後払い決済を比べるとき、表示されている決済手数料率だけを見ると実際の負担を大きく見誤ります。
掲載5社のうち3社は月商帯別の4プランを公開しており、率は2.7%から5.0%の範囲です。ところがこの率とは別に、1取引ごとの請求手数料がかかります。
| サービス | 請求手数料(1件あたり・税抜) |
|---|---|
| NP後払い | 請求書同梱124円/電子バーコード174円/封書252円(5万円以上は追加200円) |
| スコア後払い | 同梱118円/120円/別送210円/246円 |
| クロネコ代金後払い | スマホタイプ176円/ハガキタイプ233円/封書タイプ270円 |
これが効きます。NP後払いのプランB(率4.4%・月額固定費5,000円)で月商100万円を試算します。
| 平均単価 | 件数 | 請求書同梱124円 | 封書252円 |
|---|---|---|---|
| 20,000円 | 50件 | 55,200円(5.52%) | 61,600円(6.16%) |
| 5,000円 | 200件 | 73,800円(7.38%) | 99,400円(9.94%) |
| 2,000円 | 500件 | 111,000円(11.10%) | 175,000円(17.50%) |
表示料率4.4%が、平均単価2,000円・封書請求では実質17.50%。3.98倍です。
結論:実質料率・分岐点・保証の3点で絞る
先に結論を述べます。
1つめは、実質料率です。率だけで比べず、自社の平均単価と請求書の送り方を当てはめて計算してください。少額商材ほど跳ね上がります。
2つめは、プランの分岐点です。3社が月商帯別4プランを公開しており、切り替えの分岐点は計算できます(NP後払いなら約83万円・188万円・400万円)。
3つめは、保証と入金サイクルです。5社とも未回収を保証しますが、入金は最短5日(クロネコ)から翌月20日(ペイディ)まで開きます。
掲載5社の料金公開率は100%(open 3社・partial 2社)と、この分野は透明性が高い部類です。
後払い決済サービス(BNPL)とは
後払い決済サービス(BNPL)とは、購入者が商品を受け取ってから代金を支払える仕組みを、EC事業者に提供するサービスです。
購入者にとっては、カード情報を入力せずに買える、商品を確認してから払えるという利点があります。事業者にとっては、カードを持たない層や入力を面倒がる層を取り込めるため、カゴ落ちの防止につながります。
一方で、代金を後から回収する以上、未回収のリスクが発生します。BNPLの本質はここにあります。掲載5社はいずれも与信審査・請求書の発行・代金回収・督促を代行し、未回収が起きても加盟店には代金が支払われます。加盟店側に貸倒れの処理や督促の手間が残らないことが、後払いを自社で運用する場合との決定的な違いです。
料金は決済手数料率が中心ですが、1件ごとの請求手数料が別途かかる点が他の決済サービスと違います。カード決済なら手数料は率だけですが、後払いは請求書を発行して送る実費が発生するためです。
当メディアの調査では、「後払い決済」という検索キーワードの指数は直近25か月で28〜49の範囲を推移し、平均は36.7でした。最低は2024年8月の28、最高は2026年4月の49で、先頭32に対し末尾33とほぼ横ばいです。2025年8月の45、11月の42、2026年4月の49と単発の山はあるものの、全体としては30台後半で安定しています。決済手段として定着し、極端な増減がない段階に入ったと読み取れます。
選び方:5つの確認ポイント
1. 表示料率ではなく実質料率で比べる
冒頭の試算を、計算を明示して確かめます。NP後払いのプランB(決済手数料率4.4%・月額固定費5,000円)で月商100万円のケースです。
平均単価5,000円(月200件)・請求書同梱124円の場合は次のとおりです。
- 決済手数料:1,000,000円 × 4.4% = 44,000円
- 月額固定費:5,000円
- 請求手数料:124円 × 200件 = 24,800円
- 合計 73,800円 → 実質 7.38%(表示4.4%の 1.68倍)
