AI自動電話応答(ボイスボット)の比較で最初に直面するのは、料金がどこにも書かれていないことです。掲載5サービス(PKSHA VoiceAgent、commubo、COTOHA Voice DX Premium、MOBI VOICE、AI Worker VoiceAgent)のいずれも金額を公開しておらず、料金公開率は0%でした。当メディアが調査したカテゴリの中でも例のない水準です。
課金モデルまで含めても、手がかりを示しているのはcommuboのみです。使った分だけの従量課金制で待機コストがかからないと明記されています。単価は非公開ですが、コールセンターでは待機時間が長くなるため、この構造は総額の考え方に直結します。
料金で比べられない以上、判断材料は機能側に移ります。この記事では生成AIの誤りをどう抑えているか、ノーコードでどこまで変更できるか、外部システムとどこまで連携できるかを一次データから整理しました。
結論:料金以外の4点で絞り、同条件で見積りを取る
先に結論を述べます。
1つめは、料金は全社非公開という前提に立つことです。参考値としてMOBI VOICEが初期30万円・月額15万円〜、AI Worker VoiceAgentが初期70万円・月額50万円という第三者情報がありますが、いずれも公式では確認できていません。複数社に同じ条件で見積りを依頼し、初期費用・月額・従量の内訳を揃えて比べる進め方になります。
2つめは、生成AIの誤りを抑える仕組みです。commuboはプロンプト制御+LLM×RAG、AI Worker VoiceAgentはハルシネーション防止の独自機能、PKSHA VoiceAgentはピンポイント聞き直しを備えます。電話は聞き直しが難しいため、ここは応対品質に直結します。
3つめは、変更のしやすさです。MOBI VOICEはノーコードで最短5分のシナリオ変更ができるとしており、掲載5サービスの中でもっとも具体的な時間を示しています。
4つめは、外部連携です。MOBI VOICEは本人認証・在庫確認・予約管理に加えてゼンリンの住所データ連携を持ちます。電話では住所の聞き取りが難しいため、実務上の差になります。
AI自動電話応答(ボイスボット)とは
AI自動電話応答は、かかってきた電話にAIが応対し、用件の聞き取りから手続きまでを自動で行うシステムです。プッシュ操作で番号を選ぶIVRと違い、話した内容をAIが理解して応対します。
用途は一次受付の自動化、あふれ呼や時間外の対応、定型手続きの完結などです。掲載5サービスはいずれもクラウドで提供され、電話の応対をAIに任せる範囲がそれぞれ異なります。
当メディアの調査では「ボイスボット」という検索キーワードの指数は直近25か月のうち8か月が0で、指数としては安定していません。ただし前半12か月の平均11.3に対し後半12か月は18.3と上がっており、語として使われ始めている段階と読めます。最大は2025年6月の48でした。
選び方:5つの確認ポイント
1. 料金は全社非公開である前提で問い合わせを設計する
掲載5サービスの料金の開示状況は次のとおりです。
| サービス | 料金 | 課金モデル | 参考値(公式未確認) |
|---|---|---|---|
| commubo | 非公開 | 従量課金・待機コストなし | - |
| MOBI VOICE | 非公開 | 非公開 | 初期30万円・月15万円〜+従量 |
| PKSHA VoiceAgent | 非公開 | 非公開 | - |
| COTOHA Voice DX Premium | 非公開 | 非公開 | - |
| AI Worker VoiceAgent | 非公開 | 非公開 | 初期70万円・月50万円 |
課金モデルまで含めて手がかりを示しているのはcommuboのみです。コールセンターでは待機時間が長くなるため、待機に費用が発生しない構造は総額の考え方に影響します。
参考値の2つはいずれも第三者情報で、公式では確認できていません。AI Worker VoiceAgentの初期70万円にはシナリオ構築費が含まれるとされています。実額は問い合わせでの確認となるため、複数社に同じ条件で見積りを依頼し、初期費用・月額・従量の内訳を揃えて比べる進め方が現実的です。
2. 生成AIの誤りをどう抑えているかを確認する
掲載5サービスはいずれも生成AIまたは自然言語処理を使いますが、誤った応対を防ぐ仕組みが異なります。
- commubo:プロンプト制御+LLM×RAGでの安全運用。シナリオ型と生成AI型のハイブリッドで、定型はシナリオ、想定外は生成AIが担当
- AI Worker VoiceAgent:ハルシネーションを防ぐ独自機能
- PKSHA VoiceAgent:認識補正・データ補正・ピンポイント聞き直し・フロー分岐
