ビジュアルIVRの料金は月額と初期費用の2つで決まりますが、この2つの比重がサービスによって逆になります。
モバイルウェブ ビジュアルIVRは月額2万円〜と低い一方で初期費用が51.5万円〜、telmeeビジュアルIVRのBasicは月額48,000円(税別)と高めですが初期設定料は200,000円です。1年で計算すると、モバイルウェブが75.5万円、telmeeのBasicが77.6万円。月額では2.4倍の差があるのに、初年度の総額はほぼ同じになります。
ただし2年目以降は初期費用が発生しないため、月額の低いモバイルウェブが有利になります。契約する期間を決めてから比べないと判断を誤ります。この記事では掲載5サービスについて、費用の構造、SMS単価の開示状況、用途の違いを一次データから整理しました。
結論:期間・SMS単価・用途の3点で絞る
先に結論を述べます。
1つめは、契約する期間です。初期費用はあふれ呼IVR SMSの10万円〜からDEC Visual IVRの190万円〜まで19倍の開きがあります。短期なら初期費用の低いサービス、長期なら月額の低いサービスが有利です。
2つめは、SMS単価が公開されているかです。ビジュアルIVRはSMSでWeb画面に誘導する仕組みのため、SMS費用が総額に直結します。単価を公開しているのはあふれ呼IVR SMSのみで、月額7万円〜に月間1,000着信・1,000SMSが含まれ、超過は着信25円/件・SMS15円/通(税別)です。
3つめは、用途です。あふれ呼IVR SMSはあふれ呼・時間外呼に特化し、つながらなかった電話だけを対象とします。他の4サービスは着信全体をWebメニューへ誘導する構成です。
ビジュアルIVRとは
ビジュアルIVRは、電話をかけてきた人にSMSでURLを送り、Web画面でメニューを選んでもらう仕組みです。音声ガイダンスを聞いてプッシュ操作する従来のIVRと違い、画面で一覧を見て選べるため、深い階層でも迷いにくくなります。
導入の目的は受電の削減です。FAQで解決できる用件をWebに誘導したり、有人対応が必要なものだけを電話に残したりすることで、オペレーターの負荷を下げます。
なお当メディアの調査では「ビジュアルIVR」は25か月すべてが指数0、「あふれ呼」も25か月中23か月が0で計測に足りませんでした。上位の概念である「カスタマーサポート」は直近25か月で68〜86の範囲を推移し、平均は75.7です。前半12か月の平均74.0に対し後半12か月は77.0とわずかに上がっています。
選び方:5つの確認ポイント
1. 初期費用と月額の比重が逆になることを踏まえる
掲載5サービスの費用構造は次のとおりです。
| サービス | 月額 | 初期費用 | 初年度 |
|---|---|---|---|
| モバイルウェブ ビジュアルIVR | 2万円〜 | 51.5万円〜 | 75.5万円 |
| telmee ビジュアルIVR(Basic) | 48,000円(税別) | 200,000円 | 77.6万円 |
| あふれ呼IVR SMS | 7万円〜 | 10万円〜 | 94万円 |
| telmee ビジュアルIVR(Premium) | 78,000円+オプション30,000円 | 200,000円 | 149.6万円 |
| DEC Visual IVR | 20万円〜 | 190万円〜 | 430万円 |
モバイルウェブとtelmee Basicは初年度でほぼ同額ですが、2年目以降はモバイルウェブが24万円、telmee Basicが57.6万円と差が開きます。2年使うと累計でモバイルウェブが99.5万円、telmee Basicが135.2万円です。
逆に半年で見直す可能性があるなら、初期費用の低いあふれ呼IVR SMS(10万円〜)やtelmee(20万円)のほうが損失は小さくなります。
2. SMS費用が公開されているかを確認する
ビジュアルIVRはSMSでWeb画面に誘導する仕組みのため、SMS費用が総額に直結します。
あふれ呼IVR SMSは月額7万円〜に月間1,000着信・1,000SMSが含まれ、1,001通目以降は15円/通、着信の超過は25円/件(いずれも税別)です。月3,000通のSMSを送る場合、7万円に2,000通分の3万円を加えて月10万円という計算ができます。
これに対しモバイルウェブ ビジュアルIVRはSMSが月額に含まれず別途従量で金額は要問い合わせ、telmeeビジュアルIVRは有効入力に応じた従量課金で単価は要問い合わせ、DEC Visual IVRとモビルスのVisual IVRも不明です。