平均単価2,000円(月500件)・封書252円の場合は次のとおりです。
- 決済手数料:44,000円
- 月額固定費:5,000円
- 請求手数料:252円 × 500件 = 126,000円
- 合計 175,000円 → 実質 17.50%(表示4.4%の 3.98倍)
請求手数料が決済手数料の2.9倍になっています。率だけで比べると、この構造がまったく見えません。
2. 平均単価が低い商材ほど実質料率が跳ね上がる
請求手数料は取引金額に関係なく1件ごとにかかります。したがって平均単価が実質料率を左右します。
同じ月商100万円・同じプラン(NP後払いB)で、平均単価だけを変えた比較です。
| 平均単価 | 件数 | 同梱124円 | 封書252円 |
|---|---|---|---|
| 20,000円 | 50件 | 5.52% | 6.16% |
| 5,000円 | 200件 | 7.38% | 9.94% |
| 2,000円 | 500件 | 11.10% | 17.50% |
同梱で2.01倍、封書で2.84倍の差が、平均単価だけで生まれます。
少額の商材を扱う事業ほど、後払いの実質コストが重くなるという構造です。単価の低い商材で後払いを入れる場合は、カゴ落ち防止で得られる売上増がこの負担を上回るかを検証してください。
逆に平均単価が高い商材では、実質料率が表示料率に近づきます。ペイディが分割手数料無料の3回あと払いや6回・12回あと払いを提供し、高額商品の売上向上(平均単価が最大8倍以上の事例)を訴求しているのは、この構造とも整合します。
3. 請求書の送り方で年間の負担が変わる
同じサービスでも送付方法で1件あたりの手数料が変わります。
NP後払い:請求書同梱124円/電子バーコード174円/封書252円(税抜)
- 同梱と封書の差は 128円
- 月500件なら1か月で 64,000円、年間 768,000円 の差
クロネコ代金後払い:スマホタイプ176円/ハガキタイプ233円/封書タイプ270円
- スマホと封書の差は 94円
- 月500件なら1か月で 47,000円、年間 564,000円 の差
スコア後払い:同梱118円/120円/別送210円/246円(税抜)
確認すべきは次の2点です。
- 商品に請求書を同梱できる商材か(同梱が最も安い)
- スマホや電子バーコードでの請求に移行できる顧客層か
クロネコ代金後払いのスマホタイプはコンビニ・銀行振込・クレジットカードなど複数決済に対応します。支払い手段が広がると支払い忘れが減り、督促の発生も抑えられます。
4. 月商帯別プランの分岐点を計算する
3社が月商帯別に4プランを公開しており、率が低いプランほど月額固定費が高くなる帯別設計です。
| NP後払い | スコア後払い | クロネコ代金後払い | |
|---|---|---|---|
| 最安率のプラン | 2.9%/月48,000円 | 2.7%/月45,700円 | 2.9%/月52,800円 |
| 3番目 | 3.6%/月20,000円 | 3.4%/月19,000円 | 3.6%/月22,000円 |
| 2番目 | 4.4%/月5,000円 | 4.2%/月4,700円 | 4.4%/月5,500円 |
| 月額0円のプラン | 5.0%/月0円 | 4.7%/月0円 | 5.0%/月0円 |
注目したいのは、NP後払いとクロネコ代金後払いの料率テーブルが5.0%/4.4%/3.6%/2.9%で完全に一致していることです。月額固定費も0円/5,000円/20,000円/48,000円と0円/5,500円/22,000円/52,800円で近く、この分野に標準的な水準があることがうかがえます。
スコア後払いは各段階で0.2〜0.3ポイント低く設定されています。
切り替えの分岐点は計算できます。
NP後払い
- こんな会社はおすすめ
- AB:5,000円 ÷(5.0% - 4.4%)= 約833,000円(公式目安 約92万円)
- BC:(20,000円 - 5,000円)÷(4.4% - 3.6%)= 1,875,000円(公式目安 約206万円)
