開発支援ツールは、当メディアが扱ってきたカテゴリの中でも料金の透明性が際立ちます。
掲載5社の料金公開率は100%(5/5)、無料プランの提供率も100%(5/5)です。販売管理や生産管理の分野では料金公開率が20〜40%にとどまり無料プランが0社ということも珍しくありませんでしたが、開発ツールは金額も無料枠も先に分かります。
そのうえで比較の焦点になるのが、無料プランの天井です。
| サービス | 無料プランの上限 |
|---|---|
| Postman | 1ユーザー |
| GitLab | 5ライセンスユーザー |
| CircleCI | アクティブユーザー5名 |
| Jira | 10ユーザー |
| GitHub | 人数の上限は明示なし(月2,000分のActions・無制限リポジトリ) |
1人から10人まで、10倍の開きがあります。
結論:無料の天井・課金の単位・役割の3点で絞る
先に結論を述べます。
1つめは、無料プランの天井です。チームが何人になった時点で有料に切り替わるかが製品ごとに違います。現在の人数と1年後の見込みを当てはめてください。
2つめは、課金の単位です。5社中4社が1ユーザー単位ですが、CircleCIだけがクレジット(実行時間)ベースです。ビルドを回す頻度で負担が変わります。
3つめは、役割です。これらは重ねて使うのが前提のツールです。金額の順位そのものに意味はありません。
10人チームの月額を並べると、最安のGitHub Team($40)と最高のGitLab Premium($290)で $290 ÷ $40 = 7.25倍になります。
開発支援ツールとは
開発支援ツールとは、ソースコード管理・課題管理・CI/CD・APIテストなど、ソフトウェア開発の各工程を支えるツールの総称です。
1つで完結する製品ではないという点が大事です。役割の違うものを重ねて使うのが実態で、たとえばソースコード管理にGitHub、課題管理にJira、CI/CDにCircleCI、APIテストにPostmanという構成が成り立ちます。
そのため「どれが一番安いか」を比べても意味がありません。効くのは「どのツールが、何人になった時点で有料化するか」です。無料枠の設計が製品ごとに違うため、同じ10人のチームでも払う金額の合計は組み合わせ次第で大きく変わります。
当メディアの調査では、「開発ツール」という検索キーワードの指数は直近25か月で52〜86の範囲を推移し、平均は68.1でした。最高は2025年6月の86、最低は2026年3月と直近7月の52で、先頭78に対し末尾52と26ポイント下げています。2024年は74〜80で高位に安定していましたが2025年後半から下がり始め、2026年は50台で推移しています。総称で探す段階を過ぎ、個別のツール名で直接検索される局面に入ったと読み取れます。
選び方:5つの確認ポイント
1. 無料プランの天井がどこにあるかを確かめる
掲載5社は全社に無料プランがありますが、上限の置き方が違います。
| サービス | 無料プランの内容 |
|---|---|
| GitHub Free | 無制限のパブリック/プライベートリポジトリ・月2,000分のGitHub Actions・500MBパッケージ |
| Jira Free | 10ユーザーまで無期限無料・2GBストレージ・月100回の自動化 |
| GitLab Free | 5ライセンスユーザーまで・月400コンピュート分・10GiBストレージ |
| CircleCI Free | アクティブユーザー5名まで・月30,000クレジット・30x並列・全実行環境 |
| Postman Free | 1ユーザー・APIクライアント・モックサーバー・ネイティブGit・月50AIクレジット |
GitHubのFreeには人数の上限が明示されていません。人数ではなくActionsの実行分数やパッケージ容量が実質的な天井になります。小さなチームならそのまま使い続けられる設計です。
一方Postmanは1ユーザー。個人での検証には十分ですが、チームで共有する段階で有料への切り替えが必要になります。
なおCircleCIの無料クレジットは毎月失効し、繰り越しできません。使わなかった月の枠を翌月に回せないため、リリース前だけ実行回数が跳ね上がるような開発サイクルでは足りなくなる可能性があります。
2. 課金の単位がユーザー数か使用量かを見る
掲載5社のうちGitHub・GitLab・Postman・Jiraの4社は1ユーザー単位の課金です。
CircleCIだけが例外で、クレジット(実行時間ベース)と課金対象ユーザー数を組み合わせた体系です。
- Performance:月$15〜(30,000クレジット+5ユーザー込み)
- 追加ユーザー:1人$15/月
- 追加クレジット:25,000クレジットあたり$15
人数ごとの1人あたりを計算します。
| 人数 | 月額 | 1人あたり |
|---|---|---|
