医療向けオンライン決済システム
医療向けオンライン決済システムとは、診療後の会計をスマートフォンで済ませ、患者が窓口に並ばずに帰れるようにするサービスです。事前に登録したカードから自動精算する型と、受診後にまとめて後払いする型に分かれます。掲載5社は未収金リスクを医療機関と事業者のどちらが負うかが異なり、料金公開率は40%と低い水準にとどまります。
医療向けオンライン決済システムとは
医療機関の会計待ちは、患者にとっても職員にとっても負担の大きい工程です。診療が終わっても呼ばれるまで待合室で待ち、窓口では現金のやり取りと領収書の発行が発生します。掲載5社はいずれもこの待ち時間をなくすことを目的としていますが、実現の仕方が2つに分かれます。
1つは自動決済型です。デジスマ診療、クロンスマートパス、CLINICSペイメント(melmo)は、患者がアプリに事前登録したクレジットカードから診療後に自動精算します。カードが登録済みのため取りはぐれが起きにくく、医療機関に未収金が残りません。もう1つが後払い型で、コノヒは診察直後にLINEで自動決済し、医療費あと払い(mdcom)は事業者が医療費を立替えて後日まとめて精算します。
とくに医療費あと払いは、事業者が立替える構造のため未収金リスクを医療機関が負いません。ただし患者側には利用1回ごとのサービス利用料が発生し、口座振替とNTTファイナンス電話料金合算が110円(+口座振替手数料88円/月)、ソフトバンクまとめて支払いとauかんたん決済が231円(いずれも税込)です。入会金・年会費は無料で、あと払いを使うかは受診ごとに選べます。
料金面では大きな差があります。デジスマ診療は初期費用0円・月額15,800円(税抜)に決済手数料2.95%が加わり、月間のキャッシュレス決済額が300万円なら15,800円+3,000,000円×2.95%=104,300円、年間約125万円になります。対してクロンスマートパスは初期導入費・月額利用料・決済手数料をいずれもMICINが負担する基本無料です(所定の利用条件があり、条件によっては決済手数料が発生する場合があります)。掲載5社の料金公開率は40%(2/5)で、残る3社は要問い合わせです。
医療向けオンライン決済システムの検索需要トレンド
「医療費 後払い」単体では261週のうち253週(97%)が閾値を下回って0になるため、医療DXの関心を映す上位語「オンライン診療」で需要を見ています。25か月の指数は34〜65の範囲を推移し、平均は44.6、先頭38に対し末尾47と9ポイント上げています。最高は2026年2月の65で、2025年11月以降は40台後半から60台と、それ以前の30台後半から一段上がった水準が続いています。(出典:Googleトレンド/キーワード「オンライン診療」)
医療向けオンライン決済システムの選び方の要点
会計待ちをなくす方法は同じでも、代金を取りはぐれたときの扱いが違います。デジスマ診療・クロンスマートパス・CLINICSペイメントは患者がアプリに事前登録したカードから診療後に自動精算するため、カードが有効であれば未収金が発生しにくい構造です。医療費あと払い(mdcom)は事業者が医療費を立替えたうえで後日患者から精算するため、医療機関に未収金リスクが残りません。コノヒは診察直後にLINE登録カードで自動決済し、院内払いとの併用もできます。自由診療の比率が高い、あるいは高額な診療を扱う施設ほど、この違いが効いてきます。
料金を公開しているのは掲載5社のうち2社です。デジスマ診療は初期費用0円・月額15,800円(税抜、スタンダードプラン)に決済手数料2.95%が加わり、入金手数料・口座管理費は別途です。月間のキャッシュレス決済額が100万円なら15,800円+29,500円=45,300円、300万円なら104,300円、500万円なら163,300円と、決済額に応じて増えます。クロンスマートパスは初期導入費・月額利用料・決済手数料をいずれもMICINが負担する基本無料ですが、所定の利用条件があり条件によっては決済手数料が発生する場合と、有料オプション利用時に別途費用が発生する場合があります。契約前に条件の範囲を確認してください。
患者側の入口が製品ごとに違います。デジスマ診療・クロンスマートパス・CLINICSペイメント(melmo)は専用アプリで、予約・問診・診察券・決済をまとめて扱います。コノヒはLINEを入口とし、デジタル診察券による自動チェックインから後払い決済、領収書・診療明細書のPDF送付までをLINE上で完結します。新しいアプリを入れてもらう必要がないぶん、高齢の患者が多い施設では導入の障壁が下がる可能性があります。医療費あと払いはスマートフォンやPCでの事前登録が前提です。
会計データを手で入力し直す運用になると、待ち時間は減っても職員の負担が残ります。デジスマ診療はエムスリーデジカルのクラウド電子カルテ「M3 DigiKar」と受付連携し、患者がQRコードでチェックインすると電子カルテ側にも受付が反映されます。コノヒはレセコン・電子カルテと連携します。CLINICSペイメントはオンライン診療システム「CLINICS」や電子カルテ・自動精算機につながります。クロンスマートパスは処方箋の薬局への電送(FAX送信)と電子処方箋に対応します。自院が使っている電子カルテの名前を挙げて、連携実績を確認してください。
対象とする施設の範囲が製品で異なります。デジスマ診療とクロンスマートパスはクリニックを主な対象としています。コノヒとCLINICSペイメントは病院・クリニックの双方を対象とし、医療費あと払いは病院・クリニックに加えて薬局にも対応し、外来だけでなく在宅診療も対象に含みます。在宅診療では患者宅で現金をやり取りする運用になりがちで、後払いの仕組みが効きやすい領域です。自院の診療形態に合う製品かどうかを最初に確かめてください。
医療向けオンライン決済システムの比較一覧(全5サービス)
デジスマ診療(キャッシュレス決済)
月額15,800円〜エムスリーデジカルが提供する、予約・自動受付・電子診察券・問診・キャッシュレス決済(デジスマ払い)・電子領収書をワンストップ化した診療支援システム。患者がアプリにカード登録すると診療後に代金を自動精算でき、初期0円・月額15,800円(税抜)+決済手数料2.95%で導入できる。
コノヒ(後払い決済)
要問い合わせGMOヘルステックが提供する医療機関特化のLINE予約システム『コノヒ』の後払い決済機能。患者はLINEにカードを登録し、診察終了時に後払いを選択すると診察直後にLINEで自動決済され、領収書・診療明細書がPDFで届く。レセコン・電子カルテ連携に対応。医療機関向け料金は要問い合わせ。
CLINICSペイメント(melmo)
要問い合わせ東証プライム上場のメドレーが提供する受診支援アプリmelmo(旧CLINICS)の決済機能。患者がアプリにクレジットカードを登録すると診療後に代金が自動決済され、会計を待たず帰宅できる。オンライン診療システムCLINICSと連携し予約・問診・決済をスマホで完結。医療機関向け決済料金は要問い合わせ。
医療費あと払い(mdcom)
要問い合わせ医療費あと払い専業のメディカルファイナンステクノロジーズが提供する立替払い型の後払いサービス。患者は事前登録で診察後に会計を待たず帰宅でき、医療費は口座振替・キャリア決済等で後日精算。医療機関は未収金リスクを軽減できる。外来・在宅診療に対応。料金は要問い合わせ。
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