- COTOHA Voice DX Premium:音声認識エンジンの冗長化で通話が途切れない構成+導入後の継続チューニング
- MOBI VOICE:音声認識と生成AIで意図を解釈・分類し、曖昧な発話から用件を深掘り
PKSHAのピンポイント聞き直しは、聞き取れなかった箇所だけを確認し直せる機能です。最初からやり直す必要がないため、通話時間を短く保てます。電話は聞き直しが難しいため、誤りを抑える仕組みは応対品質に直結します。
3. ノーコードでどこまで変更できるかを見る
対話フローは運用しながら調整することが多いため、変更のしやすさが工数を左右します。
- MOBI VOICE:ノーコードで最短5分のシナリオ公開・変更
- commubo:ノーコードで100種類以上の設計項目を編集
- PKSHA VoiceAgent:ノーコードでの対話フロー構築
- COTOHA Voice DX Premium・AI Worker VoiceAgent:ノーコード編集の可否は公式サイト上に明記なし
MOBI VOICEが掲載5サービスの中でもっとも具体的な時間を示しています。AI Worker VoiceAgentはサクセスサポートプログラムによる対話設計・シナリオ構築支援を提供しており、自社で編集するより支援を受けて設計する形が想定されます。
4. 外部システムとの連携範囲を確認する
電話で手続きまで完結させるには、社内システムとの連携が前提になります。
- MOBI VOICE:本人認証・在庫確認・予約管理のAPI連携+ゼンリン住所データ連携
- PKSHA VoiceAgent:本人認証・データベース連携
- commubo:外部システムAPI連携
- AI Worker VoiceAgent:自社システム連携による手続き完結
- COTOHA Voice DX Premium:情報収集・受付・後続処理の自動実行+コール数予測に応じた受付チャネル拡張
電話では住所の聞き取りが難しいため、MOBI VOICEのゼンリン住所データ連携は実務上の差になります。どこまで自動で完結させたいかによって、必要な連携の範囲が変わります。
5. 対象とする規模と提供形態で絞る
掲載5サービスは想定する規模が異なります。
- PKSHA VoiceAgent:大企業・エンタープライズ・大規模コールセンター
- COTOHA Voice DX Premium:大企業・コンタクトセンター・大規模窓口
- commubo:中堅〜大企業・大規模コールセンター・BPO
- MOBI VOICE:中堅〜大企業・コールセンター・自治体
- AI Worker VoiceAgent:中堅〜大企業・コールセンター
またプラン構成にも違いがあります。PKSHA VoiceAgentは入電を音声認識で自動振り分けするAI-IVRプランと、定型業務を完全自動化する自動応答プランの2つを用意しており、振り分けだけを自動化するか応対まで任せるかを選べます。COTOHA Voice DX Premiumは上位にオペレーター代行型のPremium、簡易版のBasicを展開しています。
独自データ:料金公開率0%という状況
当メディアが掲載5サービスの公式サイトを2026年7月時点で調査した結果は次のとおりです。
料金公開率は0%(0/5)でした。掲載5サービスすべてが初期費用・月額・従量のいずれも公開していません。当メディアが調査したカテゴリの中で0%となったのはこのカテゴリです。
課金モデルを公開しているのは1サービスです。commuboの従量課金制・待機コストなしのみで、他の4サービスは課金の考え方も公開していません。
参考値が存在するのは2サービスです。MOBI VOICE(初期30万円・月額15万円〜+電話番号料金や着信費用等の従量)とAI Worker VoiceAgent(初期70万円・月額50万円、初期費用にシナリオ構築費を含む)ですが、いずれも第三者情報であり公式では確認できていません。
無料プランは0%(0/5)、トライアルの言及があるのは40%(2/5)です。commuboは導入プロセスの中でトライアルに関する記述を持ち、COTOHA Voice DX Premiumは公式FAQに「トライアル利用は可能ですか?」という項目があります。ただしいずれも期間や条件の詳細は公開されていません。MOBI VOICEは無料トライアルの明記がない代わりに、公式サイトで5項目をヒアリングする体験デモを提供しています。
ノーコード編集を明示しているのは3サービスです。MOBI VOICE(最短5分)、commubo(100種類以上の設計項目)、PKSHA VoiceAgentです。
掲載5サービスの比較
| サービス | 提供元 | 誤り対策 | ノーコード変更 | 特徴的な連携 | 対象 |
