貿易管理システム

貿易管理システム比較5選|8ユーザー目で料金の順位が逆転する

7ユーザーまではPORTNeT Light(月10,000円/人)、8ユーザー以上はEX-TRADE(基本30,000円+6,000円/ID)が安くなります。掲載5社の料金公開率は40%で、書類を作る型と相手とつなぐ型に分かれます。

貿易管理システムを比べるとき、最初に見分けたいのは製品の立ち位置です。

  • 業務システム型:EX-TRADE、PORTNeT、HarborWrite — 自社の見積・受発注・出荷・請求と貿易書類を管理する
  • プラットフォーム型:TradeWaltz、Shippio — 取引相手とつながる場を提供する

TradeWaltzは輸出入者・物流会社・銀行・保険会社・行政機関が同じ場に参加する産業横断型のプラットフォームで、NTTデータ・豊田通商・住友商事・三菱商事・東京海上日動・三井住友銀行・三菱UFJ銀行・みずほ銀行など計18社が出資しています。Shippioは日本初のデジタルフォワーダーとして、実際の輸送と貿易管理クラウドをあわせて提供します。

自社だけで完結する話ではないため、導入の進め方も費用の考え方も業務システム型とは変わります。

結論:立ち位置・課金の軸・規制対応の3点で絞る

先に結論を述べます。

1つめは、立ち位置です。自社の書類作成を効率化したいだけなら業務システム型、相手との受け渡しまで含めて変えたいならプラットフォーム型です。

2つめは、課金の軸です。金額を公開している2社は8ユーザーを境に順位が入れ替わります。7ユーザーまではPORTNeT Light、8ユーザー以上はEX-TRADEが安くなります。

3つめは、規制対応です。三国間貿易・安全保障貿易管理(キャッチオール/リスト規制)はHarborWrite、関税関係帳簿の自動作成と原産地証明書のブロックチェーン申請はTradeWaltzが対応します。

掲載5社の料金公開率は40%(2/5)、無料トライアルは0社(0%)でした。

貿易管理システムとは

貿易管理システムとは、輸出入の見積・受発注・出荷・通関・請求といった一連の業務と、インボイスやパッキングリストなどの貿易書類を管理するシステムです。

国内の販売管理システムとの違いは、扱う要件の多さにあります。多通貨・多言語の取引に加えて、安全保障貿易管理(対象品目や仕向地によって手続きが変わる)、関税関係帳簿(保存義務がある)、諸掛込みの採算管理(輸送費や保険料が案件ごとに変わる)といった、国内取引には存在しない業務が並びます。

もうひとつの特徴が、関係者の多さです。1件の取引に輸出入者・フォワーダー・銀行・保険会社・税関が絡み、同じ書類が何度も送り直されます。自社だけをデジタル化しても相手が紙のままなら効果は限られるという構造があり、これがプラットフォーム型の製品が生まれる背景になっています。

当メディアの調査では、「貿易管理」という検索キーワードの指数は直近25か月で46〜84の範囲を推移し、平均は61.2でした。最高は2025年5月の84、最低は2025年12月と2026年3月の46で、先頭62に対し末尾57と緩やかに下げています。単月の振れ幅が大きく、2025年5月の84から翌月66へ、2026年2月の66から3月の46へと前後で20前後動く月もあります。関税や通関の制度変更、為替の急変といった外部要因で関心が短期間に立ち上がる領域と読み取れます。

選び方:5つの確認ポイント

1. 業務システム型かプラットフォーム型かを見分ける

サービス立ち位置誰が参加するか
TradeWaltz産業横断型プラットフォーム輸出入者・物流会社・銀行・保険会社・行政機関
Shippioデジタルフォワーダー+クラウド荷主・国際物流事業者(実際の輸送も担う)
EX-TRADE業務システム自社(中小商社向け)
PORTNeT業務システム自社(輸出入事業者・商社)
HarborWrite業務システム自社(輸出入事業者・商社)

