした。Salesforce Service Cloudとデコールcc.CRMが金額を公開しており、FastHelp5・inspirX・CTBASE/AgentProSMARTは個社見積りです。

無料プランは0%(0/5)、無料トライアルは20%(1/5)です。提供しているのはSalesforce Service Cloudのみで、期間は公式での確認が必要です。デコールcc.CRMはオンラインデモとデモ環境の貸出で確認する形式で、これはトライアルには含めていません。

初期費用の金額を公開しているのは1サービスです。デコールcc.CRMのクラウド版で100万円〜です。Salesforce Service Cloudはエディション費用とは別に導入構築費が個社見積り、他の3サービスは初期費用の記載がありません。

最低席数が明示されているのは3サービスです。デコールcc.CRMが5席、inspirXが5ユーザー、CTBASE/AgentProSMARTが10席です。

オンプレミスに対応するのは3サービスです。FastHelp5、デコールcc.CRM、inspirXで、いずれもクラウドとの選択制です。

掲載5サービスの比較

サービス提供元公開料金初期費用最低席数提供形態
Salesforce Service Cloud株式会社セールスフォース・ジャパン1ユーザー月3,000〜42,000円(税別)導入構築費は個社見積り記載なしクラウド
デコールcc.CRMギグワークスクロスアイティ株式会社月1シート1万円〜100万円〜5席クラウド/オンプレ
CTBASE/AgentProSMARTNTTテクノクロス株式会社非公開非公開10席クラウド
inspirXバーチャレクス・コンサルティング株式会社非公開非公開5ユーザークラウド/パッケージ
FastHelp5テクマトリックス株式会社非公開非公開数席〜数千席クラウド/オンプレ

各サービスの詳細

Salesforce Service Cloud

公式サイト ↗

掲載5サービスの中で、エディションごとの金額をもっとも細かく公開しているカスタマーサービス向けCRMです。

料金は1ユーザーあたりの月額で、Starter Suiteが3,000円、Pro Suiteが12,000円、Enterpriseが21,000円、Unlimitedが42,000円(いずれも税別)です。公式ではEnterpriseがコンタクトセンター向けの標準エディションとされています。10席で1年使う場合、Starter Suiteが360,000円であるのに対しEnterpriseは2,520,000円と7倍の差になります。

契約形態もエディションで異なります。Starter Suiteは月間契約と年間契約のどちらも選べますが、Pro Suite以上は年間契約が基本です。エディションの費用とは別に、導入構築費が個社見積りで発生します。

機能は顧客情報・ケース(案件)管理、応対履歴管理、電話・メール・チャット・SNSのオムニチャネル応対、ナレッジ/FAQ、レポート/ダッシュボード、AIエージェント(Agentforce)です。掲載5サービスの中でSNS対応とAIエージェントを提供しているのはSalesforce Service Cloudです。

最低席数の記載がなく1ユーザーから契約できるため、少人数のサポート部門でも始められます。掲載5サービスの中で唯一、無料トライアルも提供されています。

デコールCC.CRM

公式サイト ↗

掲載5サービスの中でSalesforce Service Cloudとともに料金を公開しているコールセンターCRMです。

クラウド版はAWS環境で提供され、月額1シート1万円〜、初期費用100万円〜、最低5席からです。10席で1年使う場合、月額分が1,200,000円に初期費用100万円を加えて初年度2,200,000円という計算になります。オンプレミス版はインストール台数による課金で、料金は要問い合わせです。

特徴はマルチチャネル対応の広さです。電話・メール・チャットに加えてFAXとSMSに対応し、応対履歴をワンビューで確認できる設計になっています。チャネルごとに画面を切り替える必要がありません。掲載5サービスの中でFAXに対応しているのはデコールcc.CRMとFastHelp5です。

マルチテナントに対応しており、複数センターの同時運用ができます。BPO事業者のように複数の委託元の業務を並行して扱う場合に対応する構成です。

無料トライアルはなく、オンラインデモとデモ環境の貸出で確認する形式となります。

CTBASE/AgentProSMART

公式サイト ↗

NTTテクノクロス株式会社が提供するクラウド型のコールセンターCRMです。10席からのスモールスタートが可能とされています。

機能は顧客登録・検索(顧客管理)、応対登録・検索(応対管理)、メール対応、FAQ、アウトバウンド管理、CTI連携(着信時の顧客情報表示)、マルチテナント管理です。インバウンドの応対だけでなくアウトバウンド業務にも対応します。

マルチテナント管理を備えており、複数のセンターや業務を分けて管理できます。掲載5サービスの中でこの機能を明示しているのはCTBASE/AgentProSMARTとデコールcc.CRMです。

CTI連携により、電話がかかってきた時点で顧客情報が画面に表示されます。応対の最初の確認作業を減らせる構成です。オペレーター向けのFAQも標準で備えます。

料金は席単位のライセンス課金とされていますが、金額は非公開で個社見積りとなります。オプションによって変動するため、必要な機能を伝えて見積りを取る流れです。公式製品ページに無料トライアルの記載はありません。