|---|---|---|---|---|---|
| commubo | 株式会社ソフトフロントジャパン | プロンプト制御+LLM×RAG | 100種類以上の項目 | 外部API | 中堅〜大企業・BPO |
| MOBI VOICE | モビルス株式会社 | 意図解釈・用件深掘り | 最短5分 | ゼンリン住所データ | 中堅〜大企業・自治体 |
| PKSHA VoiceAgent | 株式会社PKSHA Technology | ピンポイント聞き直し | 対話フロー構築 | 本人認証・DB | 大企業・エンタープライズ |
| COTOHA Voice DX Premium | NTTドコモビジネス株式会社 | エンジン冗長化 | 明記なし | 後続処理の自動実行 | 大企業・大規模窓口 |
| AI Worker VoiceAgent | 株式会社AI Shift | ハルシネーション防止 | 明記なし(支援あり) | 自社システム連携 | 中堅〜大企業 |
各サービスの詳細
掲載5サービスの中で唯一、課金モデルを公開しているAIボイスボットです。
料金は使った分だけの従量課金制で、待機コストがかからないと明記されています。単価そのものは非公開ですが、コールセンターでは待機時間が長くなるため、待機に費用が発生しない構造は総額の考え方に影響します。他の4サービスは初期費用・月額・従量のいずれについても公開がありません。
応対の方式はシナリオ型と生成AI型のハイブリッドです。定型的なやり取りはシナリオで処理し、想定外の発話には生成AIで対応する構成になります。すべてを生成AIに任せる構成ではないため、定型部分の挙動が読めます。安全運用の仕組みとして、プロンプト制御とLLMにRAGを組み合わせた方式を掲げています。
音声認識は自社開発のエンジンを使い、自然な会話を実現するとしています。ノーコードで100種類以上の設計項目を編集でき、細かい調整を自社で行えます。
電話応対の自動化に加えて一斉架電にも対応し、受電だけでなく発信の用途にも使えます。外部システムとのAPI連携も可能です。中堅〜大企業に加えてBPOも対象としており、複数の委託元の業務を扱う場合の選択肢になります。
中堅〜大企業のコールセンターに加えて自治体も対象とするAIエージェント型のボイスボットです。
特徴は変更のしやすさです。ノーコードで最短5分のシナリオ公開・変更ができるとしており、掲載5サービスの中でもっとも具体的な時間を示しています。対話フローは運用しながら調整することが多いため、この差は工数に直結します。
外部連携も広く、API連携として本人認証・在庫確認・予約管理に対応します。加えてゼンリンの住所データ連携を備えます。電話では住所の聞き取りが難しいため、住所データとの照合は実務上の差になります。掲載5サービスの中でこの連携を明示しているのはMOBI VOICEです。
AIは音声認識と生成AIによる意図解釈・分類を行い、曖昧な発話から用件を深掘りして特定します。はっきりしない話し方でも用件にたどり着ける設計です。あふれ呼対応と24時間365日の自動受付にも対応します。
料金は公式に記載がなく、第三者情報では初期30万円・月額15万円〜に電話番号料金や着信費用等の従量が加わるとされていますが、公式未確認の参考値です。無料トライアルの明記はなく、公式サイトで5項目をヒアリングする体験デモを提供しています。
大企業・エンタープライズ・大規模コールセンターを対象としたAIボイスボットです。
特徴は用途に応じた2プランです。AI-IVRプランは入電を音声認識で自動振り分けするもので、応対そのものは人が行います。自動応答プランは定型業務を完全自動化するもので、AIが応対まで担当します。振り分けだけを自動化するか、応対まで任せるかを選べるため、段階的な導入が可能です。
AIは音声認識と自然言語処理により自由発話を理解し、生成AIも搭載しています。誤りを抑える仕組みとして、認識補正・データ補正・ピンポイント聞き直し・フロー分岐を備えます。聞き取れなかった箇所だけを確認し直せるため、最初からやり直す必要がなく、通話時間を短く保てます。
本人認証とデータベース連携に対応し、ノーコードでの対話フロー構築も可能です。
料金は初期費用・月額・従量のいずれも非公開で、要問い合わせとなります。無料トライアルの明記はなく、デモや資料請求での対応です。
中堅〜大企業のコールセンターを対象としたAIエージェントです。
特徴は生成AIの誤りへの対策です。ハルシネーション(事実に基づかない生成)を防ぐ独自機能を持つとしています。企業窓口では誤った案内が問題になりやすいため、この点を明示していることは判断材料になります。
