IVR(自動音声応答システム)は掲載5サービスすべてが料金を公開しており、料金公開率は100%です。ところが月額は1,500円から260,000円まで173倍の開きがあります。
さらに重要なのは、全5サービスとも通話の従量課金が別途かかることです。月額はあくまでシステムの利用料であり、実際の請求額は着信・発信・SMSの従量と電話番号の維持費を足した金額になります。月額の安さだけで比べると実態とずれます。
無料で始められるのはIVRyのフリープランのみで、着信30件まで月額0円、しかもAI機能を含む機能を利用できます。この記事では掲載5サービスについて、月額と従量の関係、規模別の選び分け、設定と開発の違いを一次データから整理しました。
結論:月額+従量で見て、規模と開発体制で絞る
先に結論を述べます。
1つめは、月額とは別に通話従量がかかることです。NEON IVRは月額1,500円ですが電話番号が1番号300〜900円/月、IVRyは電話番号維持費と着信・発信・SMSの従量が別途です。コールナビゲーターだけは電話番号維持費と録音料が無料と明記しています。
2つめは、規模です。NEON IVR(月1,500円)、コールナビゲーター(月2,480円〜)、IVRy(月3,980円〜)は店舗・中小企業向け、VoiceMall(月140,000円〜・初期300,000円〜)は大企業・大規模窓口向けで、想定する規模が異なります。
3つめは、開発体制です。Twilio Programmable VoiceはAPIとTwiMLでIVRを構築する仕組みで、開発リソースが前提です。その代わり月額基本料がなく、使わない月は電話番号の維持費のみで済みます。
IVR(自動音声応答システム)とは
IVR(Interactive Voice Response)は、かかってきた電話に自動音声で応答し、プッシュ操作によって担当部門や担当者へ振り分けるシステムです。「ご用件の方は1を、〜の方は2を押してください」という案内がこれにあたります。
導入の目的は一次受付の自動化です。全件を人が取るのではなく、用件ごとに振り分けたり、営業時間外は自動でガイダンスに切り替えたりすることで、対応の負荷を下げます。
当メディアの調査では「IVR」という検索キーワードの指数は直近25か月で45〜68の範囲を推移し、平均は52.0でした。前半12か月の平均52.0に対し後半12か月は52.1で、ほぼ完全に横ばいです。当メディアが調査したキーワードの中でも変動が小さく、需要が安定している分野といえます。
選び方:5つの確認ポイント
1. 月額とは別に通話従量がかかることを前提にする
掲載5サービスの月額と従量の関係は次のとおりです。
| サービス | 月額 | 通話従量 | 電話番号 |
|---|---|---|---|
| NEON IVR | 1,500円/IVR回線(税抜) | 通話・SMS従量が別途 | 1番号300〜900円/月 |
| コールナビゲーター | 2,480〜6,980円(税抜) | 着信料・転送料が1分ごと | 維持費・録音料は無料 |
| IVRy | 0円〜10,480円〜(税抜) | 着信・発信・SMS従量が別途 | 維持費が別途 |
| Twilio | なし | 着信$0.0100/分・発信国内$0.0746/分 | 国内$4.75/月〜 |
| VoiceMall | 140,000〜260,000円〜(税別) | 発信・転送時に別途/SMS 50円/通〜 | フリーダイヤルは別請求 |
コールナビゲーターだけが電話番号維持費と録音料の無料を明示しています。逆にVoiceMallはフリーダイヤル費用がNTTコミュニケーションズからの別請求となるため、請求元が分かれる点を把握しておく必要があります。
2. 月額の幅が173倍あることを踏まえて規模で絞る
掲載5サービスの月額を並べると、対象とする規模の違いがはっきりします。
店舗・中小企業向け
- NEON IVR:1IVR回線あたり月額1,500円(税抜)
- コールナビゲーター:シンプル2,480円〜スタンダード6,980円(税抜)
- IVRy:フリー0円/スターター3,980円〜/アドバンス10,480円〜(税抜)
大企業・大規模窓口向け
- VoiceMall:着信型ギャランティ月140,000円〜・初期300,000円〜/着信型ベストエフォート月260,000円〜・初期300,000円〜/発信型ギャランティ月140,000円〜・初期500,000円〜(いずれも税別)
