年末調整システム
年末調整システムとは、従業員から扶養控除申告書や保険料控除申告書の情報をWeb上で集め、控除額と税額を自動計算して源泉徴収票の作成・電子申告までを行うSaaSです。従業員は質問に答えるだけで申告書ができあがるため、紙の配布・回収・記入もれの差し戻しという毎年の作業をなくせます。
年末調整システムとは
年末調整の実務が重いのは、対象者全員から期限までに書類を集めなければならないからです。扶養家族の情報、保険料控除証明書、住宅ローン控除——集める情報は人によって違い、記入もれがあれば差し戻して再提出を待つことになります。年末調整システムは、この工程を「従業員がスマートフォンで質問に答える」形に置き換えます。回答内容から控除額が自動計算されるため、担当者は回収状況の確認と最終チェックに専念できます。
選択肢は2つの系統に分かれます。ひとつは年末調整に特化した専用ソフトで、オフィスステーション 年末調整がこれにあたります。年1回の業務に対して年額で課金するため、通年で月額を払い続ける必要がありません。もうひとつは労務・給与SaaSの一機能として年末調整を持つ系統で、マネーフォワード クラウド年末調整、freee人事労務、SmartHR、ジョブカン労務HRが該当します。給与データとそのまま繋がるかわりに、料金は通年の月額に含まれます。
この違いは金額に大きく表れます。当メディアが公式料金から試算した従業員10名の年間コストは、オフィスステーション 年末調整が11,004円、マネーフォワード クラウド年末調整が53,760円、freee人事労務が72,000円でした。100名でもそれぞれ55,200円・120,000円・720,000円です。年末調整だけを電子化したいのか、労務や給与も含めて1つにまとめたいのかで、選ぶ側が変わります。
年末調整システムの検索需要トレンド
検索インタレストは年間で最も明確な季節性を示します。9月まで一桁台で推移し、10月に24〜26へ立ち上がり、11月に69〜74のピークを迎えて12月に24へ下がるという動きが毎年くり返されています。システムの検討は、この立ち上がりより前の夏から初秋に行うのが実務的です。(出典:Googleトレンド/キーワード「年末調整」)
年末調整システムの料金相場
当メディアが掲載5サービスを調査した、最安有料プラン(1ユーザー月額・税抜/年払い換算)の料金相場です。単価は横並びでも、最低月額や無料条件で規模別の実額は変わります。
| 企業規模 | 年間コスト(最安) | 業界中央値 |
|---|---|---|
| 従業員10名 | 11,004円/年〜 | 中央値 53,760円/年 |
| 従業員50名 | 27,600円/年〜 | 中央値 60,000円/年 |
| 従業員100名 | 55,200円/年〜 | 中央値 120,000円/年 |
※最安有料プラン・1ユーザー月額・税抜・年払い換算。無料プランあり:1/5サービス(ジョブカン労務HR(年末調整))/無料トライアル:5/5サービス・平均25日。集計対象5件・2026.07時点・当メディア調べ。
年末調整システムの選び方の要点
年末調整に特化した専用ソフトは、年1回の業務に年額で課金するため単体では安く収まります。オフィスステーション 年末調整は従業員1名あたり年額550円(税込)で、20名以下なら年額一律11,000円(税込)です。一方で労務・給与SaaSの一機能として使う場合は、給与データや従業員情報とそのまま繋がる利点があるかわりに、年末調整を使わない時期も月額が発生します。すでに労務SaaSを使っているなら、その機能で足りるかを先に確認するのが近道です。
当メディアの試算では、従業員10名の年間コストはオフィスステーション 年末調整が11,004円、マネーフォワード クラウド年末調整が53,760円、freee人事労務(年末調整)が72,000円でした。同じ業務でも6倍以上の開きが出ます。これは課金の考え方が違うためで、単価の比較では見えません。オフィスステーション 年末調整には初回のみ登録料110,000円(税込)がかかるため、1年目と2年目以降を分けて計算しておくと判断を誤りません。
作成した書類をe-Tax・eLTAXで電子申告できるかは、サービスとプランによって差があります。マネーフォワード クラウド年末調整とSmartHRは電子申告に対応し、freee人事労務では従業員の分散入力と電子申告がスターター以上のプランで利用できます(ミニマムでは管理者のみの入力です)。プランを1つ下げると年末調整の中核部分が使えなくなることがあるため、料金表の最安プランだけを見て判断しないことが大切です。
年末調整システムの成否は、従業員が迷わず回答を終えられるかで決まります。掲載5サービスはいずれも「質問に順番に答える」形式を採用しており、オフィスステーション 年末調整は「はい/いいえ」形式で最短3分、freee人事労務はLINEからの回答にも対応します。パソコンを持たない従業員が多い職場では、スマートフォンだけで完結できるかが回収率を左右します。
年末調整は給与データがなければ完結しません。マネーフォワード クラウド年末調整は同シリーズの給与と、ジョブカン労務HRはジョブカン給与計算と、freee人事労務は給与計算を内包する形でそれぞれ繋がります。オフィスステーション 年末調整は同シリーズの労務・給与製品と連携する構成です。いま使っている給与ソフトを続けるのであれば、そこへ源泉徴収票や年調データをどう引き渡すのかを確認しておく必要があります。
年末調整システムの比較一覧(全5サービス)
オフィスステーション 年末調整
月額46円〜年末調整に特化したアラカルト型クラウド。従業員は「はい/いいえ」の設問に答えるだけで控除額が自動算出され、最短3分で申告書を提出できる。年額課金の年末調整専用ツールで年間コストが安い。
マネーフォワード クラウド年末調整
月額100円〜マネーフォワード クラウドの年末調整機能。従業員は質問に回答するだけで書類入力が完了し、給与データから税額を自動計算。e-Tax・eLTAX電子申告に対応する。会計・給与とデータ連携するクラウド一式の一機能。
ジョブカン労務HR(年末調整)
月額400円〜ジョブカン労務HRの年末調整機能。マイナンバー管理・入社手続き・年末調整などの労務手続きを1ユーザー月額400円で提供。従業員がWebで申告し、担当者が回収・管理。最低利用料金は月2,000円。
freee人事労務(年末調整)
月額600円〜freee人事労務の年末調整機能。従業員はLINEやWebで質問に答えるだけで情報収集が完了し、書類提出までWeb上で完結。給与計算・勤怠と一体のクラウド。従業員分散入力・電子申告はスターター以上。
SmartHR(年末調整)
要問い合わせシェア上位のクラウド人事労務ソフトSmartHRの年末調整機能。従業員はアンケート形式で質問に答えるだけで申告書を自動作成、担当者の確認も効率化。有料プランは要問い合わせで、年末調整はエッセンシャル以上で利用可。
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