アプリ開発ツールの料金表は、金額を横に並べても比べたことになりません。同じ「月額」という言葉を使いながら、何に対して払うかが製品ごとに違うからです。
分かれ目は、課金の対象がアプリを使う人なのかアプリを作る人なのかという点にあります。
| サービス | 何の数でプランの上限が決まるか |
|---|---|
| Platio | 利用ユーザー数(100/200/500/1,000) |
| Monaca | 開発者の人数(アプリの配布数による追加料金なし) |
| Adalo | 公開アプリ数とエディター数(1・2・5/1・5・10) |
| FlutterFlow | 組織単位のBasicまで、Growth以上は開発者シート数 |
| Yappli | 非公開(個社見積り) |
掲載5社で利用者の人数によって金額が動くのはPlatioだけです。
結論:課金の対象・人数の伸び方・持ち出しやすさの3点で絞る
先に結論を述べます。
1つめは、課金の対象です。社内で何人が使うのか、何人が作るのかを分けて数えてから料金表を見てください。この2つを混ぜると、総額の見積りがそのまま外れます。
2つめは、人数の伸び方です。Platioの最安プランは月額27,000円(税別)に利用者10人を含むため1人あたり2,700円ですが、11人目からの追加は10ユーザーあたり3,000〜5,000円、1人あたり300〜500円です。同じ1ユーザーでも5.4〜9.0倍の開きがあります。
3つめは、持ち出しやすさです。掲載5社で実際のFlutterコードを出力できるのはFlutterFlowだけで、あとから自社や外部の開発体制へ引き継ぐ余地が残ります。
掲載5社の料金公開率は80%(4/5)、無料プランは3社(60%)、無料トライアルも3社(60%・日数公開2社の平均22日)でした。
導入目的別の早見表は次のとおりです。
- こんな会社はおすすめ
- 現場の点検・日報アプリを数十本まとめて作りたいPlatio(テンプレート100種類以上・ミニアプリ200本)
- 社内にWebエンジニアがいて、使う人が増えても月額を動かしたくないMonaca(開発者1人2,000円・配布数は無料)
- ブランドアプリを制作から運用・分析までまとめて任せたいYappli(導入約900アプリ・継続率99%)
- アプリ1本を、使い込んでも月額が変わらない形で公開したいAdalo(従量・トークン課金なし・年払い月$36)
- あとから自社の開発体制へ引き継げるようにしたいFlutterFlow(実Flutterコードを出力)
アプリ開発ツールとは
アプリ開発ツールとは、プログラミングの記述量を抑えてスマートフォンアプリや業務アプリを作成し、配信・運用まで行えるクラウドサービスです。
大きく2つの系統に分かれます。
ノーコードは、コードを一切書かずに画面や処理を組み立てる方式です。掲載5社ではPlatio、Yappli、Adaloが該当し、事業部門の担当者が自分で作って運用まで担えます。
ローコードは、基本部分をビジュアルで作りつつ必要な箇所にコードを書き足す方式です。FlutterFlowはGoogleのFlutter、MonacaはHTML5のハイブリッド開発を使っており、作る人にプログラミングの知識が要る代わりに、作り込みの自由度が上がります。
配信先も選択の軸になります。アプリストアの審査を通して一般に公開するのか、社内へ直接配信するのかで候補が変わります。Platioは審査を経ずに社内配信でき、電波の届かない場所でもオフラインで使えます。
当メディアの調査では、「アプリ開発」という検索キーワードの指数は直近25か月で62〜85の範囲を推移し、平均は73.6でした。最高は2024年9月の85、最低は2025年12月の62で、先頭80に対し末尾71と9ポイント下げています。2025年後半に66〜69まで落ち込んだあと2026年6月には76まで戻しており、話題の増減というより社内でアプリを作る需要が一定量で続いている動きです。なお「アプリ開発ツール」は週次262点のうち200点(76%)が0のため、上位語の「アプリ開発」を採用しました。
選び方:5つの確認ポイント
1. 課金の対象が「使う人」か「作る人」かを確かめる
同じ月額表示でも、数えている対象が違えば総額は逆転します。
Platioは企業単位の定額ですが、プランの境目を決めているのは利用ユーザー数の上限で、Lite 100/Basic 200/Premium 500/Enterprise 1,000という段階があります。使う人が増えるほど上のプランが必要になります。
Monacaが数えるのは開発者の人数です。公式にアプリの配布数による追加料金はなしと示されているため、完成したアプリを何人が使っても月額は変わりません。
Adaloは公開アプリ数(1・2・5)とApp Editor数(1・5・10)、FlutterFlowはGrowth以上で開発者シート数が上限を決めます。いずれも作り手の側です。
2. 「100人が使うアプリ1本」で並べ直す
課金の対象が違うので、同じ条件を当てはめて比べます。100人が使うアプリを1本動かすという条件で試算します。