- CD:(48,000円 - 20,000円)÷(3.6% - 2.9%)= 4,000,000円(公式目安 約440万円)
スコア後払い
- こんな会社はおすすめ
- AB:4,700円 ÷(4.7% - 4.2%)= 940,000円(公式目安 約100万円)
- BC:(19,000円 - 4,700円)÷(4.2% - 3.4%)= 約1,788,000円(公式目安 約200万円)
- CD:(45,700円 - 19,000円)÷(3.4% - 2.7%)= 約3,814,000円(公式目安 約400万円)
公式が示す目安は計算値より1割ほど高く設定されています。余裕をみた案内になっているため、分岐点を少し超えた程度なら切り替えの効果は限定的です。
なおNP後払いは料金プランを毎月変更できます。月商が季節で変動する事業では、繁忙期だけ率の低いプランに切り替える運用が取れます。
5. 保証の範囲と入金サイクルを確認する
掲載5社はいずれも未回収を保証しますが、仕組みと入金の速さが違います。
| サービス | 保証 | 入金サイクル |
|---|---|---|
| クロネコ代金後払い | ヤマト運輸が加盟店へ立替払い | 最短5日・標準3サイクル |
| スコア後払い | SCOREが未払いリスクを保証 | 毎週/月2回/月1回(第4金曜)/月末〆翌月払い |
| NP後払い | 代金を100%保証(立替) | 月1回または月2回 |
| ペイディ | 未回収リスクをPaidyが負担 | 月末締め・翌月20日払い(振込手数料550円税込) |
| atone | ネットプロテクションズが全額保証 | 公式に明示なし(要問い合わせ) |
後払いは購入から入金までにタイムラグが生じるため、資金繰りが課題になる事業者にとっては入金の速さと回数が重要です。
クロネコ代金後払いの最短5日とペイディの翌月20日払いでは、キャッシュフローへの影響がまったく違います。スコア後払いは選択肢が4種類と掲載5社で最も多く、毎週精算を選べる点は仕入れの回転が速い事業で効いてきます。
タイプ分類:3つの型
型1|月商帯別プラン型(NP後払い/スコア後払い/クロネコ代金後払い)
率と月額固定費のトレードオフを月商帯で選ぶ型です。3社とも4プランを公開し、月額0円のプラン(率4.7〜5.0%)から最安率のプラン(2.7〜2.9%・月額45,700〜52,800円)まで用意されています。NP後払いは2002年から提供する国内BNPLの草分けで料金プランを毎月変更でき、スコア後払いは全プランで率が0.2〜0.3ポイント低く精算サイクルが4種類、クロネコ代金後払いはヤマト運輸が立替払いし最短5日入金が可能です。
型2|固定費なし・率非公開型(ペイディ)
初期費用0円・月額費用0円で導入でき、決済手数料は個別連絡という型です。購入者はメールアドレスと携帯電話番号だけで買え、分割手数料無料の3回あと払いのほか6回・12回、Apple製品向け専用プランに対応します。高額商品の売上向上(平均単価が最大8倍以上の事例)を訴求し、導入は70万店舗以上を標榜します。入金は月末締め・翌月20日払いで、率が非公開のため見積りが前提になります。
型3|会員基盤型(atone)
会員制で購入者の入力を減らす型です。累計会員850万人超・累計取引6.5億件超を基盤とし、都度払い(会員登録不要)と月額後払い(ポイント付与)の2方式があります。加盟店には850万会員への販促キャンペーンやカゴ落ち防止を訴求し、導入例にQoo10・無印良品・GRLなどが挙がります。決済手数料2.5%〜と掲載5社で最も低い下限を公開し、月額費用0円のプランもありますが、上限や月商帯別の詳細料率は要問い合わせです。
独自データ:料金公開率100%、全社が未回収を保証
当メディアの調査で分かったことを整理します。
| 項目 | 掲載5社の結果 |
|---|---|
| 料金公開率 | 100%(5/5)(open 3社/partial 2社/closed 0社) |
| 月商帯別4プランを公開 | 3社(NP後払い・スコア後払い・クロネコ代金後払い) |
