産業保健サービスのおすすめ(目的別の早見表)
このカテゴリで最初に押さえるべきことが2つあります。
1つは、料金が従業員1名あたりではなく1事業場あたりの月額であることです。従業員が10名でも100名でも金額は変わりません。効いてくるのは人数ではなく事業場の数です。
もう1つは、各社が掲げる「月額3万円〜」の多くが隔月訪問の価格だということです。毎月訪問にすると、エムステージは45,000円〜、Carelyは50,000円になります。ドクタートラストが公式提示する嘱託産業医の報酬相場は従業員50名未満で6〜10万円なので、実際の水準は表示価格より高いと見ておくほうが安全です。
| 導入目的 | おすすめのタイプ | 主なサービス |
|---|---|---|
| 費用を抑えつつ体制を作りたい | 産業医+産業看護職の2名体制・月2万円〜 | リモート産業保健 |
| 自社に合う産業医を探したい | 10,000名以上の医師ネットワーク・初期費用無料 | エムスリーキャリア産業医サービス |
| 地方拠点の産業医も揃えたい | 全国47都道府県対応・登録7,500名以上 | エムステージ 健康経営トータルサポート |
| 健康管理システムと一体で運用したい | Carely連携・隔月3万円/毎月5万円 | Carely産業医紹介 |
| 相場を確認してから決めたい | 規模別の報酬相場を公式提示・英語ストレスチェック | ドクタートラスト |
産業保健サービスとは?
産業保健サービスとは、産業医の選任・紹介から職場巡視、面談、ストレスチェックの実施、衛生委員会の運営支援までを外部の事業者に任せるサービスです。
体制づくりで最初につまずくのは、産業医を探すところです。医師の知り合いがいなければ当てがなく、見つかっても職場巡視や面談の進め方は手探りになります。産業保健サービスは、紹介と実務の運用支援をまとめて引き受けます。
そして産業医の訪問は隔月または月1回です。その間の日常的な相談をどうするかが、実際に運用してみると課題になります。看護職や保健師がリモートで対応する体制を持つサービスがあるのは、この空白を埋めるためです。
料金は「1事業場あたり月額」で決まる
このカテゴリの料金は、従業員数に連動しません。1つの事業場(拠点)ごとに月額が決まります。
つまり、従業員100名の1拠点より従業員30名の3拠点のほうが費用は高くなります。本社だけに産業医を置けばよいのか、全拠点に必要なのかを先に確認してください。
当メディアの試算では、1事業場あたりの年間コストは240,000円〜396,000円です。
| 指標 | 1事業場あたり月額 |
|---|---|
| 最低 | 20,000円 |
| 中央値 | 30,000円 |
| 最高 | 33,000円 |
なお、リモート産業保健のように従業員50名未満と50名以上でプランが分かれる例はあります。
「月3万円〜」の中身(訪問頻度で1.5倍以上変わる)
表示されている最安値の多くは隔月訪問の価格です。
| サービス | 隔月訪問 | 毎月訪問 | 充実・研修 |
|---|---|---|---|
| エムステージ | 30,000円〜 | 45,000円〜 | 70,000円〜(毎月充実) |
| Carely | 3万円 | 5万円 | 6.5万円(研修対応) |
| リモート産業保健 | 2万円〜(50名未満) | 3万円〜(50名以上スタンダード) | 6万円〜(充実サポート) |
毎月来てもらう前提なら、45,000〜50,000円で予算を組む必要があります。
ドクタートラストが提示する報酬相場
ドクタートラストは自社の固定価格を公開していませんが、嘱託産業医の報酬相場を従業員規模別に公式提示しています。
| 従業員規模 | 月額の相場 |
|---|---|
| 50名未満 | 6〜10万円 |
| 50〜199名 | 7〜15万円 |
| 200〜399名 | 10〜20万円 |
| 400〜599名 | 15〜25万円 |
| 600〜999名 | 20万円〜 |
掲載サービスの表示価格(20,000〜33,000円)と並べると差がありますが、これは訪問頻度と業務範囲の違いによるものです。毎月訪問や充実サポート(45,000〜70,000円)まで含めると、この相場の下限に近づきます。表示の最安値だけで判断すると、実際の負担を低く見積もることになります。
産業保健サービスの選び方(5つのポイント)
- 訪問頻度で価格が変わることを前提に比べる。最安表示は隔月訪問であることが多いです
- 1事業場あたりの課金なので拠点数で計算する。従業員数では増えません