プラットフォーム型は取引相手の参加が前提になります。TradeWaltzは18社が出資する共同プラットフォームで、出資構成そのものが利用の広がりを支える仕組みです。Shippioは貨物利用運送事業者として複数のライセンスを取得し、荷主向け「Shippio Cargo」と国際物流事業者向け「Shippio Works」の両側に製品を持ちます。

自社の書類作成を効率化したいだけなのか、相手との受け渡しまで含めて変えたいのか。ここが最初の分岐です。

2. 課金の軸を確かめる

サービス課金の軸公開されている金額
TradeWaltz取引件数連動(ユーザー数では変動しない)非公開
Shippioフォワーディング運賃+クラウド利用非公開
EX-TRADE企業定額+ID(基本30,000円+6,000円/ID)公開
PORTNeTユーザー単位Light 月10,000円〜/標準 月30,000円〜
HarborWrite月額サブスクまたは買取非公開

TradeWaltzは人数が増えても費用が上がりません。営業・物流・経理といった関係部署を広く巻き込む使い方に向く構造です。

EX-TRADEは同時接続ライセンス(10,000円/月)も選べます。ユーザーライセンス6,000円/IDの約1.67人ぶんにあたるため、2人が交代で使うならIDを2つ持つ12,000円より同時接続1つの10,000円が安く済みます。PORTNeTのクラウド標準版も同時接続ユーザー数での提供です。貿易実務は担当者が交代で入力する場面が多いため、在籍人数ではなく同時に画面を開く人数で見積もると精度が上がります。

3. 8ユーザーを境に金額の順位が入れ替わる

金額を公開している2社で試算します。

  • EX-TRADE:基本利用料30,000円 + 6,000円 × ID数
  • PORTNeT Light:10,000円 × ユーザー数

基本利用料30,000円を単価差4,000円(10,000円-6,000円)で割ります。

  • 30,000円 ÷ 4,000円 = 7.5
ユーザー数EX-TRADEPORTNeT Light安いほう
136,000円10,000円PORTNeT
560,000円50,000円PORTNeT
772,000円70,000円PORTNeT
878,000円80,000円EX-TRADE
20150,000円200,000円EX-TRADE(1.33倍差)

少人数ならユーザー単位、人数が増えるなら企業定額+IDが有利という関係です。

なおEX-TRADEには別途初期費用240,000円(リモート導入パック)/300,000円(訪問導入パック)がかかります。1IDで初年度の総額は 240,000円 + 36,000円 × 12 = 672,000円(リモート導入パックの場合)が下限です。PORTNeTも別途初期設定費用・講習会費用が必要です。

4. クラウドと買取を年数で比べる

PORTNeTはクラウド版とオンプレミス版(買取)の両方を提供しています。

形態金額
クラウド Light月額 10,000円〜/ユーザー
クラウド 標準月額 30,000円〜/ユーザー(ソフト及びサーバ保守・監視費用込み)
オンプレ スタンドアロン版買取 900,000円〜/ユーザー
オンプレ ネットワーク版買取 1,200,000円〜(3ユーザー)

総額が並ぶ時期を計算します。

  • 買取900,000円 ÷ クラウド標準 月30,000円 = 30か月(2年6か月)
  • 買取900,000円 ÷ クラウドLight 月10,000円 = 90か月(7年6か月)
  • ネットワーク版1,200,000円 ÷ Light 3人ぶん月30,000円 = 40か月(約3年4か月)

ただしオンプレミス版は別途初期設定・講習会・サーバ・月額サポート費用が必要なため、実際の分岐点はこれより手前に来ます。HarborWriteも月額サブスクと買取の2形態を用意しています(いずれも金額は非公開)。買取方式は資産計上できるため、会計上の扱いを理由に選ぶ場合の受け皿になります。

