給与計算ソフトのおすすめ(目的別の早見表)
給与計算ソフトの料金は2系統に分かれます。人数に比例する従量型と、人数帯ごとの定額型です。この違いが、従業員数によって順位を入れ替えます。
当メディアが公式料金から試算したところ、従業員10名ならマネーフォワード クラウド給与が年36,000円で最安ですが、50名では給与奉行クラウドが年108,000円で逆転し、マネーフォワード クラウド給与は180,000円になります。100名ではその差がさらに開きます。
自社の人数がどちら側にあるかで、選ぶ製品が変わります。
| 導入目的 | おすすめのタイプ | 主なサービス |
|---|---|---|
| 10名前後で費用を抑えたい | 人数比例型 | マネーフォワード クラウド給与 |
| 50名以上で総額を抑えたい | 人数帯定額型 | 給与奉行クラウド |
| 人数が増えても金額を変えたくない | 定額・人数無制限型 | 弥生給与 Next |
| 勤怠打刻から給与まで1つにまとめたい | 勤怠内包型 | freee人事労務(給与計算) |
| 5名までを無料で始めたい | 無料プランあり | ジョブカン給与計算 |
給与計算ソフトとは?
給与計算ソフトとは、毎月の給与・賞与の計算、社会保険料や所得税の自動計算、Web給与明細の発行、年末調整までをクラウド上で行うSaaSです。
給与計算は、間違えると従業員の生活と会社の信用に直結します。しかも社会保険料の料率や所得税の計算方法は毎年のように変わり、Excelで組んだ計算式は改正のたびに手直しが必要です。掲載5サービスはいずれも法改正に自動で対応するため、この追随作業から解放されます。
勤怠管理システムとの関係も重要です。給与計算は勤怠データがないと始まりません。同じシリーズやサービス内で完結するのか、外部の勤怠システムから取り込むのかで、毎月の締め作業の手間が変わります。
給与計算ソフトの種類(人数比例型・人数帯定額型・定額人数無制限型)
人数比例型は、基本料金に一定人数が含まれ、超えた分を1名あたりで加算します。マネーフォワード クラウド給与(6名以上300円)、freee人事労務(同400円〜)、ジョブカン給与計算(1ユーザー400円)が該当します。少人数のうちは安く収まります。
人数帯定額型は、従業員数の帯ごとに定額が決まります。給与奉行クラウドは20名まで月額5,500円、50名まで9,000円というように5段階で、帯の中では人数が増えても金額が変わりません。
定額・人数無制限型は、人数によらず定額です。弥生給与 Nextは従業員データを人数無制限で登録でき、給与・賞与明細も無制限で作成できます。
給与計算ソフトの選び方(5つのポイント)
- 人数比例型か定額型かを、自社の人数で判断する。分岐点は数十名のあたりです
- 基本料金に含まれる人数を確認する。「1名300円」でも5名以下から基本料金は発生します
- 年末調整を自社でやるか外部委託するか。弥生給与 Nextは、この違いで最安プランが変わります
- 勤怠データの取り込み経路を確認する。ここが手作業だと締めの負担は減りません
- 初期費用と無料枠を確認する。給与奉行クラウドはiA以上で50,000〜70,000円かかります
給与計算ソフトのタイプ別分類
基本料金に5名分が含まれ、6名目から1名あたりで加算。少人数ほど有利
従業員数の帯ごとに定額。帯の中では人数が増えても金額が変わらない
従業員データを人数無制限で登録でき、明細も無制限で作成できる
5名までなら無料プランで給与計算を始められる
給与計算ソフトの料金相場(1名あたり月額)
人数比例型のうち、6名目以降の従量単価が出せる2サービスで集計しました。
| 指標 | 金額 |
|---|---|
| 最低 | 300円 |
| 中央値 | 350円 |
| 最高 | 400円 |
料金公開率は100%(5社中5社)で、このカテゴリはすべてのサービスが金額を公開しています。ただし定額型(弥生給与 Next・給与奉行クラウド)は従業員数に単価が比例しないため、1名あたりの相場からは除外しています。