| 5人 | $15 | $3 |
| 10人 | $15 + $15×5 = $90 | $9 |
| 20人 | $15 + $15×15 = $240 | $12 |
人数が増えるほど1人あたりが$15に近づく構造です。少人数のチームでは負担が小さく収まります。ただしビルドの実行時間が読めない段階では、クレジットの消費量を試算しておく必要があります。
3. 人数の区切りで単価が跳ねる箇所を確認する
プランの境目で金額が大きく動く製品があります。
Postmanが最も顕著です。Soloは月$9(年額課金)ですが1ユーザー限定で、2人目からはTeam(1ユーザー$19/月・年額課金)になります。
- 1人:$9
- 2人:$19 × 2 = $38
- $38 ÷ $9 = 4.22倍
1人で始めて後から増やす想定なら、この段差を先に把握しておく必要があります。
GitLabのFreeは5ライセンスユーザーまでで、6人目からはPremium(1ユーザー$29/月)になります。10人なら$290です。
JiraのFreeは10ユーザーまでで、11人目からStandard(1ユーザー月額1,085円)になります。Standardは1サイトあたり10万ユーザーまで対応し、最上位のEnterpriseは年額契約のみのカスタム価格です。
4. 年額契約と月払いの差を計算する
年額契約で単価が下がる製品があります。
Jira Standardは月払いで1ユーザー月額1,085円です。公式の料金ページには支払い方法の切り替え(Monthly/Annually)があり、年額契約は「SAVE UP TO 17%」と示されています。ただし年額側の金額は切り替えないと表示されないため、本記事では月払いの金額のみを扱います。
GitLabのPremium($29)とPostmanのSolo・Team・Enterpriseは年額課金が前提の価格です。契約期間の縛りと価格差を天秤にかけて、途中で人数が減る可能性も含めて判断してください。
なおJiraの公式料金ページは日本からのアクセスに日本円を表示します。他の4社は米ドル建てなので、同じ表に並べるときは為替の扱いに注意してください。
5. 役割の重なりと空きを見て組み合わせる
| サービス | 主な役割 |
|---|---|
| GitHub | ソースコード管理・コードレビュー・Issues/Projects・GitHub Actions(CI/CD)・Codespaces |
| GitLab | 計画〜監視までDevOpsライフサイクル全体を1つのアプリで |
| CircleCI | CI/CD専業(Docker/Linux/Windows/macOS/Arm/GPU) |
| Postman | API開発(設計・テスト・モック・ドキュメント・監視・SDK生成) |
| Jira | 課題管理(スクラム/カンバン・バックログ・スプリント・ロードマップ) |
GitHubとGitLabは範囲が重なるため、両方を使う理由は薄くなります。一方、GitHub+CircleCI+Postman+Jiraのように補い合う組み合わせは成立します。
判断の目安は次のとおりです。
- GitHubのActionsやGitLabの内蔵CIで足りるならCircleCIは不要(GitHub Freeは月2,000分、Team は月3,000分、Enterprise は月50,000分)
- APIを扱わないチームにPostmanは要らない
- 10人以下でスクラムを本格運用しないならJiraのFreeで足りる(GitHubのIssues/Projectsで完結する場合もある)
CircleCI・Postman・JiraはいずれもGitHub / GitLab / Bitbucketとの連携に対応しているため、後から足す前提で最小構成から始める進め方が取れます。
タイプ分類:3つの型
型1|統合プラットフォーム型(GitHub/GitLab)
ソースコード管理を軸に複数の工程を1つにまとめる型です。GitHubはリポジトリ・プルリクエスト・Issues/Projects・GitHub Actions・Codespacesを一体で提供し、1ユーザー月額$4のTeamから始められます。GitLabは計画・ソースコード管理・CI/CD・パッケージ管理・アプリケーションセキュリティテスト・監視までを1アプリでカバーし、Premiumは1ユーザー月額$29(年額契約)。GitLabはSaaSとセルフマネージドを標準で両方提供する点が違いで、GitHubのセルフホストはGitHub Enterprise Serverという別製品です。
型2|工程特化型(CircleCI/Postman)
特定の工程を深く扱う型です。CircleCIはCI/CD専業で、Docker・Linux・Windows・macOS・Arm・GPU・セルフホストランナーまで対応し、Freeでも全実行環境が使えます。iOSアプリのビルドに必要なmacOS環境や、機械学習のテストに要るGPUなど、汎用のCI機能では扱いにくい環境が必要な場合の受け皿です。PostmanはAPI開発に特化し、設計・テスト・モック・ドキュメント・監視・SDK生成を一体化します。
