通話録音・解析システム
通話録音・解析システムは、電話や商談の音声を録音してテキスト化し、AIで要約・評価・分析するシステムです。当メディアが掲載5社を調べたところ、1IDあたり月額6,000円(税抜)から始められるものと、席数ベースの個別見積りで金額が非公開のものに分かれ、料金公開率は60%(3/5)でした。
通話録音・解析システムとは
通話録音・解析システムを比べると、料金の幅の広さに戸惑います。1IDあたり月額6,000円(税抜)で使えるものがある一方で、金額をまったく公開せず個別見積りのみのものもあります。当メディアの調査では、掲載5社の料金公開率は60%(3/5)でした。
この差は値付けの方針の違いではなく、解析する目的が違うことから生まれています。同じ「通話を録音して解析する」でも、営業の電話や商談を解析してCRMへの入力を自動化するタイプと、コンタクトセンターの応対を解析して品質を評価するタイプがあり、前者は1IDあたりの月額、後者は席数ベースの個別見積りという値付けになります。
掲載5社では、pickupon と amptalk が営業支援に軸足を置き、Zendesk QA・Verint・NICE が応対品質の評価に軸足を置いています。前者は1IDあたり月額6,000円から、後者は1エージェント$35(Zendesk QA)または金額非公開の個別見積りです。用途が違うため、金額だけを並べても意味がありません。
この記事では、まず自社の目的が営業の記録づくりなのか応対品質の評価なのかを切り分け、そのうえで課金の単位・最低ライセンス数・録音の対象範囲を整理しました。公開されている数値だけを使って比較します。
通話録音・解析システムの検索需要トレンド
「通話録音」の検索指数は直近25か月で32〜63の範囲を推移し、平均は39.8でした。前半12か月の平均42.0に対し後半12か月は37.7で、やや下向きです。最大は2025年3月の63で、この月だけ平均の1.5倍を超える突出した動きがありました。最小は2024年8月の32です。直近の2026年4月から7月は33〜35で落ち着いています。(出典:Googleトレンド/キーワード「通話録音」)
通話録音・解析システムの選び方の要点
掲載5社は目的で2つに分かれます。 営業支援型は、電話や商談の音声を要約してSFA・CRMに自動入力し、入力の手間を減らすことを狙います。pickupon(AI自動要約・Host/Customer自動識別)と amptalk(自動書き起こし・トーク解析・SFA/CRM自動入力)がこちらです。 品質管理型は、コンタクトセンターの応対を評価してコーチングや改善につなげます。Zendesk QA(AutoQAで最大100%を自動スコアリング)、Verint(インタラクション最大100%の自動評価・VOC抽出・コンプライアンス検知)、NICE(生成AIによる全チャネル自動スコアリング・AIコーチングインサイト)がこちらです。 営業の記録を残したい会社が品質管理型を導入しても目的に届かず、逆も同じです。金額を比べる前に、この切り分けが先になります。
課金の単位も2つに分かれます。 1IDあたりの月額を公開しているのは pickupon(IP回線プラン 6,000円/モバイル回線プラン 9,000円/ハイブリッドプラン 12,000円・いずれも1IDあたり月額・税抜)と Zendesk QA(1エージェント$35/月・年払い・USD建て)です。使う人数が決まれば金額が出ます。 一方 Verint と NICE は企業単位・席数ベースのエンタープライズ個別見積りで、公式サイトに金額の掲載がありません。amptalk も1ユーザー月額の個別見積りで、公式には具体的な月額を公開していません。 人数が数名から数十名で、金額を先に把握したい場合は前者が対象になります。数百席規模のセンター全体を対象にする場合は後者の枠組みになります。