最小5ユーザーから導入できるコールセンターCRMです。中心は30〜100席で、10席前後の小規模から数百席以上の大規模までを対象としています。

機能は顧客情報・案件管理、コンタクト履歴(応対履歴)管理、オムニチャネル(メール・SMS・LINE)、マルチ業務管理、FAQナレッジ管理、統計レポートです。掲載5サービスの中でLINEへの対応を挙げているのはinspirXです。

提供形態はクラウドとパッケージの両方があり、サブスク型のiXClouZも別途用意されています。自社のセキュリティ要件や予算の組み方に応じて形態を選べる構成です。初期投資を抑えたい場合はサブスク型が選択肢になります。

マルチ業務管理により、1つのセンターで異なる案件を分けて扱えます。

料金は最小5ユーザー〜のライセンス課金とされていますが、金額は非公開で個社見積りとなります。公式サイトに無料トライアルの記載はなく、問い合わせでの対応です。

数席から数千席までを対象とし、席数の拡大やセンターの増設に対応するコールセンターCRMです。掲載5サービスの中で対応できる規模の幅がもっとも広い構成です。

提供形態はクラウド型とオンプレミス型から選択できます。自社のセキュリティ要件に応じて配置を決められます。

機能は顧客情報の一元管理、応対履歴(コンタクト履歴)管理、インバウンド/アウトバウンド応対、VOC可視化レポート、FAQ/トークスクリプト、CTI連携・通話録音・FAX連携です。掲載5サービスの中でVOC(顧客の声)の可視化レポートを明示しているのはFastHelp5です。応対の記録を集計して傾向を把握する用途に対応します。

FAX連携に対応しており、FAXでの問い合わせが残る業種でも扱えます。FAQに加えてオペレーター向けのトークスクリプトを持つため、応対の標準化にも使えます。

料金は非公開で個社見積りとなり、公式サイトに無料トライアルの記載はありません。

よくある質問

コールセンターCRMの費用相場はいくらですか。

掲載5サービスのうち料金を公開しているのは2サービスです。Salesforce Service Cloudは1ユーザーあたりの月額で、Starter Suiteが3,000円、Pro Suiteが12,000円、Enterpriseが21,000円、Unlimitedが42,000円(いずれも税別)です。デコールcc.CRMのクラウド版は月額1シート1万円〜に初期費用100万円〜が加わり、最低5席からとなります。FastHelp5、inspirX、CTBASE/AgentProSMARTは個社見積りで金額を公開していません。

10席で導入する場合の年間費用はいくらですか。

公開されている金額から計算すると、Salesforce Service CloudのStarter Suiteが360,000円(3,000円×10ユーザー×12か月)、Enterpriseが2,520,000円(21,000円×10ユーザー×12か月)です。デコールcc.CRMのクラウド版は月額1シート1万円で1,200,000円となり、初期費用100万円〜を加えると初年度は2,200,000円です。なおSalesforceは公式でEnterpriseがコンタクトセンター向けの標準エディションとされているため、Starter Suiteの金額をそのまま基準にすると実際の見積りとずれます。導入構築費も別途個社見積りです。

何席から導入できますか。

デコールcc.CRMのクラウド版は最低5席、inspirXは最小5ユーザーからです。CTBASE/AgentProSMARTは10席からのスモールスタートが可能とされています。FastHelp5は数席から数千席まで対応し、Salesforce Service Cloudは最低席数の記載がなく1ユーザーから契約できます。

オンプレミスでも導入できますか。

FastHelp5はクラウド型とオンプレミス型を選択できます。デコールcc.CRMもクラウド(AWS)とオンプレミスから選べ、オンプレミス版はインストール台数による課金で要問い合わせです。inspirXはクラウドとパッケージの両方を提供し、サブスク型のiXClouZも別途用意されています。Salesforce Service CloudとCTBASE/AgentProSMARTはクラウドでの提供です。

無料で試せますか。

掲載5サービスに無料プランはありません。無料トライアルを提供しているのはSalesforce Service Cloudのみで、期間は公式での確認が必要です。デコールcc.CRMはオンラインデモとデモ環境の貸出で確認する形式です。FastHelp5、inspirX、CTBASE/AgentProSMARTは公式サイトに無料トライアルの記載がなく、問い合わせでの対応となります。

電話以外のチャネルにも対応していますか。

デコールcc.CRMは電話・メール・チャットに加えてFAXとSMSに対応します。FastHelp5はCTI連携・通話録音とFAX連携を備えます。inspirXはメール・SMS・LINEに対応し、掲載5サービスの中でLINEを挙げているのはinspirXです。Salesforce Service Cloudは電話・メール・チャット・SNSのオムニチャネル応対に加え、AIエージェント(Agentforce)を提供します。CTBASE/AgentProSMARTはメール対応とCTI連携を備えます。

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