| 公開されている率の範囲 | 2.5%〜5.0% |
| 月額0円で始められる | 5社(100%) |
| 未回収を保証 | 5社(100%) |
| 無料プラン・無料トライアル | 0社(0%) |
未回収の保証は5社すべてが提供します。これはBNPLというサービスの前提であり、差がつくのは保証の有無ではなく料率と入金サイクルです。
無料トライアルが0社なのは決済サービスの性質によるものです。実際の取引を扱うため試用という概念が成り立ちません。ただし5社とも月額0円のプランや初期費用0円で始められるため、取扱高が読めない段階でも固定費なしで導入できます。
企業規模別の年間コストは、掲載5社とも従業員数に連動しないため算出していません。後払い決済で効くのは月商と平均単価です。
掲載5社の比較表
| サービス | 決済手数料率 | 月額固定費 | 請求手数料(1件) | 入金サイクル |
|---|---|---|---|---|
| atone | 2.5%〜(下限のみ) | 0円プランあり | 非公開 | 要問い合わせ |
| スコア後払い | 2.7〜4.7% | 0〜45,700円 | 同梱118円/120円・別送210円/246円 | 毎週〜月末〆翌月 |
| NP後払い | 2.9〜5.0% | 0〜48,000円 | 同梱124円・電子174円・封書252円 | 月1回または月2回 |
| クロネコ代金後払い | 2.9〜5.0% | 0〜52,800円 | スマホ176円・ハガキ233円・封書270円 | 最短5日 |
| ペイディ | 非公開(個別連絡) | 0円 | ―(振込手数料550円) | 月末締め翌月20日 |
無料プラン・無料トライアルは掲載5社とも該当がないため、表からは省いています。
各サービスの詳細
株式会社ネットプロテクションズが提供するBtoC向けのコンビニ後払い決済サービスです。同社は2000年1月設立、資本金1億円で、東京都千代田区麹町に本社を置きます。親会社の株式会社ネットプロテクションズホールディングスは東証プライム市場に上場しており、資本金は41億3,400万円(2024年3月時点)です。
2002年から後払い決済を提供する国内BNPLのリーディングカンパニーで、購入者は商品到着後にコンビニ・郵便局・銀行・LINE Pay等で代金を支払えます。加盟店に対しては与信審査、請求書の発行・送付、代金回収、入金管理、督促を代行し、未入金が発生しても代金を100%保証(立替)します。
料金は月商帯に応じた4つの基本プラン(A〜D)を公開しています。手数料率は債権買取手数料0.5%に変動システム利用料を足す構成で、内訳まで示されている点は掲載5社の中でも珍しい開示です。
| プラン | 合計率 | 固定システム利用料 | 公式目安 |
|---|---|---|---|
| A | 5.0% | 0円/月 | 下限なし |
| B | 4.4% | 5,000円/月 | 月商約92万円以上 |
| C | 3.6% | 20,000円/月 | 約206万円以上 |
| D | 2.9% | 48,000円/月 | 約440万円以上 |
分岐点は AからBが約833,000円、BからCが1,875,000円、CからDが4,000,000円です。公式目安は計算値より1割ほど高く設定されています。
これに成約サポート手数料(請求書同梱124円・電子バーコード174円・封書252円、いずれも税抜。5万円以上の取引は追加200円)が1取引ごとにかかります。同梱と封書の差は128円で、月500件なら年間768,000円の差です。
料金プランは毎月変更できます。月商が季節で変動する事業では、繁忙期だけ率の低いプランに切り替えて閑散期は月額0円のプランに戻す運用が取れます。初期導入費0円・月額固定費0円のプランAから始められ、精算は月1回または月2回から選べます。
株式会社SCOREが提供するBtoC向けの後払い決済サービス(サービス名「@払い」)です。同社は2018年9月設立(後払い決済事業の開始は2012年)、資本金1億円で、京都府京都市南区に本社を置きます。親会社は株式会社DGフィナンシャルテクノロジーで、デジタルガレージグループに属します。