定額型の金額
- 弥生給与 Next:年末調整を自社対応する場合はベーシックライト 月額3,000円(税抜)、外部委託する場合はエントリーライト 月額750円。従業員登録は人数無制限
- 給与奉行クラウド:iEシステム(20名まで)月額5,500円、iAシステム(50名まで)9,000円ほか5段階
見落としがちな追加コスト
- 基本料金:マネーフォワード クラウド給与はビジネス年払月額6,480円(5名込)、freee人事労務はミニマム年払月額2,000円(5名込)
- 最低利用料金:ジョブカン給与計算は月額2,000円が下限
- 初期費用:給与奉行クラウドはiAシステム以上で50,000〜70,000円(税抜)
- プラン別の従量単価:freee人事労務は6名以上がミニマム400円・スターター600円・スタンダード800円・アドバンス1,100円
給与計算ソフトの企業規模別コスト(10名・50名・100名)
各社の公式料金をもとに、当メディアが年間コストを試算しました(税抜・年払い換算、初期費用は含みません)。
| 従業員数 | マネーフォワード クラウド給与 | freee人事労務 | 給与奉行クラウド |
|---|---|---|---|
| 10名 | 36,000円 | 48,000円 | 66,000円 |
| 50名 | 180,000円 | 240,000円 | 108,000円 |
| 100名 | 360,000円 | 480,000円 | 204,000円 |
10名では最も安かったマネーフォワード クラウド給与が、50名では給与奉行クラウドに逆転されます。 人数比例型は従業員が増えるとそのまま費用が増え、定額型は帯の中で金額が変わらないためです。
弥生給与 Nextは従業員数に単価が比例せず、年末調整を自社対応する場合でも月額3,000円(年間36,000円)で人数無制限のため、人数が多い企業ほど相対的に安くなります。
給与計算ソフトの無料プランと無料トライアル
無料プランがあるのは、掲載5サービスのうちジョブカン給与計算だけです。従業員5名までなら初期費用・月額とも無料で使えます(一部機能制限あり・データ保証は直近30日)。
無料トライアルは5サービスすべてにあり、日数が公表されているものの平均は30日です。弥生給与 Nextの無料体験プラン(20名未満向け・ベーシックプラス相当)は最大2〜3か月と長く、複数回の給与処理を通して確かめられます。マネーフォワード クラウド給与は1か月、給与奉行クラウドとジョブカン給与計算は30日間です。
給与計算は月次の業務なので、最低でも1回の給与処理を通して試せるかが判断のしやすさを左右します。
給与計算ソフトの比較表(主要5サービス)
| サービス | 料金 | 課金の考え方 | 初期費用 | 無料プラン | トライアル | 勤怠連携 | 年末調整 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| マネーフォワード クラウド給与 | 基本6,480円/月+6名以上300円/名 | 人数比例 | 0円 | なし | 1か月 | 同シリーズの勤怠 | あり |
| freee人事労務(給与計算) | 基本2,000円/月+6名以上400円〜 | 人数比例 | 0円 | なし | あり(日数要確認) | 勤怠を内包 | あり |
| 弥生給与 Next | 月額750円〜3,000円〜(定額) | 人数無制限の定額 | 0円 | なし | 最大2〜3か月(20名未満) | 勤怠管理も対応 | あり(自社/委託でプラン別) |
| 給与奉行クラウド | 20名まで5,500円/50名まで9,000円ほか | 人数帯で定額 | iEは0円、iA以上5〜7万円 | なし | 30日 | 奉行クラウド各製品 | あり(法定調書まで) |
| ジョブカン給与計算 | 1ユーザー400円(最低2,000円/月) | 人数比例 | 0円 | 5名まで無料 | 30日 | ジョブカン勤怠管理 | あり |
おすすめの給与計算ソフト5選