- 産業医だけか、看護職まで含むかを見る。訪問日の間の相談を誰が受けるかが変わります
- 初期費用の有無を確認する。0円のサービスと5万円かかるサービスがあります
- 自社の業種や課題に合う産業医を紹介できるかを見る。紹介の母数と得意領域に差があります
産業保健サービスのタイプ別分類
産業医+産業看護職。訪問とリモート併用で月2万円〜。全国1,300社以上
10,000名以上の医師基盤。スポット産業医1案件15,000円〜も選べる
登録7,500名以上・47都道府県対応。隔月/毎月/毎月充実の3段階
健康管理システムCarelyと連携。IT企業・メンタル領域に強み
規模別の嘱託産業医報酬相場を公式提示。英語対応ストレスチェック
産業保健サービスの比較表(主要5サービス)
| サービス | 月額(1事業場) | 初期費用 | 産業医の母数 | 看護職・保健師 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|---|
| リモート産業保健 | 2万円〜(50名未満)/3万円〜(50名以上) | 5万円(税別) | — | 産業看護職と2名体制 | 訪問+リモート併用・全国1,300社以上 |
| エムスリーキャリア産業医サービス | 30,000円〜 | 無料 | 10,000名以上 | 保健師オンライン面談 | スポット産業医1案件15,000円〜 |
| エムステージ 健康経営トータルサポート | 隔月30,000円〜/毎月45,000円〜 | 0円(交通費・システム利用料は別途) | 7,500名以上 | 保健師・心理職のオンライン面談 | 全国47都道府県で紹介可能 |
| Carely産業医紹介 | 隔月3万円/毎月5万円/研修6.5万円 | 公式に記載なし | — | オンライン面談 | 健康管理システムCarely連携 |
| ドクタートラスト | 個社見積り(相場を公式提示) | 要問い合わせ | — | 保健師サービス | 契約企業数トップクラス・英語対応 |
おすすめの産業保健サービス5選
- 概要:産業医と産業看護職の2名体制で、1事業場あたり月額2万円〜という掲載中で最も安い水準のサービスです。
- 特徴:
- 産業看護職がリモートで面談し、休職・復職のアフターフォローまで対応
- 従業員50名未満2万円〜/50名以上スタンダード3万円〜/充実サポート6万円〜
- 訪問とオンラインを併用、全国1,300社以上の支援実績
- 料金:1事業場あたり月額2万円〜。別途 初期費用5万円(税別)。
- 注意点:初期費用5万円がかかります。初期費用0円のエムスリーキャリアやエムステージと初年度総額で比べてください。
- こんな企業に向いている:費用を抑えつつ、訪問日の間の相談窓口も確保したい企業。
- 概要:m3.comの医師基盤により10,000名以上のネットワークから産業医を紹介します。
- 特徴:
- 嘱託産業医が1事業場あたり月額30,000円〜、初期費用無料
- スポット産業医が1案件15,000円〜(月額契約とは別枠)
- 嘱託・専属・スポットの3つの形に対応、導入6,400件以上
- 料金:嘱託産業医 月額30,000円〜。初期費用0円。
- 注意点:訪問頻度による価格の内訳は公開されていないため、見積り時に確認してください。
- こんな企業に向いている:自社に合う産業医を母数の多い中から探したい企業。
- 概要:登録産業医7,500名以上、全国47都道府県すべてで産業医紹介が可能なサービスです。
- 特徴:
- 隔月訪問30,000円〜/毎月訪問45,000円〜/毎月充実70,000円〜と頻度別に明示
- 全国47都道府県対応で、地方拠点も同じ事業者で揃えられる
- 専門職シェアリングで産業医・保健師・心理職のオンライン面談
- 料金:1事業場あたり月額30,000円〜。初期費用0円(訪問交通費・システム利用料は別途)。
- 注意点:交通費とシステム利用料が別途かかります。月額だけでは総額が読めません。
- こんな企業に向いている:拠点が地方に分散している企業。
- 概要:健康管理システムCarelyと連携する産業医紹介。導入は700社を超えます。
- 特徴:
- 隔月対応3万円/毎月対応5万円/研修対応6.5万円と「〜」のない明快な価格
- 面談記録・健診結果・ストレスチェック結果がCarelyに集まる
- IT企業・メンタル領域に強みを持つ産業医を選任
- 料金:1事業場あたり月額3万円(隔月)。初期費用は公式ページに記載なし。
- 注意点:初期費用が公開されていないため、問い合わせで確認が必要です。
- こんな企業に向いている:健康管理システムと産業医を一体で運用したい企業。