購入者は商品到着後に全国のコンビニ(セブン-イレブン・ローソン・ファミリーマート等5.6万店以上)・郵便局・アプリ決済(楽天ペイ・d払い・FamiPay等)で代金を支払えます。掲載5社の中でアプリ決済への対応を明示している点が特徴で、コンビニに行かずに支払える選択肢があることは支払い忘れによる督促の発生を減らす方向に働きます。
料金は月商帯に応じた4プランを公開しています。
| プラン | 率 | 月額 | 公式目安 |
|---|---|---|---|
| A | 4.7% | 0円 | 月商約100万円未満 |
| B | 4.2% | 4,700円 | 約100万円以上 |
| C | 3.4% | 19,000円 | 約200万円以上 |
| D | 2.7% | 45,700円 | 約400万円以上 |
NP後払いとクロネコ代金後払いが5.0%/4.4%/3.6%/2.9%という同一のテーブルであるのに対し、スコア後払いは各段階で0.2〜0.3ポイント低く設定されています。最上位の2.7%は掲載5社で公開されている中で最も低い水準です。月商500万円なら5,000,000円×0.2%=10,000円、年間120,000円の差になります。
分岐点は AからBが940,000円、BからCが約1,788,000円、CからDが約3,814,000円です。
加盟店精算は毎週・月2回・月1回(第4金曜)・月末〆翌月払いから選べます。掲載5社の中で選択肢が最も多く、毎週精算を選べる点は仕入れの回転が速い事業で効いてきます。
払込票発行手数料は同梱118円/120円・別送210円/246円(税抜)です。与信審査・請求書発行・代金回収を代行し、未払いリスクをSCOREが保証します。自社コールセンターとサポートチームを備えています。
ヤマトグループの金融会社であるヤマトクレジットファイナンス株式会社が提供するBtoC向けの後払い決済サービスです。同社は1974年8月設立、資本金5億円、従業員214名(2025年6月現在)で、東京都豊島区高田に本社を置きます。株主はヤマトホールディングス・ヒューリック・みずほ銀行の3社で、ヤマトホールディングスは東証プライム市場に上場しています(証券コード9064)。
ヤマト運輸が加盟店に商品代金を立替払いし、購入者へ代理で請求・回収を行い、未回収リスクを保証します。配送と決済を同じグループにまとめられる構造です。
最短5日での入金が可能で、標準3サイクルを用意しています。掲載5社の中で入金の速さを明示しているのは同社で、月末締め・翌月20日払いのペイディと比べるとキャッシュフローへの影響が大きく違います。
料金は取扱件数・金額に応じた4プランを公開しています。
| プラン | 率 | 月額 |
|---|---|---|
| A | 2.9% | 52,800円 |
| B | 3.6% | 22,000円 |
| C | 4.4% | 5,500円 |
| D | 5.0% | 0円 |
いずれも初期費用は無料です。この5.0%/4.4%/3.6%/2.9%という料率テーブルはNP後払いと完全に一致しており、月額固定費もNP後払いの0円/5,000円/20,000円/48,000円に近い水準です。この分野に標準的な料率があることがうかがえます。
分岐点は DからCが約917,000円、CからBが約2,063,000円、BからAが4,400,000円です。月額固定費がNP後払いよりやや高いぶん、分岐点も高くなります。
払込票は封書・ハガキ・スマホの3タイプがあり、請求手数料はスマホタイプ176円・ハガキタイプ233円・封書タイプ270円です。スマホと封書の差は94円で、月500件なら年間564,000円の差になります。スマホタイプはコンビニ・銀行振込・クレジットカードなど複数決済に対応するため、購入者の支払い手段も広がります。
2021年にPayPal Holdingsが買収したPaidy合同会社(旧・株式会社Paidy)が提供するBtoC向けのあと払い決済サービスです。2008年3月13日設立、東京都港区赤坂のミッドタウン・タワーに本社を置き、従業員は208名です。