年額に換算すると、NEON IVRが18,000円、コールナビゲーター(シンプル)が29,760円、IVRy(スターター年払い)が39,804円、VoiceMall(着信型ギャランティ)が1,680,000円です。NEON IVRとVoiceMallでは93倍の差になります。
なお着信型ではギャランティタイプ(月140,000円〜)よりベストエフォートタイプ(月260,000円〜)のほうが月額が高く設定されています。
3. 設定画面で作るか、開発して作るか
Twilio Programmable VoiceはAPIとTwiMLでIVRのフローを自由に構築する仕組みです。音声ガイダンス、プッシュ分岐、転送、録音に加えて、音声認識やテキスト読み上げ(TTS)、SIP連携、自社アプリや基盤への組み込みまで扱えます。
その代わり設定画面でメニューを組み立てる形式ではないため、開発リソースを持つ企業が対象になります。
これに対しIVRy、コールナビゲーター、NEON IVR、VoiceMallは提供される機能の範囲で設定する形式で、開発は不要です。自由度を取るか、開発なしで始められることを取るかで対象が変わります。
なおTwilioは月額基本料がないため、使わない月は電話番号の維持費(国内$4.75/月〜)のみで済みます。
4. IVR以外にどこまで扱えるかを確認する
掲載5サービスは提供範囲が異なります。
VoiceMallは着信型のガイダンス応答・自動振り分けに加えて、発信型の自動音声発信、コールバック(折り返し)予約、顧客満足度(CS)調査、リアルタイム音声情報提供、SMS配信、システム担当者呼び出しを備えます。電話を振り分けるだけでなく、調査や情報提供まで含む構成です。
IVRyはAIによる電話対応と多言語対応を持ち、SMS自動送信や予約・折り返しの一次受付にも対応します。コールナビゲーターは予約機能プラン(税抜5,480円〜)で電話予約・注文受付を扱え、スタンダードプランでは階層設定・通話録音・ブラックリストが使えます。NEON IVRは内線・部門・外線への転送と留守番電話(30〜180秒で設定可)、短縮URL付きSMS自動送信を備えます。
5. 初期費用と試用の条件を確認する
初期費用はサービスによって分かれます。
- コールナビゲーター:初期導入費用無料(公式サイト表記)
- Twilio Programmable Voice:なし(従量課金)
- NEON IVR:約9,700円(電話番号取得・設定費込みの最小構成例)
- IVRy:公式料金ページに明記なし(フリープランなら固定費0円)
- VoiceMall:着信型300,000円〜/発信型500,000円〜(税別)
無料トライアルはコールナビゲーターが7日間、NEON IVRが期間の明記なしで提供、Twilioは無料トライアルクレジットで試用できます。IVRyはトライアル期間の明記がない代わりにフリープランがあり、デモ電話も用意されています。VoiceMallには無料トライアルの記載がありません。
独自データ:料金公開率と費用の構造
当メディアが掲載5サービスの公式サイトを2026年7月時点で調査した結果は次のとおりです。
料金公開率は100%(5/5)でした。掲載5サービスすべてがプラン別の金額を公開しています。
通話従量が別途かかるのは5サービスすべてです。月額はシステムの利用料であり、着信・発信・SMSの従量が別に発生します。ただし具体額の公開状況には差があり、Twilio Programmable Voiceは単価をすべて公開(着信ローカル$0.0100/分、発信国内$0.0746/分など)、VoiceMallはSMS配信の50円/通〜を公開しています。IVRyとNEON IVR、コールナビゲーターは通話従量の具体額が公式に記載されておらず要問い合わせです。
電話番号維持費が無料なのは1サービスです。コールナビゲーターのみで、録音料も無料と明記されています。
無料プランがあるのは20%(1/5)です。IVRyのフリープランで、着信30件まで月額0円かつAI機能を含む機能を利用できます。
無料トライアルは60%(3/5)です。コールナビゲーター(7日間)、NEON IVR(期間の明記なし)、Twilio(無料トライアルクレジット)です。日数を公開している1サービスの平均は7日となります。
月額の幅は173倍です。NEON IVRの1,500円からVoiceMallのベストエフォートタイプ260,000円までで、対象とする規模がまったく異なります。
掲載5サービスの比較
| サービス | 提供元 | 月額 | 初期費用 | 対象規模 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|---|
