固定資産管理システムのおすすめ(目的別の早見表)
固定資産管理を検討する前に確認すべきことがあります。会計ソフトに標準搭載されている場合があります。
弥生会計 Nextはエントリープラン(年34,800円・税抜)から固定資産管理と減価償却を含みます。すでに契約しているなら追加費用は発生しません。
freee会計も会計プランの中で固定資産台帳と減価償却を扱えますが、どこまでを追加費用なしで使えるかは公式ページで確認できませんでした。料金プランの比較表で「高度な固定資産管理」に印が付くのはエンタープライズ(料金非公開)だけです。
分かれ目は償却資産税の申告書まで作れるかどうかです。減価償却の達人は申告書を自動作成して地方税の電子申告に対応し、固定資産奉行クラウドは償却資産税申告書と法人税別表16を作成します。
| 導入目的 | おすすめのタイプ | 主なサービス |
|---|---|---|
| 申告書まで自社で作りたい | 年14,200円〜。償却資産申告書を自動作成し地方税の電子申告に対応 | 減価償却の達人 |
| 特別償却や減損会計も扱う | 特別償却/資本的支出/有姿除却/減損会計に対応、目的別4様式の台帳 | 減価償却の達人 |
| 会計ソフトで完結させたい | エントリープラン年34,800円〜に標準搭載。一括償却資産・少額資産にも対応 | 弥生会計 Next(固定資産管理機能) |
| 会計と一体で自動仕訳まで任せたい | 償却期間終了まで自動で仕訳を作成(年次/月次選択) | freee会計(固定資産管理機能) |
| 資産件数が多く申告帳票も要る | iE 年57,000円・初期0円(100件まで)〜iS 年264,000円。奉行シリーズと仕訳連携 | 固定資産奉行クラウド |
| 内部統制の証跡が要る | 複数台帳の管理・SOC1 Type2・写真/証憑の添付、クラウド会計Plusへ1クリック連携 | マネーフォワード クラウド固定資産 |
動画で解説
固定資産管理システムとは?
固定資産管理システムとは、固定資産台帳を管理し、定額法・定率法などの減価償却費を自動で計算するシステムです。
減価償却は毎年同じ計算を繰り返す業務です。ところが資産が増えるほど、取得日・耐用年数・償却方法・除却や売却の履歴が表計算ソフトの上で膨らみ、決算のたびに検算が必要になります。
このカテゴリは大きく2つに分かれます。会計ソフトの一機能として提供されるもの(freee会計・弥生会計 Next)と、申告書の作成まで扱う専用ソフト(減価償却の達人・固定資産奉行クラウド・マネーフォワード クラウド固定資産)です。
まず「いま契約しているもの」に入っていないか
| サービス | 提供の形 | 料金 |
|---|---|---|
| freee会計 | 会計ソフトの中で扱える(範囲は公式ページで確認できず) | スターター 年払い月5,480円(税抜)※会計本体の料金 |
| 弥生会計 Next | 会計ソフトにエントリーから標準搭載 | エントリー 年34,800円(税抜・月額換算2,900円)※会計本体の料金 |
| 減価償却の達人 | 専用ソフト(インストール型) | Light 年14,200円/Standard 年32,300円/Professional 年51,900円(税抜・DL版) |
| 固定資産奉行クラウド | 専用クラウド | iE 年57,000円・初期0円/iA 年177,000円・初期50,000円/iS 年264,000円・初期70,000円(税抜) |
| マネーフォワード クラウド固定資産 | 専用クラウド | 非公開(導入支援費用+月額の個社見積り) |
最安プランの中央値は月額3,825円です。最安は減価償却の達人の年14,200円(月額換算約1,183円)で、掲載5サービスの価格公開率は80%です。
台帳の管理と償却計算だけが目的なら、多くの場合は会計ソフトの標準機能で足ります。
申告書まで作れるかが最大の分かれ目
| サービス | 償却資産税申告書 | 法人税別表16 |
|---|---|---|
| 減価償却の達人 | 自動作成+地方税の電子申告に対応 | 別表十六関連を出力・「法人税の達人」へ連動 |
| 固定資産奉行クラウド | 作成できる | 作成できる |
| マネーフォワード クラウド固定資産 | 帳票出力に対応 | 帳票出力に対応 |