購入者の使い勝手が掲載5社の中で特徴的です。クレジットカード番号や事前登録なしに、メールアドレスと携帯電話番号だけで買い物ができ、翌月にコンビニ・銀行振込・口座振替でまとめて支払えます。入力項目が少ないことは、購入手続きの途中で離脱する割合に直結します。
分割手数料無料の3回あと払いに加え、6回・12回のあと払いにも対応し、Apple製品向けの専用プランも用意しています。掲載5社のうち分割回数を選べることを明示しているのは同社です。
高額商品でも分割で買えるようにすることで購入の心理的な障壁を下げる設計で、プロダクトページに実装できるウィジェットツールを提供し、平均単価が最大8倍以上になった事例を訴求しています。前述のとおり後払いは平均単価が高いほど実質料率が表示料率に近づくため、この方向性は料金構造とも整合します。
加盟店向けには初期費用0円・月額費用0円で導入できることを公式に公開していますが、決済手数料は加盟店ごとに個別連絡(要問い合わせ)としています。参考として第三者記事では一括3.5%・3回4.5%・6回5.5%・12回6.5%との記載がありますが、公式公開値ではないため公式未確認の参考値として扱ってください。
入金サイクルは月末締め・翌月20日払いで、加盟店手数料と決済手数料を差し引いて振り込まれ、振込手数料は550円(税込)です。導入は70万店舗以上を標榜しており、掲載5社の中で導入規模の公表値が最も大きい製品です。加盟店手数料が1〜3か月無料になるキャンペーンが実施される場合があります。
株式会社ネットプロテクションズが提供する会員制のBtoC向け後払い決済サービスです。同社は2000年1月設立、資本金1億円で東京都千代田区麹町に本社を置き、親会社の株式会社ネットプロテクションズホールディングスは東証プライム市場に上場しています。
同じネットプロテクションズが提供するNP後払いとの違いは、会員制である点です。累計会員850万人超・累計取引6.5億件超を基盤とし、購入者はカードレスで翌月まとめて後払いできます。
方式は2つあります。都度払い(会員登録不要)と月額後払い(買い物ごとにポイントが貯まり銀行振込にも対応)です。会員登録を求めずに使える都度払いがあることで初回の購入者にも後払いを提示でき、月額後払いはポイントが貯まるため繰り返し購入する顧客の定着につながります。
加盟店にとっては、850万会員に向けた販促キャンペーンやカゴ落ち防止が訴求点です。既に会員である購入者は決済時の入力が少なく済むため、購入手続きの途中で離脱する割合を下げる方向に働きます。導入例としてQoo10・無印良品・GRLなどが挙げられています。
料金は公式に決済手数料率の下限2.5%と月額費用0円のプランがあることを公開しています。掲載5社で率を公開している中では最も低い数字で、スコア後払いの最上位2.7%、NP後払いとクロネコ代金後払いの2.9%を下回ります。ただし公開されているのは下限のみで、上限や月商帯別の詳細料率は要問い合わせです。実際に2.5%が適用される条件は見積りで確認する必要があります。
連携済みのASPカート・ECパッケージ・受注管理システムを使う加盟店は、導入時の開発が不要または工数を軽減でき、初期費用もかかりません。未回収はネットプロテクションズが全額保証します。入金サイクルは公式に明示がなく要問い合わせです。
よくある質問
後払い決済サービスの料金相場はいくらですか?
掲載5社の料金公開率は100%(open 3社・partial 2社)です。決済手数料率を月商帯別に公開している3社で見ると、NP後払いが2.9〜5.0%(月額固定費0〜48,000円)、スコア後払いが2.7〜4.7%(月額0〜45,700円)、クロネコ代金後払いが2.9〜5.0%(月額0〜52,800円)です。atoneは2.5%〜と下限のみを公開し月額0円のプランがあります。ペイディは初期費用0円・月額費用0円を公開していますが決済手数料率は個別連絡(要問い合わせ)です。ただしこれらの率とは別に1取引ごとの請求手数料がかかるため、実際の負担は率より高くなります。
決済手数料率のほかに費用はかかりますか?