5. 三国間貿易・安全保障貿易管理への対応を確認する

貿易管理は国内の販売管理にはない要件を扱います。

サービス特有の対応
HarborWrite三国間貿易に正式対応/キャッチオール・リスト規制(安全保障貿易管理)/NACCS連携(輸出入許可情報取得・オプション)
TradeWaltz関税関係帳簿の自動作成/原産地証明書のブロックチェーン申請/輸出入許可データ連携/電子帳簿保存法対応
PORTNeT日英中のマルチランゲージ/複数通貨/軽減税率・インボイス対応/内部統制(更新履歴・承認プロセス・権限設定)/諸掛込み利益管理
EX-TRADE多通貨対応/輸出入+国内取引を同じシステムで扱える
Shippio集荷・出港・入荷・通関・納品の進捗可視化/本船位置のリアルタイム表示

三国間貿易は、日本の企業が海外の売り手と海外の買い手をつなぐ形の取引で、貨物が日本を経由しません。書類の流れも決済の流れも通常の輸出入とは異なるため、正式対応を明示している製品は限られます。

安全保障貿易管理も、対象品目や仕向地、需要者によって必要な手続きが変わります。担当者の知識に頼った運用では見落としが起こり得るため、システム側で管理できるかがコンプライアンス上のリスクを左右します。

タイプ分類:3つの型

型1|産業横断プラットフォーム型(TradeWaltz)

貿易に関わる全プレイヤーが同じ場に参加する型です。NTTデータ・豊田通商・住友商事・三菱商事・東京海上日動・三井住友銀行・三菱UFJ銀行・みずほ銀行など計18社が出資する共同プラットフォームで、商流・物流・金流のデジタル化を掲げます。料金は取引件数連動でユーザーアカウント数では変動しないため、関係部署を広く巻き込みやすい構造です。関税関係帳簿の自動作成、ブロックチェーンによる原産地証明書申請にも対応します。

型2|物流一体型(Shippio)

システムと実際の輸送をあわせて提供する型です。日本初のデジタルフォワーダーとして2018年12月からデジタルフォワーディングを提供し、貨物利用運送事業者として複数のライセンスを取得しています。荷主向け「Shippio Cargo」と国際物流事業者向け「Shippio Works」の2種のクラウドを持ち、シップメント単位の書類管理、集荷から納品までの進捗可視化、マップでの本船位置リアルタイム表示に対応します。

型3|自社業務システム型(EX-TRADE/PORTNeT/HarborWrite)

自社の貿易実務を管理する型です。EX-TRADEは中小商社向けに販売・仕入・在庫・入出金を多通貨で一元化し、初期費用と月額を公式に公開しています。PORTNeTは1985年から続く製品で、クラウド・Web・オンプレの3形態と日英中の多言語に対応し、7,500以上の導入実績と継続利用率98%を公表します。HarborWriteは三国間貿易と安全保障貿易管理、NACCS連携という規制対応の幅が特徴です。

独自データ:料金公開率40%、無料トライアル0%

当メディアの調査で分かったことを整理します。

項目掲載5社の結果
料金公開率40%(2/5)(open 2社/partial 0社/closed 3社)
1ユーザー単価を出せる社数1社(PORTNeT Light 月10,000円〜)
無料プラン0社(0%)
無料トライアル0社(0%)
提供形態を選べる社数2社(PORTNeT/HarborWrite)

無料トライアルが0社という結果は、このカテゴリの性格を表しています。自社の取引先・品目・通貨の設定を入れないと使い勝手が判断できず、また通関や許可情報の連携が絡むため、短期間の試用が成立しにくいのです。

その代わりになるのが契約期間の条件です。EX-TRADEは最短利用期間6ヶ月で以降1ヶ月自動更新、カスタマイズなしなら1ヶ月程度で導入できます。一方PORTNeTのクラウド版は契約1年単位で初年度の途中解約ができません。同じ「試せない」でも、撤退のしやすさは大きく違います。

企業規模別の年間コストは、金額を公開している2社で次のようになります。

規模EX-TRADEPORTNeT Light
10名432,000円(1ID・企業定額)1,200,000円
50名432,000円6,000,000円
100名432,000円12,000,000円