金額が公開されていても、そのまま使えるとは限りません。 amptalk は最低ライセンス数が10ユーザーです。5名のチームでは契約できないため、人数が少ない段階では対象から外れます。 Zendesk QA は1エージェント$35/月のアドオンで、別途 Zendesk Support/Suite などの基本プラン契約が必要です。$35だけで使えるわけではなく、実際の負担は基本プランとの合計になります。すでにZendeskを使っている会社なら追加分だけで済みますが、これから入れる場合は基本プランの費用も見積もることになります。 pickupon は初期費用0円で、料金ページ上に最低ID数の記載はありません。ただし別途通話料がかかります。
何を録音・解析できるかは各社で異なります。 ・pickupon:クラウドIP電話での通話録音(ブラウザレコーディングにも対応) ・amptalk:Web会議(Zoom/Teams/Google Meet)、IP電話(Dialpad/Zoom Phone)、キャリア電話の通話記録 ・Zendesk QA:Zendeskのチケット/通話データ(Zendesk Talk等の通話も評価対象) ・Verint:全通話録音・画面録画 ・NICE:通話録音・画面録画(Interaction Recording and Management) 対象の広さで目立つのは amptalk で、Web会議・IP電話・キャリア電話の3系統に対応します。外回りの営業が携帯電話でかけた通話まで含めたい場合、キャリア電話に対応しているかどうかが分かれ目になります。VerintとNICEは通話に加えて画面録画にも対応し、オペレーターの操作まで含めて振り返れます。
提供形態も分かれます。pickupon、amptalk、Zendesk QA はクラウド(SaaS)での提供です。Verint はクラウドとオンプレミスの両方があり(代理店の構成による)、NICE もクラウド基盤CXoneに加えて構成によりオンプレミスに対応します。 金融・保険などで録音データを自社の環境に置く必要がある場合、選択肢はVerintとNICEに絞られます。 あわせて確認したいのが導入の窓口です。VerintはNTT-AT・図研ネットウエイブ・SCSKなどのパートナー経由、NICEはアイティフォー・三井情報などのパートナー経由での導入となります。ベンダーから直接買う形ではないため、見積りも運用支援もパートナー経由になります。
通話録音・解析システムの比較一覧(全5サービス)
Zendesk QA(品質管理)
月額50円〜Zendeskのカスタマーサービス品質管理(QA/Workforce Engagement)アドオン。AIのAutoQAが音声通話を含む全インタラクションを自動でスコアリングし、応対品質の低下・コンプライアンスリスクを検知してコーチングにつなげる。公開されている料金は品質管理を含むワークフォースエンゲージメントバンドルの1エージェント月額$50(USD建て・年払い)で、QA単体の価格は公式に掲載が無い。
pickupon(ピクポン)
月額6,000円〜AIが通話内容を自動で要約・記録する会話サマリーAI電話。クラウドIP電話に通話録音・文字起こし・AI要約を組み込み、要点をSalesforce・HubSpot等のCRM/SFAやSlackへ自動入力する。料金は1IDにつき月額6,000円(年間契約)から、初期費用は無料。
電話・オンライン商談を自動で録音・文字起こし・要約・解析し、要点をSalesforce・HubSpot・kintone等のSFA/CRMへ自動入力する電話・商談解析ツール。セールスイネーブルメントを主目的とし、トークの可視化・振り返り・型化を支援する。料金は公式では要問い合わせ。
コンタクトセンター向けの全通話録音・会話音声分析(Speech Analytics)/品質管理(QM)プラットフォーム。録音した通話を独自の音声認識とオントロジー技術で自動分類し、インタラクションの最大100%を自動評価してVOC抽出・応対品質評価・コンプライアンス検知を行う。料金は代理店経由の個別見積り。
コンタクトセンター向けの通話録音・画面録画と、AIによる品質管理(自動スコアリング)/インタラクション分析を提供するグローバルCXプラットフォーム(CXone)。生成AIで全チャネルのインタラクションを自動評価し、応対品質評価・コーチング・VOC/コンプライアンス分析を実現する。料金は代理店経由の個別見積り。
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