| NEON IVR | 株式会社ワイドテック | 1,500円/IVR回線 | 約9,700円 | 中小・少回線 | 留守番電話30〜180秒 |
| コールナビゲーター | コスモバリュー株式会社 | 2,480〜6,980円 | 0円 | 中小・店舗 | 番号維持費・録音料が無料 |
| IVRy | 株式会社IVRy | 0円〜10,480円〜 | 明記なし | 個人店舗〜コールセンター | フリープランでAI機能可 |
| Twilio Programmable Voice | Twilio Inc. | なし(純従量) | なし | 開発リソースを持つ企業 | APIでIVRを構築 |
| VoiceMall | NTTテクノクロス株式会社 | 140,000〜260,000円〜 | 300,000円〜 | 大企業・大規模窓口 | CS調査・コールバック予約 |
各サービスの詳細
掲載5サービスの中で、公開されている月額がもっとも低い水準の音声IVRです。
料金は1IVR回線あたり月額1,500円(税抜)のオプションという位置づけです。初期費用は電話番号取得・設定費込みの最小構成例で約9,700円とされています。年額に換算すると18,000円で、少ない回線数から導入する中小企業向けの構成です。
月額とは別に通話従量とSMS従量が発生します。また電話番号は種別により1番号あたり月額300〜900円が必要で、具体額は要問い合わせです。
機能は音声ガイダンスによる用件の振り分け、プッシュ操作での内線・部門・外線への転送、短縮URL付きのSMS自動送信、留守番電話(30〜180秒で設定可)、営業時間・休日・特定日のスケジュール応答です。SMSに短縮URLを載せられるため、電話でのやり取りをWebに誘導できます。
無料トライアルも提供されていますが、期間は公式ページに明記されていません。
掲載5サービスの中で唯一、無料プランを持つ音声IVRです。
フリープランは着信30件まで月額0円で、AI機能を含む機能を利用できます。機能を大きく削った構成ではないため、着信件数が少ない事業所なら固定費をかけずに運用できます。
有料プランはスターターが月払い3,980円〜・年払い月3,317円〜(年額39,800円〜)で一次受付の自動化が中心、スタンダードが月払い6,480円〜・年払い月5,400円〜でAIと人で電話を分担、アドバンスが月払い10,480円〜・年払い月8,734円〜で複数店舗・組織対応と権限管理に対応します(いずれも税抜)。
月額とは別に電話番号維持費と着信・発信・SMSなどの通話従量が発生します。具体額は公式料金ページに記載がなく要問い合わせです。初期費用も公式料金ページに明記がありませんが、フリープランなら固定費0円で開始できます。
機能は音声ガイダンスによる一次受付・自動振り分け、プッシュ操作での分岐・電話転送、営業時間内外での応答切替、SMS自動送信、予約・折り返しの一次受付、AIによる電話対応と多言語対応、通話録音・権限管理(上位プラン)です。スタンダードプラン以上ではAIと人の分担を設定でき、すべてを自動化せずに運用できます。デモ電話も用意されています。
掲載5サービスの中で唯一、月額基本料がない純粋な従量課金のIVR基盤です。
料金は着信ローカルが1分あたり0.0100ドル、発信が国内0.0746ドル/分・モバイル0.1850ドル/分・トールフリー0.0641ドル/分です。電話番号は国内が4.75ドル/月、0ABJが20.00ドル/月、トールフリーが25.00ドル/月となります(すべてUSD)。初期費用はなく、使わない月は電話番号の維持費のみで済みます。
特徴はAPIとTwiMLでIVRのフローを自由に構築できる点です。音声ガイダンス、プッシュ分岐、転送、録音に加えて、音声認識やテキスト読み上げ(TTS)、SIP連携、自社アプリや基盤への組み込みまで扱えます。提供される機能の範囲に縛られず、IVRを部品として使う構成が可能です。
その代わり設定画面でメニューを組み立てる形式ではないため、開発リソースを持つ企業が対象になります。開発できる体制がない場合は他の選択肢が向きます。
無料トライアルクレジットで試用でき、期間はプランにより異なります。料金はUSD建てのため、日本円での支払額は為替相場の影響を受けます。
大企業・コールセンター・大規模窓口を対象とした音声IVRで、掲載5サービスの中で金額の桁が異なります。
料金は着信型のギャランティタイプが月額140,000円〜・初期300,000円〜、着信型のベストエフォートタイプが月額260,000円〜・初期300,000円〜、発信型のギャランティタイプが月額140,000円〜・初期500,000円〜です(いずれも税別)。着信型ではギャランティタイプよりベストエフォートタイプのほうが月額が高く設定されています。