EX-TRADEは基本利用料が企業定額で必要なID数だけを足す構造のため、従業員数が増えても最安構成の金額は変わりません(別途初期費用240,000〜300,000円)。PORTNeTはユーザー単位のため人数にそのまま比例します。ただし実際に必要なのは在籍人数ではなく同時に使う人数なので、この表は上限の目安として見てください。

掲載5社の比較表

サービス立ち位置課金の軸公開されている金額提供形態特有の対応
EX-TRADE業務システム企業定額+ID基本30,000円+6,000円/ID(初期24〜30万円)クラウド輸出入+国内取引・多通貨
PORTNeT業務システムユーザー単位Light 10,000円〜/標準 30,000円〜クラウド/Web/オンプレ日英中・内部統制・諸掛込み利益
HarborWrite業務システム月額または買取非公開クラウド/買取三国間貿易・安保貿易管理・NACCS
TradeWaltzプラットフォーム取引件数連動非公開クラウド関税帳簿自動作成・原産地証明
Shippioフォワーダー+クラウド運賃+クラウド利用非公開クラウド本船位置のリアルタイム表示

無料プラン・無料トライアルは掲載5社とも提供がないため、表からは省いています。

各サービスの詳細

EX-TRADE(エクストレード)

中小商社向け。初期費用と月額を公式に公開している

公式サイト ↗

株式会社コデックスが提供するクラウド型の貿易・販売管理システムです。同社は2003年5月設立、資本金3,000万円で、東京都港区南青山に本社を置きます。

中小規模の商社を主な対象に、見積・受発注・出荷・請求を多通貨対応で処理し、販売管理・仕入管理・在庫管理・入出金管理の4つを一元化します。輸出入だけでなく国内取引にも標準機能で対応するため、海外と国内の両方を扱う商社でシステムを分けずに済みます。

料金を公式に公開している点が特徴です。導入費用はリモート導入パック240,000円・訪問導入パック300,000円(いずれも税抜)、月額利用料は基本利用料30,000円/月に、ユーザーライセンス6,000円/ID・月または同時接続ライセンス10,000円/月を加えて算出します(AWS利用料・ライセンス保守運用費込み・税抜)。

基本利用料が企業定額で乗るため、人数が増えるほど1人あたりの負担は下がります。PORTNeT Lightと比べると8ユーザー以上で逆転し、20ユーザーなら150,000円対200,000円で1.33倍の差になります。

同時接続ライセンスを選べる点も実務的です。同時接続1つはID約1.67人ぶんにあたるため、2人が交代で使うならIDを2つ持つ12,000円より同時接続1つの10,000円が安く済みます。

最短利用期間は6ヶ月で以降1ヶ月自動更新、カスタマイズなしなら1ヶ月程度で導入できます。PCAクラウドやfreee会計とのAPI連携も可能で、会計システムを入れ替えずに貿易・販売管理だけを載せ替えられます。

PORTNeT(ポートネット)

1985年から続く製品。導入7,500超・継続利用率98%

公式サイト ↗

輸出入貿易業務管理システムです。もともとは株式会社エフ・ビー・エス(FBS)が1985年の創業以来、貿易業務管理ソフトを一貫して自社開発してきた製品で、FBSは2024年11月1日付でヒューマンリソシア株式会社(ヒューマンホールディングスグループ)に吸収合併・解散し、現在は同社が開発・提供を承継しています。

提供形態はクライアントサーバー型・Webブラウザ型・クラウド/SaaS型の3タイプから選べます。掲載5社の中でも形態の選択肢が多い製品です。

クラウド版の料金は公式に公開されており、標準版が月額30,000円〜/ユーザー(同時接続ユーザー数での提供、ソフト及びサーバ保守・監視費用込み)、Light版が月額10,000円〜/ユーザーです。契約は1年単位(初年度途中解約不可)で、別途初期設定費用・講習会費用が必要です。

オンプレミス版は買取でスタンドアロン版900,000円〜/ユーザー、ネットワーク版3ユーザー1,200,000円〜です。買取900,000円をクラウド標準版の月30,000円で割ると30か月(2年6か月)、Light版の月10,000円で割ると90か月(7年6か月)で総額が並びます。