| 弥生会計 Next | 申告用資料の作成に対応(詳細は要確認) | — |
| freee会計 | 直接作成は要確認(台帳管理・減価償却に対応) | — |
電子申告まで対応を明示しているのは減価償却の達人だけです。市区町村ごとに提出する償却資産申告書を手作業で作っているなら、ここが最も効きます。
見落としやすい2つの上限
1つは資産の登録件数です。 上限があるのは奉行だけではありません。
- 弥生会計 Next:1会計期間あたり500件まで(主要スペックに記載。上位プランで増えるという記載はありません)
- 固定資産奉行クラウド iE(年57,000円・初期0円):100件まで
- 〃 iA(年177,000円・初期50,000円):1,000件まで
- 〃 iS(年264,000円・初期70,000円):1,000件(2,000件なら年364,000円)
減価償却の達人は、資産の登録件数の上限が公式に記載されていません(「法人/個人件数 無制限」とあるのは事業者の件数です)。freee会計とマネーフォワード クラウド固定資産も、件数の上限を公式ページで確認できませんでした。
奉行はiEの101件目からiAに上がり、年57,000円が177,000円と3.1倍になります。 公開されている機能表では、iAで増える機能は書かれていません。差は件数と初期費用です。
iEは初期費用0円で入りやすい一方、資産が100件を超える会社では収まりません。
もう1つは利用できるPCの台数です。 減価償却の達人のLight EditionとStandard Editionは単一PCでの利用に限られます。複数人で使うにはProfessional Edition(年51,900円・税抜/DL版)が必要で、こちらはLAN共有に対応しインストール台数に制限がありません。Light Editionは他ソフトとの連携もできません。
扱える論点の幅
- 減価償却の達人:定額法・定率法に加えて特別償却・資本的支出・有姿除却・減損会計。目的別に4様式の固定資産台帳
- 固定資産奉行クラウド:複数の償却方法の自動計算、除却・売却・移動などの資産異動管理
- マネーフォワード クラウド固定資産:複数台帳の管理・内部統制対応(SOC1 Type2)、固定資産に写真/証憑を添付
- 弥生会計 Next:定額法・定率法の自動計算、一括償却資産・少額資産に対応
- freee会計:償却期間終了まで自動で仕訳を作成(年次/月次を選択可)
減損会計や有姿除却まで発生するなら会計ソフトの標準機能では足りません。逆に、通常の減価償却と少額資産の処理で収まるなら標準機能で回ります。
固定資産管理システムの選び方(5つのポイント)
- 会計ソフトの標準機能で足りるかを先に確かめる。freee会計と弥生会計 Nextは追加費用なしです
- 償却資産税の申告書まで作れるかを確認する。電子申告の明示は減価償却の達人だけです
- 資産の登録件数に上限がないかを見る。固定資産奉行クラウドのiEは100件まで、弥生会計 Nextは1会計期間あたり500件までです
- 特別償却や減損会計まで扱えるかを確かめる。専用ソフトのほうが幅が広くなります
- インストール型かクラウドかを決める。減価償却の達人のLight/Standardは単一PCです
固定資産管理システムのタイプ別分類
年14,200円〜のインストール型。償却資産申告書の自動作成と地方税電子申告、特別償却/減損会計まで対応
エントリー年34,800円〜に標準搭載。一括償却資産・少額資産に対応、最大2か月の無料体験
償却期間終了まで自動仕訳(年次/月次選択)。高度な固定資産管理は最上位プラン
iE 年57,000円・初期0円(100件まで)〜iS 年264,000円。償却資産税申告書・別表16、奉行シリーズ連携
複数台帳とSOC1 Type2、写真/証憑の添付、クラウド会計Plusへ1クリック仕訳連携
おすすめの固定資産管理システム5選
- 概要:掲載5社で最も安く、償却資産申告書の自動作成から地方税の電子申告まで対応する専用ソフトです。
- 特徴:
- Light Edition 年14,200円(税抜・DL版・月額換算約1,183円)で掲載5社中最安
- 償却資産申告書を自動作成+地方税の電子申告に対応。法人税別表十六を出力し「法人税の達人」へ連動