想定する通数から総額を計算したい場合、単価の開示状況が判断材料になります。
3. 全着信の振り分けかあふれ呼対策かで用途を絞る
掲載5サービスは想定する場面が異なります。
あふれ呼IVR SMSはあふれ呼・時間外呼に特化しており、つながらなかった電話に自動音声応答でSMSを送りWebへ誘導します。用件に適した複数URLへの振り分けと、日別・時間帯別・切断箇所のレポートを備えます。SMSが使えない固定電話からの着信にも対応します。
これに対しモバイルウェブ ビジュアルIVR、telmeeビジュアルIVR、モビルスのVisual IVR、DEC Visual IVRは着信全体をWebメニューへ誘導する構成です。モビルスは電話・チャット・LINE・ボイスボット・FAQを一覧で可視化し、DECは電話・チャット・チャットボット・ビデオチャットのチャネル連携に対応します。
全件を減らしたいのか、あふれた分だけを拾いたいのかで対象が変わります。
4. 運用開始後の画面変更にかかる費用を確認する
ビジュアルIVRは公開後もメニューの構成を変えることが多いため、変更にかかる費用が積み上がります。
モバイルウェブ ビジュアルIVRは管理画面から画面編集・ページ追加を追加費用なしで行えると明示しています。初期費用51.5万円〜は高い水準ですが、変更のたびに費用が発生しない点は長期の運用で効いてきます。
telmeeビジュアルIVRはメニュー画面のセルフ作成機能を備え、モビルスのVisual IVRはGUIによる直観的なシナリオ編集・ページデザイン(シンプル/カスタム)に対応します。DEC Visual IVRは問診メニュー管理機能を持ちます。
導入時の金額だけでなく、運用中に自社で変更できる範囲を確認しておく必要があります。
5. 導入までの期間と機能の広さを見る
立ち上げまでの期間にも差があります。
モバイルウェブ ビジュアルIVRは発注から約2週間で利用を開始できるとされ、DEC Visual IVRは構築期間が最短1.5カ月〜です。
DECは月額20万円〜・初期190万円〜と金額が高い一方で、AIリコメンドFAQ(Web閲覧履歴から最適なFAQを自動表示)、問診メニュー管理、待ち時間・混雑状況表示、緊急時のお知らせ表示を備えます。待ち時間や混雑状況を表示できるため、つながりにくい時間帯に他の手段へ誘導する運用が組めます。
モビルスのVisual IVRは料金非公開ですが、モビシリーズの導入社数500社以上・利用継続率99%以上を公表しており、明治安田生命やSOMPOひまわり生命など保険業界の事例を掲載しています。
独自データ:料金公開率と費用の構造
当メディアが掲載5サービスの公式サイトを2026年7月時点で調査した結果は次のとおりです。
料金公開率は80%(4/5)でした。モバイルウェブ ビジュアルIVR、telmeeビジュアルIVR、あふれ呼IVR SMS、DEC Visual IVRが金額を公開し、モビルスのVisual IVRのみ非公開です。
初期費用は19倍の幅があります。あふれ呼IVR SMSの10万円〜からDEC Visual IVRの190万円〜までで、月額(2万円〜20万円の10倍)よりも幅が大きくなっています。
初年度の総額は5.7倍の幅があります。モバイルウェブの75.5万円からDECの430万円までです(いずれもSMSなどの従量分を含まず)。
SMS単価を公開しているのは1サービスです。あふれ呼IVR SMSのみで、1,001通目以降15円/通、着信超過25円/件(いずれも税別)です。他の4サービスは要問い合わせまたは不明です。
無料プラン・無料トライアルはいずれも0%(0/5)です。導入前の確認は問い合わせやデモを通じて行う形になります。
導入期間を公開しているのは2サービスです。モバイルウェブが約2週間、DECが最短1.5カ月〜です。
掲載5サービスの比較
| サービス | 提供元 | 月額 | 初期費用 | 用途 | SMS単価 |
|---|---|---|---|---|---|
| モバイルウェブ | NTTドコモビジネスX株式会社 | 2万円〜 | 51.5万円〜 | 全着信の振り分け | 要問い合わせ |
| telmee | 株式会社ソフトフロントジャパン | 48,000円〜(税別) | 200,000円 | 全着信の振り分け | 要問い合わせ |
| あふれ呼IVR SMS | 株式会社電話放送局 | 7万円〜 | 10万円〜 | あふれ呼・時間外呼 | 15円/通 |