型3|課題管理型(Jira)
開発の進め方そのものをツールに載せる型です。スクラムボード・カンバンボード、バックログ、スプリント計画、ロードマップ、レポート、ノーコードの自動化を備えます。無料プランは10ユーザーまでと掲載5社で最も広く、10人以下のチームなら費用をかけずに始められます。GitHub・GitLab・Bitbucket等のソースコード管理やCI/CDと連携し、コミットやプルリクエストと課題を紐づけられます。
独自データ:料金公開率100%・無料プラン100%
当メディアの調査で分かったことを整理します。
| 項目 | 掲載5社の結果 |
|---|---|
| 料金公開率 | 100%(5/5)(open 5社/partial 0社/closed 0社) |
| 無料プラン | 100%(5/5) |
| 1ユーザー単位で課金する社数 | 4社(CircleCIのみクレジットベース) |
| 無料トライアル | 3社(60%)/日数公開2社の平均30日 |
| 無料プランの人数上限 | 1人〜10人(GitHubは人数の上限を明示せず) |
料金公開率100%・無料プラン100%は、当メディアが扱ってきたカテゴリの中でも最高水準です。直前に扱った需要予測システムが料金公開率20%・無料プラン0%だったことと比べると、同じBtoB SaaSでも分野によって透明性がまったく違うことが分かります。
10人チームの月額(米ドル建て)は次のとおりです。
| サービス | 10人の月額 | 計算 |
|---|---|---|
| GitHub Team | $40 | $4 × 10 |
| Jira Standard(月払い) | 10,850円 | 1,085円 × 10 |
| CircleCI Performance | $90 | $15 + $15 × 5 |
| Postman Team | $190 | $19 × 10 |
| GitLab Premium | $290 | $29 × 10 |
$290 ÷ $40 = 7.25倍。ただし前述のとおり役割が違うため、この順位そのものに意味はありません。GitLabは計画から監視までを含むので、複数ツールを1つにまとめた場合の総額で比べる必要があります。
なおJira以外の4社は米ドル建てのため、当メディアでは円換算した相場を算出していません。Jiraだけは公式ページが日本円を表示します。
掲載5社の比較表
| サービス | 主な役割 | 無料プランの上限 | 有料の最安 | 課金の単位 | 無料トライアル |
|---|---|---|---|---|---|
| GitHub | SCM+CI/CD+課題管理 | 人数上限の明示なし | $4/ユーザー/月(Team) | ユーザー | 30日(Enterprise) |
| Jira | 課題管理(スクラム/カンバン) | 10ユーザー | 1,085円/ユーザー/月(月払い) | ユーザー | あり(日数は要確認) |
| GitLab | DevOps全体を1アプリで | 5ライセンスユーザー | $29/ユーザー/月(年額) | ユーザー | 約30日 |
| CircleCI | CI/CD専業 | 5名・月30,000クレジット | $15/月〜(5ユーザー込み) | クレジット+ユーザー | Freeで試用 |
| Postman | API開発 | 1ユーザー | $9/月(Solo・1名限定) | ユーザー | Freeで試用 |
Jiraの価格は第三者トラッカーで相互確認した参考値(公式未確認の参考値)です。
各サービスの詳細
Microsoft傘下のGitHub, Inc.が運営する世界最大級のソースコード管理・開発プラットフォームです。公式によると1億人超の開発者が利用しています。
分散バージョン管理システムGitをベースに、リポジトリのホスティング、プルリクエストによるコードレビュー、Issues・Projectsでの開発課題管理、GitHub ActionsによるCI/CD、Codespacesによるクラウド開発環境、Dependabot等のセキュリティ機能までを一体で提供します。
無料プランの手厚さが特徴です。Freeでも無制限のパブリック/プライベートリポジトリと月2,000分のGitHub Actions実行枠、500MBのパッケージが使えます。掲載5社の中で無料プランに人数の上限が明示されていないのは同社だけで、人数ではなくActionsの実行分数やパッケージ容量が実質的な天井になります。