- 特別償却・資本的支出・有姿除却・減損会計に対応。目的別に4様式の固定資産台帳
- 料金:Light 年14,200円/Standard 年32,300円/Professional 年51,900円(いずれも税抜・DL版。パッケージ版は各4,800円高)。
- 注意点:インストール型で、LightとStandardは単一PCのみ。Lightは他ソフト連携もできません。複数人で使うならProfessional(年51,900円)です。
- こんな企業に向いている:申告書まで自社で作る会社、特別償却や減損会計が発生する会社。
- 概要:クラウド会計ソフトに固定資産管理と減価償却が標準搭載されています。
- 特徴:
- エントリープラン(年34,800円・税抜・月額換算2,900円)から標準搭載
- 定額法・定率法の減価償却費を自動計算して仕訳まで登録
- 一括償却資産・少額資産にも対応。初期費用0円・最大2か月の無料体験
- 料金:会計ソフト本体の料金に含まれます(エントリー年34,800円/ベーシック年50,400円/ベーシックプラス年84,000円・税抜)。
- 注意点:償却資産税申告の詳細は要確認です。申告書の自動作成まで求めるなら専用ソフトが候補になります。
- こんな企業に向いている:弥生会計 Nextを使っている会社、少額資産が多い会社。
- 概要:会計プランの中で固定資産台帳と減価償却を扱えます。ただし追加費用なしで使える範囲は公式ページで確認できませんでした。
- 特徴:
- 会計プランの中で扱える(高度な固定資産管理は最上位プラン)
- 償却期間終了まで自動で減価償却の仕訳を作成(年次/月次を選択可)
- 定額法・定率法の償却費を自動計算して自動仕訳。初期費用0円
- 料金:会計ソフト本体の料金(スターター 年払い月5,480円/スタンダード 年払い月8,980円/アドバンス 月39,780円・税抜)。
- 注意点:償却資産税申告書の直接作成は要確認です。高度な固定資産管理は上位プラン向けとされています。
- こんな企業に向いている:freee会計を使っている会社、毎期の計上漏れを防ぎたい会社。
- 概要:資産件数に応じてプランを選べ、償却資産税申告書と法人税別表16を作成できます。
- 特徴:
- iE 年57,000円・初期費用0円(月額換算4,750円)/iA 年177,000円・初期50,000円/iS 年264,000円・初期70,000円(税抜)
- 償却資産税申告書と法人税別表16を作成できる
- 除却・売却・移動などの資産異動管理。奉行シリーズと仕訳連携・API対応
- 料金:当メディアの試算でiEは年57,000円。件数と人数からプランを選ぶ形です。
- 注意点:iEは資産登録100件までです(iAは1,000件、iSは1,000件・2,000件なら年364,000円)。上位は初期費用が50,000〜70,000円かかります。
- こんな企業に向いている:資産件数が多い会社、奉行シリーズで揃えている会社、申告帳票が要る会社。
- 概要:複数台帳の管理と内部統制に対応し、写真や証憑を添付して現物と突き合わせられます。
- 特徴:
- 複数台帳の管理と内部統制対応(アクセス管理・ログ管理)。SOC1 Type2報告書を提供
- 固定資産に写真・証憑を添付して一元管理(掲載5社で唯一)
- 償却資産税申告書・法人税別表16の帳票出力。クラウド会計Plusへ1クリックで仕訳送信(API連携)
- 料金:導入支援費用+月額の個社見積り。金額は非公開です。
- 注意点:掲載5社で唯一の価格非公開です。オプション料金もあり、具体額は無料見積りで確認する形になります。
- こんな企業に向いている:上場・IPO準備で統制の証跡が要る会社、現物管理が課題の会社。
状況別のおすすめ
freee会計や弥生会計 Nextを使っている:まず標準機能で足りるか確かめてください。追加費用は発生しません。
償却資産申告書を手作業で作っている:減価償却の達人です。自動作成と電子申告に対応します。
特別償却や減損会計が発生する:減価償却の達人です。扱える論点が最も広くなります。
費用を最優先したい:減価償却の達人のLight Edition(年14,200円)です。ただし単一PCのみです。
経理が複数名で使う:クラウド4社か、減価償却の達人のProfessional(年51,900円)です。