機能面では、英語・日本語・中国語のマルチランゲージと複数通貨に対応し、軽減税率・インボイス制度にも対応します。更新履歴・承認プロセス・権限設定といった内部統制機能、出荷・入荷予定管理、書類保管、Excel出力、諸掛込み利益管理を備えます。輸送費や保険料を含めた案件ごとの採算を把握できる点は、諸掛が案件ごとに大きく変わる貿易実務で効いてきます。

書類作成時間約50%短縮、継続利用率98%、7,500以上のユーザー導入実績を公表しています。

HarborWrite(ハーバーライト)

三国間貿易と安全保障貿易管理に対応する

公式サイト ↗

株式会社アルカディアソフト開発が提供する貿易管理システムです。同社は1987年8月28日設立、資本金1億円(払込資本金)で、東京都千代田区鍛冶町に本社を置きます。主な株主に有限会社髙島商事や株式会社吉野家(吉野家ホールディングスグループ)などがいます。

見積管理・受発注管理・入金支払管理・進捗管理・ドキュメント管理といった貿易実務の基本機能に加えて、規制対応の幅が広いことが特徴です。

三国間貿易に正式対応します。日本の企業が海外の売り手と海外の買い手をつなぐ形の取引で、貨物が日本を経由しません。書類の流れも決済の流れも通常の輸出入とは異なるため、一般的な輸出入向けのシステムでは扱いづらく、正式対応を明示している製品は限られます。

キャッチオール規制・リスト規制といった安全保障貿易管理にも対応します。対象品目や仕向地、需要者によって必要な手続きが変わるため、担当者の知識に頼った運用では見落としが起こり得ます。システム側で管理できることは、コンプライアンス上のリスクを下げるうえで意味を持ちます。内部統制対応も備えます。

税関システムNACCS(Nippon Automated Cargo and Port Consolidated System)から輸出入許可情報を取得して活用できる点も特徴です(オプション)。許可情報を手で転記している業務があれば、その工数がそのまま減ります。在庫管理もオプションで追加できます。

提供形態はクラウドサービス(月額利用方式・サポート込み・無償自動バージョンアップ)と、ライセンス買取方式(HarborWrite Enterprise System・資産計上可能・年間保守契約別途)の2種類で、いずれもカスタマイズと基幹システム連携に対応します。料金は公式サイトに具体的な金額表記がなく要問い合わせで、無料デモの案内があります。

TradeWaltz(トレードワルツ)

18社が出資する産業横断型プラットフォーム

公式サイト ↗

株式会社トレードワルツが運営する産業横断型の貿易プラットフォーム(SaaS)です。同社は2020年4月1日設立、東京都港区三田の住友不動産東京三田サウスタワーに本社を置きます。NTTデータ・豊田通商・住友商事・三菱商事・東京海上日動・三井住友銀行・三菱UFJ銀行・みずほ銀行など計18社が出資する合弁会社です。

自社の業務を効率化するシステムではなく、貿易に関わる全プレイヤーが同じ場に参加する設計になっています。輸出入者・物流会社・銀行・保険会社・行政機関の情報とコミュニケーションをクラウドで統一管理し、商流・物流・金流のデジタル化を実現します。

貿易は1件の取引に多数の関係者が絡み、同じ書類が何度も送り直される構造にあります。自社だけをデジタル化しても相手が紙のままなら効果は限られるため、関係者が同じ場に乗ることが効率化の前提になります。商社・銀行・保険・SIerという主要プレイヤーが揃って出資している構成そのものが、利用の広がりを支える仕組みです。

機能は貿易書類・許可書の一元管理、関税関係帳簿の自動作成、チャット履歴との統合管理、API連携・ファイル出力、業務プロセスの定型化、進捗状況の可視化にわたります。さらにブロックチェーンを活用した原産地証明書の申請にも対応し、電子帳簿保存法にも準拠します。原産地証明書は関税の減免に関わる書類で真正性の担保が求められるため、改ざんが困難な仕組みの上で申請できることに意味があります。