有料はTeam(1ユーザー月額$4)でCodespaces・月3,000分のActions・リポジトリルール・複数レビュアー・Code ownersが解放されます。掲載5社の1ユーザー単価では最も安く、10人チームなら$40。最も高いGitLab Premium($290)とは7.25倍の差です。
Enterprise(1ユーザー月額$21〜)では月50,000分のActions・SAMLシングルサインオン・Enterprise Managed Users・高度な監査・データレジデンシー・SOC 1/2 Type 2準拠が加わります。上場企業や大手との取引で情報セキュリティの要件が課される場合、これらの有無が導入可否を左右します。30日間の無料トライアルが用意されています。
Codespacesは、新しいメンバーが参加するたびにローカル環境の構築で数日を要するという事態を避けられる機能です。業務委託や短期のメンバーが出入りするチームで効果が出やすくなります。セルフホストはGitHub Enterprise Serverで別途提供されます。
NASDAQ上場のAtlassian Corporationが提供する、ソフトウェア開発チーム向けの課題追跡・プロジェクト管理ツールです。
スクラムボード・カンバンボード、バックログ、スプリント計画、ロードマップ、レポート、ノーコードの自動化などを備えます。開発の進め方そのものをツールに載せる構成で、スプリントの区切りやバックログの優先順位づけといったアジャイル開発の運用がそのまま画面になります。
Freeプランは10ユーザーまで無期限無料で、2GBストレージ・月100回の自動化・コミュニティサポートが付きます。掲載5社の無料枠はPostmanが1ユーザー、GitLabとCircleCIが5ユーザーなので、人数の上限が明示されている中では最も広くなります。
有料のStandardは1ユーザー月額1,085円(月払い)です。年額契約は公式に「SAVE UP TO 17%」と示されていますが、金額は支払い方法を切り替えないと表示されません。プロジェクトロールや高度な権限、250GBストレージ、月1,700回の自動化が加わり、1サイトあたり10万ユーザーまで対応します。
Premiumは1ユーザー月額1,987円で、プロジェクトアーカイブ・管理者インサイト・サンドボックス・無制限ストレージが利用できます。サンドボックスは本番環境に影響を与えずに設定変更を試せる環境で、ワークフローを頻繁に見直す組織では検証の安全性が上がります。最上位のEnterpriseは「年額契約のみ」で、金額はカスタムです。
GitHub・GitLab・Bitbucket等のソースコード管理やCI/CDと連携し、コミットやプルリクエストと課題を紐づけられます。Confluence、Slack / Microsoft Teams、Atlassian Marketplaceの多数のアプリとも連携します。
これらの価格は公式料金ページに日本円で表示されているものです。他の4社が米ドル建てである点と、年額契約の金額は切り替えないと出てこない点に注意してください。
NASDAQ上場のGitLab Inc.が提供する、DevOpsライフサイクル全体を1つのアプリケーションでカバーするプラットフォームです。
扱う範囲はプロジェクト計画、ソースコード管理(Git)、マージリクエストによるコードレビュー、CI/CD、パッケージ管理、アプリケーションセキュリティテスト、監視までにわたります。工程ごとに別々のSaaSを契約すると権限管理も課金も分散し、データの受け渡しにも手間がかかります。1つにまとめることでその分断を減らせることが、価格の根拠になっています。
提供形態の選択肢も特徴です。クラウド(SaaS:GitLab.com)とセルフマネージド(オンプレ/プライベートクラウド)の両方を標準で提供しており、掲載5社の中でこの両立を標準で掲げているのは同社です。GitHubのセルフホストはGitHub Enterprise Serverという別製品、CircleCIもCircleCI Serverの別ライセンスなので、製品を分けずに済む点は運用上の違いになります。
無料のFreeプランは5ライセンスユーザーまで(月400コンピュート分・10GiBストレージ)で、6人目からはPremiumになります。
有料のPremiumは1ユーザー月額$29(年額契約)で、高度なCI/CD・チームプロジェクト管理・SLA管理・優先サポート・月10,000コンピュート分が利用できます。掲載5社の1ユーザー単価では最も高い水準で、GitHubのTeam($4)と比べると7.25倍です。
最上位のUltimateはカスタム価格で、アプリケーションセキュリティテスト、ソフトウェアサプライチェーンセキュリティ、脆弱性管理、ポートフォリオ管理、コンプライアンス/ガバナンス、月50,000コンピュート分を含みます。セキュリティテストを別製品で用意する構成と比べて、パイプラインの中に組み込める点が違いです。
Premium/Ultimateに約30日の無料トライアルがあります(gitlab.comで提供)。Freeプランで5人まで試したうえで上位機能を30日試すという、段階的な検証ができます。