- 概要:契約企業数で全国トップクラスを標榜。嘱託産業医の報酬相場を規模別に公式提示しています。
- 特徴:
- 従業員50名未満6〜10万円など、規模別の報酬相場を公式に提示
- ストレスチェックがWeb・紙に加えて英語に対応
- 嘱託・専属の産業医紹介、保健師サービス、衛生委員会立ち上げサポート
- 料金:個社見積り(自社の固定価格は非公開)。
- 注意点:提示されている相場は市場の目安であり、自社の見積り額とは別のものです。
- こんな企業に向いている:相場を確認してから決めたい企業、外国籍の従業員がいる企業。
状況別のおすすめ
これから体制を作る(1拠点):リモート産業保健が費用を抑えられます(月2万円〜・初期5万円)。産業看護職が付くため、産業医の訪問日以外の相談も受けられます。
産業医との相性を重視したい:エムスリーキャリア(10,000名以上)かエムステージ(7,500名以上)です。紹介の母数が多いほど、自社に合う医師に出会える可能性が上がります。
拠点が複数ある:エムステージが全国47都道府県に対応します。拠点ごとに事業者を分けると、運用の窓口も請求も分かれてしまいます。
健康管理システムも必要:Carely産業医紹介です。面談記録や健診結果がシステムに集まるため、紙やExcelでの管理から移行できます。
外国籍の従業員がいる:ドクタートラストのストレスチェックは英語に対応します。日本語だけの設問では結果の信頼性が下がります。
産業保健サービスのデメリット・注意点
- 表示価格は隔月訪問のことが多い:毎月訪問なら45,000〜50,000円で見てください
- 拠点ごとに費用がかかる:従業員数ではなく事業場の数で増えます
- 交通費・システム利用料が別途の場合がある:エムステージは別途かかります
- 初期費用に差がある:0円のサービスと5万円かかるサービスがあります
- 産業医との相性は事前に分からない:交代に対応できる体制かも確認してください
産業保健サービス導入の流れ
- 対象の事業場を決める:本社だけか、全拠点かで費用が変わります
- 訪問頻度を決める:隔月か毎月かで金額が1.5倍以上変わります
- 必要な体制を決める:産業医だけか、看護職・保健師まで含めるか
- 初期費用・交通費を含めて見積りを取る:月額だけでは総額が読めません
- 相場と照らす:ドクタートラストの規模別相場(50名未満6〜10万円)を目安に使えます
産業保健サービスのよくある質問
料金相場はいくら?
掲載サービスの1事業場あたり月額は最低20,000円・中央値30,000円・最高33,000円で、年間240,000〜396,000円です。ただし多くは隔月訪問の価格で、ドクタートラストが公式提示する相場は従業員50名未満で6〜10万円です。
従業員数が増えると料金は上がる?
上がりません。1事業場あたりの月額だからです。ただしリモート産業保健のように50名未満と50名以上でプランが分かれる例はあります。金額に効くのは事業場(拠点)の数です。
「月額3万円〜」で毎月来てもらえる?
多くの場合、その金額は隔月訪問のプランです。毎月訪問だとエムステージは45,000円〜、Carelyは50,000円になります。研修や充実サポート込みなら65,000〜70,000円です。
産業医以外の専門職にも相談できる?
できるサービスがあります。リモート産業保健は産業看護職との2名体制、エムステージは保健師・心理職のオンライン面談、エムスリーキャリアは保健師のオンライン面談に対応します。
スポットだけの依頼はできる?
エムスリーキャリアがスポット産業医に対応しており、1案件15,000円〜です(月額契約とは別枠)。特定の面談や手続きだけを依頼したい場合の選択肢になります。
ストレスチェックや衛生委員会も任せられる?
掲載5サービスすべてが対応します。ドクタートラストのストレスチェックは英語にも対応しています。
まとめ
産業保健サービスを比べるときは、「1事業場あたり」と「訪問頻度」の2つを外さないでください。
料金は従業員数ではなく拠点数で増えます。そして表示されている「月額3万円〜」の多くは隔月訪問の価格で、毎月訪問なら45,000〜50,000円、充実サポートまで含めれば65,000〜70,000円です。ドクタートラストが公式提示する相場(従業員50名未満で6〜10万円)と照らすと、この水準が実態に近いことが分かります。
費用を抑えたいならリモート産業保健(月2万円〜・産業看護職との2名体制)、産業医の母数で選ぶならエムスリーキャリアかエムステージ、システムと一体化したいならCarelyです。
料金・仕様は変更される場合があります。契約前に各公式サイトで最新情報をご確認ください。