- 概要:会計・勤怠・労務・経費と従業員データを共有できるクラウド給与計算。勤怠データを取り込んで給与計算に反映し、確定した給与を会計へ連携できます。
- 特徴:
- 同シリーズとデータ連携の設定が不要
- 6名以上は1名あたり月額300円と人数比例型では最安の単価
- 10名の年間コストは36,000円と掲載中で最安
- 料金:ビジネスプラン 年払月額6,480円(5名まで込)+6名以上300円/名。スモールビジネス 年払月額4,480円(3名込)、ひとり法人 年払月額2,480円。初期費用0円。
- 注意点:人数に比例して上がるため、50名では年180,000円と定額型の給与奉行クラウド(108,000円)に逆転されます。51名以上は要問い合わせです。
- こんな企業に向いている:10名前後で費用を抑えたい会社、会計をマネーフォワードで運用している会社。
- 概要:勤怠打刻・勤怠管理から給与計算、年末調整、社会保険の電子申請までを1つでカバーするクラウド人事労務です。
- 特徴:
- 勤怠を内包しており、打刻から給与計算まで完結する
- 会計freeeへ給与仕訳を自動連携できる
- 社会保険の電子申請にも対応(スターター以上)
- 料金:全プラン最低5名分の基本料金+6名以上の従量(ミニマム400円・スターター600円・スタンダード800円・アドバンス1,100円)。基本料金は年払いでミニマム月額2,000円など。初期費用0円。
- 注意点:上位プランを選ぶと従量単価も上がります。社会保険の電子申請が必要ならスターター以上が前提です。
- こんな企業に向いている:勤怠打刻から給与まで1つにまとめたい会社、会計freeeを使っている会社。
- 概要:従業員数に単価が比例しない定額制のクラウド給与ソフト。従業員データは人数無制限で登録でき、明細も無制限で作成できます。
- 特徴:
- 人数が増えても金額が変わらない
- 給与計算だけでなく勤怠・入社・保険手続きまでカバー
- 20名未満向けの無料体験は最大2〜3か月と長い
- 料金:年末調整を自社対応する場合の最安はベーシックライト 月額3,000円(税抜・年間36,000円)、外部委託する場合はエントリーライト 月額750円。初期費用0円。
- 注意点:2025年4月8日に「やよいの給与明細 Next」と統合され、新5プランへ移行しました。以前の製品名の情報とはプラン体系が異なります。
- こんな企業に向いている:人数が増えても金額を変えたくない会社、小規模で費用を抑えたい会社。
- 概要:従業員数の帯ごとに定額が上がる5段階のクラウド給与ソフト。20名から1,000名超までをプランでカバーします。
- 特徴:
- 50名で年108,000円と、人数比例型を下回る
- 法定調書・源泉徴収票の作成まで対応
- 利用者1ライセンスと専門家1ライセンスが付属
- 料金:iEシステム(20名まで)月額5,500円、iAシステム(50名まで)9,000円ほか5段階。iEは初期費用0円、iA以上は50,000〜70,000円(税抜)。
- 注意点:iAシステム以上は初期費用がかかるため、1年目の総額で比較してください。10名規模では人数比例型より割高です。
- こんな企業に向いている:50名以上で総額を抑えたい会社、顧問の社労士・税理士と分担して運用したい会社。
- 概要:1ユーザー月額400円で従業員数無制限・全機能を使えるクラウド給与計算。5名までの無料プランがあります。
- 特徴:
- プランによる機能差がなく、単価400円で全機能を利用できる
- 5名までは初期費用・月額とも無料
- ジョブカン勤怠管理から勤怠データをそのまま取り込める
- 料金:1ユーザー月額400円(税抜)、月額最低利用料金2,000円。初期費用0円。無料プランは5名まで(機能制限あり・データ保証30日)。
- 注意点:無料プランはデータ保証が直近30日です。過去のデータを残す必要があるなら有料プランが前提になります。
- こんな企業に向いている:5名までを無料で始めたい会社、ジョブカン勤怠管理を使っている会社。
規模別のおすすめ