1取引ごとの請求手数料がかかります。NP後払いは請求書同梱124円・電子バーコード174円・封書252円(いずれも税抜、5万円以上の取引は追加200円)、スコア後払いは同梱118円/120円・別送210円/246円(税抜)、クロネコ代金後払いはスマホタイプ176円・ハガキタイプ233円・封書タイプ270円です。ペイディは入金時に振込手数料550円(税込)が差し引かれます。取引金額に関係なく1件ごとにかかるため、平均単価が低い商材ほど実質の料率が上がります。
実質の料率はどのくらいになりますか?
自社の平均単価と請求書の送り方で決まります。NP後払いのプランB(決済手数料率4.4%・月額固定費5,000円)で月商100万円を試算すると、平均単価20,000円(月50件)なら請求書同梱124円で合計55,200円・実質5.52%、平均単価5,000円(月200件)で73,800円・実質7.38%、平均単価2,000円(月500件)で111,000円・実質11.10%になります。封書252円で送る場合は平均単価2,000円で175,000円・実質17.50%となり、表示料率4.4%の3.98倍です。率だけで比べず、自社の件数を当てはめて計算してください。
月商が増えたらプランを変えるべきですか?
分岐点を超えたら変えたほうが安くなります。NP後払いはプランAからBが 5,000円÷(5.0%-4.4%)=約833,000円、BからCが(20,000円-5,000円)÷(4.4%-3.6%)=1,875,000円、CからDが(48,000円-20,000円)÷(3.6%-2.9%)=4,000,000円が分岐点です。公式の目安は92万円・206万円・440万円と計算値より1割ほど高く設定されています。スコア後払いはAからBが940,000円、BからCが約1,788,000円、CからDが約3,814,000円、クロネコ代金後払いはDからCが約917,000円、CからBが約2,063,000円、BからAが4,400,000円です。NP後払いは料金プランを毎月変更できます。
未回収のリスクはどうなりますか?
掲載5社はいずれも保証します。NP後払いは未入金が発生しても代金を100%保証(立替)し、atoneも未回収をネットプロテクションズが全額保証します。スコア後払いは与信審査・請求書発行・代金回収をSCOREが行い未払いリスクを保証します。クロネコ代金後払いはヤマト運輸が加盟店へ立替払いし購入者へ代理で請求・回収します。ペイディは未回収リスクをPaidyが負担し、加盟店は購入者の未払いによらず入金を受け取れます。加盟店側で督促や貸倒れの処理をする必要がない点は5社に共通します。
入金までどのくらいかかりますか?
サービスによって選択肢が異なります。クロネコ代金後払いは最短5日での入金が可能で標準3サイクルを用意しています。スコア後払いは毎週・月2回・月1回(第4金曜)・月末〆翌月払いから選べ、掲載5社の中で選択肢が最も多い構成です。NP後払いは月1回または月2回から選べます。ペイディは月末締め・翌月20日払いで、加盟店手数料と決済手数料を差し引いて振り込まれ、振込手数料は550円(税込)です。atoneは公式に明示がなく要問い合わせです。資金繰りを重視するなら、入金の速さと回数を比較してください。
まとめ
後払い決済サービスは、表示されている決済手数料率だけでは実際の負担が分からないカテゴリでした。1件ごとの請求手数料が乗るため、NP後払いのプランBで月商100万円・平均単価2,000円・封書請求なら、表示4.4%が実質17.50%(3.98倍)になります。
判断の順序は次のとおりです。
- 自社の平均単価と件数を出す:少額商材ほど実質料率が跳ね上がる(同梱で2.01倍、封書で2.84倍の差)
- 請求書の送り方を決める:同梱・電子・スマホが安く、封書が最も高い(年間で50万〜77万円の差)
- 月商から分岐点を計算する:NP後払いなら約83万円・188万円・400万円
月商帯別プランで率と固定費を選ぶならNP後払い(プランを毎月変更可)、率の低さと精算の柔軟さを取るならスコア後払い(2.7%〜・毎週精算可)、入金の速さと配送との一体運用ならクロネコ代金後払い(最短5日)、高額商品を分割で売りたいならペイディ(3・6・12回/初期・月額0円)、会員基盤を使った販促まで狙うならatone(850万会員・2.5%〜)、というのが基本の割り振りです。