料金は輸出・輸入の取引件数に応じた案内で、ユーザーアカウント数では変動しない設計です。人数が増えても費用が上がらないため、営業・物流・経理といった関係部署を広く巻き込みやすい構造といえます。ただし具体的な金額は非公開で、個社見積りとなります。

Shippio(シッピオ)

日本初のデジタルフォワーダー。本船位置をマップで追える

公式サイト ↗

株式会社Shippioが提供する国際物流DXプラットフォーム「Shippio Platform」です。同社は2016年6月設立、資本金8.4億円(資本準備金含む)で、東京都港区芝浦のBLUE FRONT SHIBAURA TOWERに本社を置きます。

日本初のデジタルフォワーダーとして、2018年12月からデジタルフォワーディングを提供しています。システムを売るだけでなく、自社が貨物利用運送事業者として実際の輸送を担う点が、掲載5社の中での位置づけを分けています。フォワーダーとシステムを別々に選ぶ構成と比べ、輸送の進捗がそのままシステムに反映されます。

サービスは3つで構成されます。デジタルフォワーディング「Shippio Forwarding」、荷主向け貿易管理クラウド「Shippio Cargo」、国際物流事業者向け貿易管理クラウド「Shippio Works」です。取引の両側に製品があるため、荷主とフォワーダーが同じ基盤でやり取りできます。

クラウド上で見積依頼・請求書発行・貿易書類のシップメント単位管理を行えます。貿易は1件の船積みに対してインボイス、パッキングリスト、B/Lなど複数の書類が発生するため、シップメント単位でまとまることで必要な書類を探す時間が減ります。

集荷・出港・入荷・通関・納品といった進捗を可視化でき、さらにマップ機能で本船位置をリアルタイムに表示できます。海上輸送は天候や港の混雑で遅延が起きやすく、把握が遅れると在庫の手当てや顧客への連絡が後手に回ります。位置を直接見られることで、到着見込みのずれを早く察知できます。

料金は公式サイトに具体的な金額表記がなく、フォワーディング利用時の運賃モデルおよびクラウド利用の個社見積りです。システム利用料だけでなく実際の輸送費と一体で考える構造のため、既存フォワーダーの運賃と合わせて比較する必要があります。

よくある質問

貿易管理システムの料金相場はいくらですか?

掲載5社の料金公開率は40%(2/5)で、金額を公開しているのはEX-TRADEとPORTNeTの2社です。EX-TRADEは基本利用料30,000円/月にユーザーライセンス6,000円/ID・月または同時接続ライセンス10,000円/月を加える方式で、1IDなら月36,000円、年間432,000円になります(別途初期費用240,000〜300,000円・税抜)。PORTNeTはクラウド版がLight月10,000円〜/ユーザー、標準月30,000円〜/ユーザーで、10ユーザーなら年1,200,000円です。TradeWaltz・Shippio・HarborWriteは料金非公開の個社見積りです。

ユーザー数が増えるとどちらが安くなりますか?

8ユーザーを境に入れ替わります。EX-TRADEは基本利用料30,000円+6,000円×ID、PORTNeT Lightは10,000円×ユーザー数なので、基本利用料30,000円を単価差4,000円で割ると 30,000円 ÷ 4,000円 = 7.5 になります。7ユーザーではPORTNeTが70,000円・EX-TRADEが72,000円でPORTNeTが安く、8ユーザーではPORTNeTが80,000円・EX-TRADEが78,000円でEX-TRADEが安くなります。20ユーザーならEX-TRADEが150,000円、PORTNeT Lightが200,000円で1.33倍の差です。なおTradeWaltzは取引件数連動でユーザーアカウント数では変動しない設計です。

クラウドと買取はどちらを選ぶべきですか?