Circle Internet Services, Inc.が提供するクラウド型のCI/CDプラットフォームです。ソースコードの変更をトリガーにビルド・テスト・デプロイを自動化します。
実行環境の幅が特徴です。Docker・Linux・Windows・macOS・Armに加えて、GPU環境やセルフホストランナーまで幅広く対応します。macOSでのiOSアプリのビルドや、GPUを使う機械学習のテストなど、汎用のCI機能では扱いにくい環境が必要な場合の受け皿になります。無料のFreeプランでも全実行環境が使えます。
課金の考え方が掲載5社の中で唯一異なります。クレジット(実行時間ベース)と課金対象ユーザー数を組み合わせた体系で、使った分だけ支払う構造です。
Freeプランは月30,000クレジット(smallのDockerリソースで最大約6,000分)・アクティブユーザー5名まで・30x並列を含みます。この無料クレジットは毎月失効し、繰り越しできません。
有料のPerformanceは月$15〜で、30,000クレジットと5ユーザーが含まれます。追加ユーザーは1人$15/月、追加クレジットは25,000クレジットあたり$15です。5人なら1人あたり$3、10人なら$90で1人あたり$9、20人なら$240で1人あたり$12と、人数が増えるほど1人あたりが$15に近づきます。
並列実行にも対応し、Freeで30x、Performanceで80xです。テストの数が多いプロジェクトでは、並列度がそのままビルド待ち時間に直結します。開発者が変更をプッシュしてから結果が出るまでの時間は開発の速度を左右するため、実務上重要な比較項目です。
最上位のScaleは年額のカスタム価格で、エンタープライズ制御・最大リソース・24/7サポートを提供します。GitHub / GitHub Enterprise、GitLab、Bitbucketと連携するため、ソースコード管理は既存のまま、ビルドとデプロイの部分だけを強化できます。
Postman, Inc.が提供するAPI開発プラットフォームです。APIクライアントによるリクエスト送信・検証を中核に、API開発の周辺工程をまとめて扱えます。
扱う範囲はAPIの設計(仕様/スペック)、テスト(データ駆動テストを含む)、モックサーバー、ドキュメント生成、監視(モニタリング)、SDK生成までです。APIの動作確認をするだけのツールではなく、仕様を決めてテストを書き、ドキュメントを配り、稼働を監視するところまでを1か所で回せます。
Freeプランは1ユーザー限定で、APIクライアント・コアツール・モックサーバー・ネイティブGit連携などが使え、月50のAIクレジットが付きます。掲載5社の無料枠では最も狭く、チームで共有する段階で有料への切り替えが必要になります。
有料はSolo(月$9・年額課金)で、データ駆動テストや無制限プライベートNPMパッケージ、カスタムブランドのドキュメント、拡張API監視、月400AIクレジットが解放されます。ただしSoloも1ユーザー限定です。
2人目からはTeam(1ユーザー月額$19・年額課金・人数無制限)になります。1人で$9だったものが2人で$19×2=$38となり、$38 ÷ $9 = 4.22倍に跳ねる計算です。1人で始めて後から増やす想定なら、この段差を先に把握しておく必要があります。
Enterpriseは1ユーザー月額$49(年額課金)で、APIカタログ・プライベート/パートナーワークスペース・高度なRBAC・ガバナンス・監査ログ・インサイトを提供します。
モックサーバーは無料のFreeプランから利用でき、APIの実装が完成する前にクライアント側の開発を進められます。仕様だけ決めて実装を待つという待ち時間を減らせる点は、チーム開発における実務的な効果です。GitHub / GitLab / BitbucketとのネイティブGit連携、CI/CDツールとのPostman CLI/Newman経由の連携にも対応します。
よくある質問
開発支援ツールの料金相場はいくらですか?
掲載5社の料金公開率は100%(5/5)ですが、Jira以外の4社は米ドル建てのため当メディアでは円換算した相場を算出していません(Jiraだけは公式ページが日本円を表示します)。1ユーザーあたりの月額で見ると、GitHubのTeamが$4、Jiraのstandardが1,085円(月払い)、Postmanのteamが$19(年額課金)、GitLabのPremiumが$29(年額契約)です。CircleCIはユーザー単価ではなくPerformanceが月$15〜(30,000クレジット・5ユーザー込み、追加ユーザーは1人$15/月)です。米ドル建ての4社を10人チームで並べると$40・$90・$190・$290となり、最安と最高で7.25倍の差になります。
無料プランはどこまで使えますか?