資産が100件を超える:固定資産奉行クラウドのiA以上、または他のクラウドです。
内部統制の証跡が要る:マネーフォワード クラウド固定資産です。SOC1 Type2報告書があります。
固定資産管理システムのデメリット・注意点
- 会計ソフトに入っている場合がある:freee会計と弥生会計 Nextは標準搭載です。二重に契約しないでください
- 申告書まで作れるとは限らない:freee会計は償却資産税申告書の直接作成が要確認です
- 資産件数に上限がある:固定資産奉行クラウドのiEは100件までです
- インストール型は台数制限がある:減価償却の達人のLight/Standardは単一PCのみです
- 初期費用がかかる場合がある:固定資産奉行クラウドのiAは50,000円、iSは70,000円です
- 無料プランがない:掲載5サービスとも0%です(トライアルは4社=80%・平均50日)
固定資産管理システム導入の流れ
- いま使っている会計ソフトを確認する:標準搭載なら追加費用は発生しません
- 資産の登録件数を数える:固定資産奉行クラウドのプラン選定に効きます
- 申告書を誰が作るかを決める:自社で作るなら専用ソフトが候補です
- 発生する論点を洗い出す:特別償却や減損会計があるなら扱える範囲を確認します
- 使う人数と場所を確認する:インストール型は単一PCの制約があります
固定資産管理システムのよくある質問
料金相場はいくら?
最安プランの中央値は月額3,825円です。最低は減価償却の達人のLight Editionで年14,200円(税抜・DL版)、最高はfreee会計のスターターで年払い月5,480円(税抜)です。価格公開率は80%で、マネーフォワード クラウド固定資産のみ非公開です。
会計ソフトの機能では足りない?
台帳の管理と減価償却の計算が目的なら多くの場合は足ります。弥生会計 Nextはエントリープラン(年34,800円)から標準搭載しています。freee会計も会計プランの中で扱えますが、追加費用なしで使える範囲は公式ページで確認できませんでした。償却資産税の申告書まで作るなら専用ソフトが候補になります。
償却資産税の申告書は作れる?
減価償却の達人は自動作成と地方税の電子申告に対応し、固定資産奉行クラウドは償却資産税申告書と法人税別表16を作成できます。マネーフォワード クラウド固定資産も帳票出力に対応します。freee会計は直接作成が要確認です。
資産の件数に上限はある?
固定資産奉行クラウドはiEが100件まで、iAが1,000件まで、iSが1,000件(2,000件なら年364,000円)です。資産が100件を超える会社ではiE(年57,000円・初期0円)では収まりません。
特別償却や減損会計にも対応している?
減価償却の達人が最も広く、定額法・定率法に加えて特別償却・資本的支出・有姿除却・減損会計まで対応します。固定資産奉行クラウドは複数の償却方法と資産異動(除却・売却・移動)の管理に対応します。
無料で試せる?
無料プランはありませんが、トライアルは4社(80%)が用意しており平均50日です。弥生会計 Nextは最大2か月の無料体験があります。
まとめ
固定資産管理は、いま使っている会計ソフトに入っていないかを確かめるところから始めてください。弥生会計 Nextはエントリープラン(年34,800円・税抜)から標準搭載しています。freee会計も会計プランの中で扱えますが、どこまで追加費用なしで使えるかは公式ページで確認できませんでした。台帳の管理と減価償却の計算だけなら、多くの場合これで足ります。
専用のシステムが要るのは、償却資産税の申告書まで作る場合です。減価償却の達人(年14,200円〜)は申告書の自動作成と地方税の電子申告に対応し、特別償却や減損会計まで扱えます。ただしインストール型で、Light EditionとStandard Editionは単一PCのみです。
資産件数が多いなら固定資産奉行クラウドですが、iE(年57,000円・初期0円)は100件までという上限があります。100件を超えるならiA(年177,000円・初期50,000円)以上になります。上場やIPO準備で統制の証跡が要るなら、SOC1 Type2報告書を提供するマネーフォワード クラウド固定資産が候補です。