利用年数で決まります。PORTNeTはクラウド版とオンプレミス版(買取)の両方を提供しており、オンプレミス版はスタンドアロン版が900,000円〜/ユーザー、ネットワーク版が3ユーザー1,200,000円〜です。買取価格900,000円をクラウド標準版の月30,000円で割ると30か月(2年6か月)、Light版の月10,000円で割ると90か月(7年6か月)で総額が並びます。ネットワーク版3ユーザーの1,200,000円は、Light版3人ぶんの月30,000円で割ると40か月(約3年4か月)です。ただしオンプレミス版は別途初期設定・講習会・サーバ・月額サポート費用が必要なため、実際の分岐点はこれより手前に来ます。HarborWriteも月額サブスクと買取の2形態を用意しています(いずれも金額は非公開)。

無料トライアルはありますか?

掲載5社とも無料トライアルはありません(0/5社)。貿易管理システムは自社の取引先・品目・通貨の設定を入れないと使い勝手が判断できず、また通関や許可情報の連携が絡むため、短期間の試用が成立しにくい領域です。HarborWriteは無料デモの案内があり、TradeWaltz・Shippio・EX-TRADE・PORTNeTもデモや問い合わせでの対応になります。なおEX-TRADEは最短利用期間が6ヶ月で以降1ヶ月自動更新、PORTNeTのクラウド版は契約1年単位で初年度の途中解約ができないため、契約期間の条件は見積り時に確認してください。

NACCSとの連携はできますか?

HarborWriteは税関システムNACCS(Nippon Automated Cargo and Port Consolidated System)から輸出入許可情報を取得して活用できます(オプション)。TradeWaltzは輸出入許可データ連携に対応し、関税関係帳簿の自動作成も行えます。Shippioは集荷・出港・入荷・通関・納品といった進捗を可視化でき、通関の状況を追えます。EX-TRADEとPORTNeTは料金・機能ページ上にNACCS連携の明確な記載がないため、必要な場合は問い合わせで確認してください。許可情報を手で転記している業務があるなら、連携の可否は工数に直結します。

三国間貿易や安全保障貿易管理に対応していますか?

HarborWriteは三国間貿易に正式対応し、キャッチオール規制・リスト規制といった安全保障貿易管理までカバーします。掲載5社の中でこの2点を明示しているのは同社です。TradeWaltzは輸出入者・物流会社・銀行・保険会社・行政機関が参加する産業横断型のプラットフォームで、関税関係帳簿の自動作成とブロックチェーンを活用した原産地証明書の申請に対応します。EX-TRADEは輸出入だけでなく国内取引にも標準機能で対応し多通貨で処理できます。PORTNeTは日英中のマルチランゲージと複数通貨、諸掛込みの利益管理を備えます。自社の取引形態に必要な要件から候補を絞ってください。

まとめ

貿易管理システムは、自社の書類を管理する業務システム型と、取引相手とつながるプラットフォーム型に分かれるカテゴリでした。1件の取引に多数の関係者が絡み、同じ書類が何度も送り直される貿易の構造が、この二分を生んでいます。

判断の順序は次のとおりです。

  1. 立ち位置を決める:自社の効率化だけなら業務システム型、相手との受け渡しまで変えるならプラットフォーム型
  2. 同時に使う人数を数える:在籍人数ではなく同時接続数。7人までならユーザー単位、8人以上なら企業定額+ID
  3. 必要な規制対応を洗い出す:三国間貿易・安全保障貿易管理・NACCS連携・関税関係帳簿のどれが要るか

中小商社で輸出入と国内取引を1つにまとめたいならEX-TRADE、少人数で多言語・内部統制まで求めるならPORTNeT、三国間貿易や安全保障貿易管理が絡むならHarborWrite、取引相手や銀行まで巻き込んでデジタル化したいならTradeWaltz、輸送そのものを含めて委託したいならShippio、というのが基本の割り振りです。

料金公開率は40%(2/5)、無料トライアルは0社。同時に使う人数と必要な規制対応を文章で固定したうえで、同じ条件で複数社に見積りを取るのが、このカテゴリでの現実的な進め方になります。

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