音声対話に特化した対話エンジンにより電話応対を代行します。チャット向けの技術を転用したものではなく、音声でのやり取りに特化した構成です。自社システムとの連携によって手続きまで完結させられ、企業窓口に適した高品質な応答を掲げています。
導入面ではサクセスサポートプログラムによる対話設計・シナリオ構築支援を提供します。対話設計は専門性が高いため、自社で組み立てるより支援を受ける形が想定される構成です。
料金は公式で数値を確認できず、第三者情報では初期70万円・月額50万円(初期費用にシナリオ構築費を含む)+オプション費用とされていますが、公式未確認の参考値です。無料トライアルの明記も確認できず、導入支援を含めた相談が入口となります。
よくある質問
AI自動電話応答の費用相場はいくらですか。
掲載5サービスはいずれも料金を公開しておらず、料金公開率は0%です。課金モデルまで含めて手がかりを示しているのはcommuboのみで、使った分だけの従量課金制・待機コストなしと明記されています(単価は非公開)。参考値としてMOBI VOICEが初期30万円・月額15万円〜+電話番号料金や着信費用等の従量、AI Worker VoiceAgentが初期70万円・月額50万円(初期費用にシナリオ構築費を含む)という第三者情報がありますが、いずれも公式では確認できていない参考値です。実額は問い合わせでの確認となります。
料金が非公開の場合、何を基準に選べばよいですか。
料金以外の判断材料としては、生成AIの誤りを抑える仕組み、ノーコードでの変更のしやすさ、外部システムとの連携範囲、対象とする規模があります。commuboはプロンプト制御とLLM×RAGでの安全運用、AI Worker VoiceAgentはハルシネーション防止の独自機能、PKSHA VoiceAgentは認識補正・データ補正・ピンポイント聞き直しを備えます。MOBI VOICEはノーコードで最短5分のシナリオ変更ができ、ゼンリン住所データ連携も持ちます。複数社に同じ条件で見積りを依頼し、機能と金額の両方で比べる進め方が現実的です。
無料で試せますか。
掲載5サービスに無料プランはありません。トライアルについてはcommuboが導入プロセスの中でトライアルに関する記述を持ち、COTOHA Voice DX Premiumは公式FAQに「トライアル利用は可能ですか?」という項目があります。ただしいずれも期間や条件の詳細は公開されていません。MOBI VOICEは無料トライアルの明記がない代わりに、公式サイトで5項目をヒアリングする体験デモを提供しています。PKSHA VoiceAgentとAI Worker VoiceAgentは無料トライアルの明記がなく、デモや資料請求での対応となります。
生成AIが誤った回答をするリスクはどう抑えていますか。
commuboはプロンプト制御とLLMにRAGを組み合わせた安全運用を掲げ、シナリオ型と生成AI型のハイブリッドで応対します。AI Worker VoiceAgentはハルシネーションを防ぐ独自機能を持つとしています。PKSHA VoiceAgentは認識補正・データ補正・ピンポイント聞き直し・フロー分岐を備え、聞き取れなかった箇所だけを確認し直せます。COTOHA Voice DX Premiumは音声認識エンジンを冗長化して通話が途切れない構成を取り、導入後の継続チューニングで応対完了率を高めます。MOBI VOICEは音声認識と生成AIで意図を解釈・分類し、曖昧な発話から用件を深掘りします。
対話フローを自社で変更できますか。
MOBI VOICEはノーコードで最短5分のシナリオ公開・変更ができるとしています。commuboはノーコードで100種類以上の設計項目を編集でき、PKSHA VoiceAgentもノーコードでの対話フロー構築に対応します。COTOHA Voice DX PremiumとAI Worker VoiceAgentについてはノーコード編集の可否が公式サイト上に明記されていません。AI Worker VoiceAgentはサクセスサポートプログラムによる対話設計・シナリオ構築支援を提供しています。
電話で手続きまで完結できますか。
MOBI VOICEは外部API連携として本人認証・在庫確認・予約管理に対応し、ゼンリンの住所データ連携も備えます。PKSHA VoiceAgentは本人認証とデータベース連携に対応し、定型業務を完全自動化する自動応答プランを用意しています。AI Worker VoiceAgentは自社システム連携による手続き完結を掲げ、commuboは外部システムAPI連携を提供します。COTOHA Voice DX Premiumは情報収集・受付・後続処理の自動実行に対応します。どこまで完結させられるかは連携するシステム側の条件にもよるため、見積り時に確認が必要です。