〜20名:マネーフォワード クラウド給与(10名で年36,000円)が費用面で有利です。5名までならジョブカン給与計算の無料プラン、人数無制限の定額がよければ弥生給与 Next(年36,000円)も候補になります。
21〜50名:分岐点にあたる規模です。50名時点で給与奉行クラウド(年108,000円)がマネーフォワード クラウド給与(180,000円)を下回ります。今後の採用計画も含めて、どちらの型が合うかを判断してください。
51名以上:定額型が有利です。給与奉行クラウドは100名で年204,000円、弥生給与 Nextは人数無制限のため人数が増えるほど相対的に安くなります。マネーフォワード クラウド給与は51名以上が要問い合わせです。
給与計算ソフトのデメリット・注意点
- 人数が増えると従量型は総額が膨らむ:50名を境に定額型と逆転します
- 基本料金が別にかかる:「1名300円」だけを見て見積もると実際の負担を読み違えます
- 勤怠連携が手作業だと効果が薄い:既存の勤怠システムからの取り込み経路を事前に確認してください
- 初期費用がかかる場合がある:給与奉行クラウドはiAシステム以上で50,000〜70,000円です
給与計算ソフト導入の流れ
- 人数を確定する:現在と1年後の従業員数。ここで比例型か定額型かが決まります
- 勤怠の経路を決める:既存の勤怠システムを続けるか、給与ソフト側に寄せるか
- 年末調整の運用を決める:自社で行うか外部委託か。弥生給与 Nextはこれで最安プランが変わります
- 試算する:基本料金・従量単価・初期費用・最低利用料金を含めて年額を出す
- トライアル:最低1回の給与処理を通して確かめる。月次業務なので1サイクル試す価値があります
給与計算ソフトのよくある質問
料金相場はいくら?
人数比例型の6名目以降の単価は最安300円・中央値350円・最高400円です。定額型は弥生給与 Nextが月額750円〜3,000円〜(人数無制限)、給与奉行クラウドが20名まで月額5,500円からです。掲載5サービスはすべて料金を公開しています。
人数が増えたらどちらが安い?
10名ではマネーフォワード クラウド給与が年36,000円で最安ですが、50名では給与奉行クラウドが年108,000円で逆転します。100名では給与奉行クラウド204,000円に対しマネーフォワード クラウド給与360,000円、freee人事労務480,000円です。
無料で使えるものはある?
ジョブカン給与計算に5名までの無料プランがあります(機能制限あり・データ保証30日)。弥生給与 Nextには20名未満向けの無料体験プランがあり、最大2〜3か月と長めです。
法改正には対応する?
掲載5サービスはいずれも社会保険料率や所得税に関する法改正へ自動で対応します。Excelでの計算と比べたときの大きな違いがここです。
年末調整もできる?
5サービスとも対応します。ただし弥生給与 Nextは自社対応か外部委託かでプランが分かれ、freee人事労務は従業員の分散入力と電子申告がスターター以上です。
勤怠データはどう取り込む?
マネーフォワード クラウド給与は同シリーズの勤怠、ジョブカン給与計算はジョブカン勤怠管理とつながります。freee人事労務は勤怠を内包しています。既存の勤怠システムを続ける場合は、取り込み経路を確認してください。
まとめ
給与計算ソフトは、自社の人数がどちら側にあるかで選ぶ製品が変わります。
10名前後ならマネーフォワード クラウド給与(年36,000円)、50名以上なら給与奉行クラウド(同108,000円)、人数が増えても金額を変えたくないなら弥生給与 Next(人数無制限の定額)、勤怠から給与まで1つにまとめたいならfreee人事労務、5名までを無料で始めたいならジョブカン給与計算が候補になります。
まずは現在と1年後の従業員数を出し、基本料金と初期費用を含めた年額で比べてください。給与計算は毎月の業務なので、トライアルでは最低1回の給与処理を通して確かめることをおすすめします。
料金・仕様は変更される場合があります。契約前に各公式サイトで最新情報をご確認ください。