| Visual IVR | モビルス株式会社 | 非公開 | 非公開 | チャネル可視化 | 不明 |
| DEC Visual IVR | トランスコスモス株式会社 | 20万円〜 | 190万円〜 | 大規模センター | 不明 |
各サービスの詳細
掲載5サービスの中で公開されている月額がもっとも低い水準のビジュアルIVRです。
料金は月額2万円〜、初期費用51.5万円〜(ビジュアルIVR画面提供費用)です。1年で計算すると月額分24万円に初期費用を加えて初年度75.5万円となります。月額が低く初期費用が高い構成のため、長く使うほど1年あたりの負担が下がります。2年使えば累計99.5万円で、1年あたり約50万円という計算です。SMSは月額に含まれず別途従量で、金額は要問い合わせです。
特徴は運用開始後の変更にかかる費用です。管理画面から画面編集・ページ追加を追加費用なしで行えると明示されています。ビジュアルIVRはメニュー構成を変えることが多いため、変更のたびに費用が発生しない点は長期の運用で効いてきます。
機能は電話着信者へのSMS送信によるWeb画面誘導と、FAQ・チャット・有人窓口などマルチチャネルへの振り分けです。発注から約2週間で利用を開始できるとされており、掲載5サービスの中で立ち上げがもっとも早い部類になります。
コンタクトセンター・コールセンターを持つ中堅〜大企業を対象としています。
中小〜中堅企業を対象としたクラウド自動電話+ビジュアルIVRです。
料金はBasicが税別48,000円/月+初期設定料200,000円、Premiumが税別78,000円/月+オプション月額30,000円(税別)+初期設定料200,000円です。個別対応のCustomizeプランは要相談となります。1年で計算するとBasicが初年度77.6万円、Premiumが149.6万円です。
初期設定料が20万円と、掲載5サービスの中では低い部類です。月額が高く初期費用が低い構成のため、短期間での利用では有利になります。半年で見直す可能性があるなら、初期費用51.5万円のモバイルウェブより損失は小さくなります。
機能は電話着信時に自動でURL付きSMSを送信しWebメニューへ誘導する仕組みで、メニュー画面のセルフ作成機能を備えます。SMSに加えてメール通知も選択できる点は他の掲載サービスにない構成です。
完全クラウドでの提供のため、設備を持たずに利用できます。SMS送信機能は有効入力に応じた従量課金で、単価は要問い合わせです。
あふれ呼対策に特化したビジュアルIVRで、掲載5サービスの中で唯一、SMSの単価を公開しています。
料金は月額7万円〜で、月間1,000着信・1,000SMSが含まれます。初期費用は10万円〜(税別)で、掲載5サービスの中でもっとも低い水準です。1年で計算すると月額分84万円に初期費用10万円を加えて初年度94万円となります。
超過分の単価も公開されており、着信が25円/件、SMSが1,001通目以降15円/通(いずれも税別)です。月3,000通のSMSを送る場合、7万円に2,000通分の3万円を加えて月10万円という計算ができます。想定する通数から総額を見積もれる点は他の掲載サービスにない特徴です。
用途はあふれ呼・時間外呼への対応です。つながらなかった電話に自動音声応答でSMSを送りWebへ誘導します。用件に適した複数URLへの振り分け、Web管理画面、日別・時間帯別・切断箇所のレポート、複数通信キャリア対応、コールバック受付、固定電話対応、音声合成オプションを備えます。
切断箇所のレポートにより、どこで離脱されたかを数字で追えます。またSMSが使えない固定電話からの着信にも対応するため、誘導できない層を取りこぼしません。金融・保険などコールセンターを持つ中堅〜大企業を対象としています。
掲載5サービスの中で唯一、料金を公開していないビジュアルIVRです。
特徴はチャネルの可視化です。電話・チャット・LINE・ボイスボット・FAQを一覧で表示し、利用者に選んでもらう構成になっています。単に電話を振り分けるのではなく、どの手段が使えるかを一覧で示す設計です。
編集機能はGUIによる直観的なシナリオ編集・ページデザインで、シンプルとカスタムの2種類が用意されています。アクセス集計やユーザー行動分析の統計機能も備え、誘導の改善に使えます。
ボイスボット連携により、電話後のSMS案内やコールバック予約にも対応します。