月額とは別に、発信・転送機能の利用時に従量が発生します。SMS配信は月額に加えて50円/通〜、フリーダイヤル費用はNTTコミュニケーションズからの別請求となります。請求元が分かれる点は事前に把握しておく必要があります。
機能の範囲が他の掲載サービスと異なります。着信型のガイダンス応答・自動振り分けに加えて、発信型の自動音声発信、コールバック(折り返し)予約、顧客満足度(CS)調査、リアルタイム音声情報提供、SMS配信、システム担当者呼び出しを備えます。
コールバック予約は混雑時に折り返しを予約する仕組みで、待ち時間による離脱を減らせます。CS調査は自動音声で実施でき、掲載5サービスの中でこの機能を明示しているのはVoiceMallです。無料トライアルの記載はありません。
よくある質問
IVRの費用相場はいくらですか。
掲載5サービスはすべて料金を公開しています。NEON IVRが1IVR回線あたり月額1,500円(税抜)、コールナビゲーターがシンプルプラン税抜2,480円(税込2,728円)からスタンダードプラン税抜6,980円(税込7,678円)まで、IVRyがフリープラン0円(着信30件まで)とスタータープラン月払い3,980円〜(年払い月3,317円〜・税抜)です。Twilio Programmable Voiceは月額基本料なしの従量課金、VoiceMallは着信型のギャランティタイプが月額140,000円〜・初期300,000円〜(税別)となります。いずれも通話の従量課金が別途発生します。
月額のほかにかかる費用はありますか。
掲載5サービスはいずれも通話の従量課金が別途発生します。NEON IVRは通話従量・SMS従量に加えて電話番号が1番号300〜900円/月、IVRyは電話番号維持費と着信・発信・SMSの従量が別途です。VoiceMallは発信・転送機能の利用時に従量が発生し、SMS配信は50円/通〜、フリーダイヤル費用はNTTコミュニケーションズからの別請求となります。Twilio Programmable Voiceは着信ローカルが0.0100ドル/分、発信が国内0.0746ドル/分・モバイル0.1850ドル/分、電話番号が国内4.75ドル/月からです。コールナビゲーターは着信料・転送料が1分ごとの従量ですが、電話番号維持費と録音料は無料と明記されています。
無料で使えるサービスはありますか。
掲載5サービス中1サービスに無料プランがあります。IVRyのフリープランで、着信30件までは月額0円です。AI機能を含む機能を利用でき、固定費をかけずに始められます。無料トライアルはコールナビゲーターが7日間、NEON IVRが期間の明記なしで提供しており、Twilio Programmable Voiceは無料トライアルクレジットで試用できます。VoiceMallには無料トライアルの記載がありません。
初期費用はかかりますか。
コールナビゲーターは公式サイトで初期導入費用無料と表記されています。Twilio Programmable Voiceは従量課金のため初期費用がありません。NEON IVRは電話番号取得・設定費込みの最小構成例で約9,700円です。IVRyは公式料金ページに初期費用の明記がなく、フリープランなら固定費0円で開始できます。VoiceMallは着信型が300,000円〜、発信型が500,000円〜(いずれも税別)です。
開発なしで設定できますか。
IVRy、コールナビゲーター、NEON IVR、VoiceMallは提供される機能の範囲で設定する形式で、開発は不要です。Twilio Programmable VoiceはAPIとTwiMLでIVRのフローを自分で構築する仕組みのため、開発リソースが前提になります。その代わり音声認識やテキスト読み上げ(TTS)、SIP連携、自社アプリや基盤への組み込みまで自由に扱えます。
電話を振り分ける以外の機能もありますか。
VoiceMallは発信型の自動音声発信、コールバック(折り返し)予約、顧客満足度(CS)調査、リアルタイム音声情報提供、SMS配信、システム担当者呼び出しを備えます。IVRyはAIによる電話対応と多言語対応を持ち、SMS自動送信や予約・折り返しの一次受付にも対応します。コールナビゲーターは予約機能プラン(税抜5,480円〜)で電話予約・注文受付を扱え、スタンダードプランでは階層設定・通話録音・ブラックリストが使えます。NEON IVRは留守番電話(30〜180秒で設定可)と短縮URL付きSMS自動送信を備えます。