掲載5社とも無料プランがあります(5/5社・100%)が、上限が違います。Postmanは1ユーザー、GitLabは5ライセンスユーザーまで(月400コンピュート分・10GiBストレージ)、CircleCIはアクティブユーザー5名まで(月30,000クレジット・30x並列・全実行環境)、Jiraは10ユーザーまで(2GBストレージ・月100回の自動化)です。GitHubのFreeは無制限のリポジトリと月2,000分のGitHub Actions・500MBパッケージが使えます。なおCircleCIの無料クレジットは毎月失効し繰り越しできません。
無料トライアルはありますか?
掲載5社のうち3社(60%)にあり、日数を公開している2社の平均は30日です。GitHubはEnterpriseプランに30日間の無料トライアルがあり、GitLabはPremium/Ultimateに約30日の無料トライアルを提供します。Jiraは有料プラン(Standard/Premium)に無料トライアルがありますが、日数は申込時に確認する形です。CircleCIとPostmanは期間限定のトライアルではなく、無料のFreeプランで試用する形になります。CircleCIのFreeはクレジットカード不要で月30,000クレジットが使えます。
課金はユーザー数で決まりますか?
掲載5社のうちGitHub・GitLab・Postman・Jiraの4社は1ユーザー単位の課金です。CircleCIだけが例外で、クレジット(実行時間ベース)と課金対象ユーザー数を組み合わせた体系です。Performanceは月$15に30,000クレジットと5ユーザーが含まれ、追加ユーザーは1人$15/月、追加クレジットは25,000クレジットあたり$15となります。5人なら1人あたり$3、10人なら$9、20人なら$12と、人数が増えるほど1人あたりが$15に近づく構造です。ビルドの実行時間が読めない段階では、クレジットの消費量を試算しておく必要があります。
GitHubとGitLabはどちらを選ぶべきですか?
扱う範囲と提供形態で分かれます。GitHubはソースコード管理・プルリクエストによるコードレビュー・Issues/Projectsでの課題管理・GitHub ActionsによるCI/CD・Codespacesによるクラウド開発環境を一体で提供し、1ユーザー月額$4のTeamから始められます。GitLabは計画・ソースコード管理・CI/CD・パッケージ管理・アプリケーションセキュリティテスト・監視までDevOpsライフサイクル全体を1つのアプリでカバーし、Premiumは1ユーザー月額$29(年額契約)です。GitLabはSaaS(GitLab.com)とセルフマネージド(オンプレ/プライベートクラウド)の両方を標準で提供する点が違いで、GitHubのセルフホストはGitHub Enterprise Serverで別途提供されます。
複数のツールを併用する必要がありますか?
役割が違うため、実務では重ねて使うのが一般的です。GitHubとGitLabは範囲が重なるため両方を使う理由は薄いものの、ソースコード管理にGitHub、CI/CDにCircleCI、APIの設計とテストにPostman、課題管理にJiraという組み合わせは成立します。GitHubのActionsやGitLabの内蔵CIで足りるならCircleCIは不要ですし、APIを扱わないチームにPostmanは要りません。GitHub・GitLab・Bitbucketとの連携はCircleCI・Postman・Jiraのいずれも対応しているため、後から足す前提で最小構成から始める進め方が取れます。
まとめ
開発支援ツールは、料金公開率100%・無料プラン提供率100%と、当メディアが扱ってきたカテゴリの中でも透明性が最も高い分野でした。そのぶん比較の焦点は金額そのものではなく、無料プランの天井がどこにあるかに移ります。
判断の順序は次のとおりです。
- 現在の人数と1年後の見込みを出す:無料の上限は1人(Postman)から10人(Jira)まで10倍の開きがある
- 課金の単位を確かめる:4社は1ユーザー単位、CircleCIだけがクレジット(実行時間)ベース
- 役割の重なりと空きを見る:GitHubとGitLabは範囲が重なる。後から足す前提で最小構成から始める
ソースコード管理とCI/CDを安く一体で始めるならGitHub(1ユーザー$4)、計画から監視まで1つにまとめセルフマネージドも視野に入れるならGitLab($29)、macOSやGPUを含む幅広い実行環境でCI/CDを回すならCircleCI(月$15〜)、APIの設計からテスト・監視まで扱うならPostman(Team $19)、10人以下でスクラムを運用するならJiraのFree、というのが基本の割り振りです。