実績としてモビシリーズの導入社数500社以上・利用継続率99%以上を公表しており、明治安田生命やSOMPOひまわり生命など保険業界の事例を掲載しています。掲載5サービスの中で実績を数値で公表しているのはモビルスです。料金は非公開のため、予算感の把握には問い合わせが必要になります。
大規模コンタクトセンターを持つ大企業を対象としたビジュアルIVRで、掲載5サービスの中で金額がもっとも高い水準です。
料金は月額20万円〜・初期費用190万円〜(いずれも税別・下限)で、個別見積りとなります。1年で計算すると月額分240万円に初期費用190万円を加えて初年度430万円です。構築期間は最短1.5カ月〜とされており、個別構築を伴うため立ち上げに時間がかかります。
特徴はAIリコメンドFAQ機能を標準搭載している点です。Web閲覧履歴から最適なFAQを自動で表示するため、利用者が探す手間を減らせます。掲載5サービスの中でこの機能を明示しているのはDEC Visual IVRです。
そのほか問診メニュー管理機能、待ち時間・混雑状況表示機能、緊急時のお知らせ表示機能を備えます。待ち時間や混雑状況を表示できるため、つながりにくい時間帯に他の手段へ誘導する運用が組めます。緊急時のお知らせは、障害や災害時に問い合わせの集中を抑える用途に対応します。
チャネル連携は電話・チャット・チャットボット・ビデオチャットに対応し、掲載5サービスの中で対応チャネルがもっとも広い構成です。
よくある質問
ビジュアルIVRの費用相場はいくらですか。
掲載5サービスのうち4サービスが料金を公開しています。モバイルウェブ ビジュアルIVRが月額2万円〜・初期費用51.5万円〜、telmeeビジュアルIVRがBasic月額48,000円+初期設定料200,000円・Premium月額78,000円+オプション月額30,000円+初期設定料200,000円(いずれも税別)、あふれ呼IVR SMSが月額7万円〜(1,000着信・1,000SMS込み)・初期10万円〜、DEC Visual IVRが月額20万円〜・初期費用190万円〜(いずれも税別・下限)です。モビルスのVisual IVRは料金非公開で要問い合わせとなります。
初年度の総額はいくらになりますか。
公開されている金額から計算すると、モバイルウェブ ビジュアルIVRが75.5万円(月2万円×12+初期51.5万円)、telmeeビジュアルIVRのBasicが77.6万円(月48,000円×12+初期設定料20万円)、あふれ呼IVR SMSが94万円(月7万円×12+初期10万円)、telmeeのPremiumが149.6万円(月78,000円+オプション30,000円の×12+初期設定料20万円)、DEC Visual IVRが430万円(月20万円×12+初期190万円)です。いずれもSMSなどの従量分は含みません。
SMSの費用はいくらかかりますか。
掲載5サービスの中で単価を公開しているのはあふれ呼IVR SMSのみです。月額7万円〜に月間1,000着信・1,000SMSが含まれ、1,001通目以降は15円/通、着信の超過は25円/件(いずれも税別)です。モバイルウェブ ビジュアルIVRはSMSが月額に含まれず別途従量で金額は要問い合わせ、telmeeビジュアルIVRは有効入力に応じた従量課金で単価は要問い合わせです。DEC Visual IVRとモビルスのVisual IVRについてもSMS費用は公開されていません。
導入までにどのくらいかかりますか。
モバイルウェブ ビジュアルIVRは発注から約2週間で利用を開始できるとされています。DEC Visual IVRは構築期間が最短1.5カ月〜です。telmeeビジュアルIVR、あふれ呼IVR SMS、モビルスのVisual IVRについては、公式サイト上に導入期間の明記がありません。
無料で試せますか。
掲載5サービスに無料プランと無料トライアルはいずれもありません。導入前の確認は問い合わせやデモを通じて行う形になります。
運用開始後にメニュー画面を変更できますか。
モバイルウェブ ビジュアルIVRは管理画面から画面編集・ページ追加を追加費用なしで行えると明示しています。telmeeビジュアルIVRはメニュー画面のセルフ作成機能を備え、モビルスのVisual IVRはGUIによる直観的なシナリオ編集・ページデザイン(シンプル/カスタム)に対応します。DEC Visual IVRは問診メニュー管理機能を持ちます。あふれ呼IVR SMSはWeb管理画面を備え、用件に適した複数URLへの振り分けを設定できます。