- Monaca(開発者3人・Proプラン):2,000円 × 3人 × 12ヶ月 = 年間72,000円
- Platio(Liteで利用者を100人まで拡張):27,000円 + 追加90人分(10ユーザー単位で9口 × 3,000〜5,000円)= 月額54,000〜72,000円 = 年間648,000〜864,000円
- 648,000円 ÷ 72,000円 = 9.0倍/864,000円 ÷ 72,000円 = 12.0倍
同じ条件で9.0〜12.0倍の開きが出ます。ただしMonacaの側にはコードを書ける人が要ります。この差は機能の優劣ではなく、作る手間を社内で持つか製品側に預けるかの差だと考えたほうが実態に近くなります。
3. 利用者を増やしたときのプランの境目を先に計算する
利用者課金の製品は、上限に近づくほど1つ上のプランとの差が縮みます。
PlatioのLiteは月額27,000円で利用者の拡張上限が100人、Basicは月額57,000円で上限200人・保存容量50GB(Liteは10GB)です。
- Lite(10人):27,000円 → 1人あたり2,700円
- Lite(50人):27,000円 + 4口 × 3,000〜5,000円 = 39,000〜47,000円
- Lite(100人):27,000円 + 9口 × 3,000〜5,000円 = 54,000〜72,000円
Liteで上限の100人まで伸ばすと、上限200人・容量5倍のBasic(57,000円)と金額が重なります。導入初年度の人数ではなく2〜3年後に何人が使うかで計算しておくと、途中でプランを組み直す手間を減らせます。
4. クレジット制か定額かで、使い込んだときの支払いが変わる
AI機能の利用量に上限を置く製品が増えています。
FlutterFlowはLiteクレジット制で、Freeが10、Basicが月100、Growthが1席あたり月200、Businessが1席あたり月400という配分です。AIリクエストにも生涯5回から月500回までの段階があります。
対してAdaloは公式の料金ページで従量・トークン課金なしを全プランで明示しており、使い込んでも月額が動きません。
試作の段階では差が出にくいため、日常的に使う量で見積もってください。
5. 作ったものを外へ持ち出せるかを確認する
ノーコードで作ったアプリは、その製品を解約すると動かなくなるのが普通です。
掲載5社ではFlutterFlowが実際のFlutterコードを出力できるため、あとから自社の開発チームや外部のベンダーへ引き継ぐ余地が残ります。長く使う想定なら、この持ち出しやすさは月額の数千円差より効いてくることがあります。
逆にPlatioのように現場の業務アプリを速く量産する用途では、持ち出しよりもテンプレートの数と運用の手軽さを優先したほうが目的に合います。数年単位で使う予定なら、契約前にデータの書き出し方法まで確認しておいてください。
タイプ分類:3つの型
使う人の数でプランの上限が決まる。現場へ広く配る業務アプリ向け
開発者やエディターの数で決まる。使う人が増えても月額が動かない
規模と機能に応じた見積り。金額が出ないぶん実績で判断する
型1|利用者課金型(Platio)
企業単位の定額でありながら、プランの境目を利用ユーザー数が決める型です。Lite 27,000円/Basic 57,000円/Premium 97,000円/Enterprise 210,000円(いずれも税別・保守料込み・初期費用0円)で、拡張上限が100/200/500/1,000と上がります。各プランとも標準10ユーザーとミニアプリ200本を含み、追加は10ユーザーあたり3,000〜5,000円。100種類以上の業務テンプレートから作れ、アプリストアの審査を経ずに社内配信でき、オフラインでも使えます。提供元のアステリアは東証プライム上場(証券コード3853)です。
型2|作り手課金型(Monaca/Adalo/FlutterFlow)
作る側の人数やアプリ数で金額が決まる型です。Monacaは開発者1ユーザー月額2,000円(税抜)で、アプリの配布数による追加料金がありません。Adaloは組織単位の月額(年払い月$36〜)に公開アプリ数1・2・5とApp Editor数1・5・10の上限が付き、従量・トークン課金なしを明示しています。FlutterFlowはBasic(月$39)まで組織単位、Growth以上は開発者シート単位で1席目$80・2席目$55と単価が変わります。3社とも無料プランが常設です。
型3|個社見積り型(Yappli)
料金を公開せず、導入規模と機能に応じて個社別に見積もる型です。完全ノーコードでネイティブアプリを制作し、公開後の更新・配信・分析まで同じ管理画面で回せます。導入約900アプリ・継続率99%、Yappliで作られたアプリは累計2億ダウンロードに到達。デロイト トーマツ ミック経済研究所の調査で完全ノーコードプラットフォームソリューション全体のシェアが2021〜2025年度No.1とされています。東証グロース上場(証券コード4168)です。
独自データ:料金公開率80%、利用者課金は1社だけ
当メディアの調査で分かったことを整理します。
| 項目 | 掲載5社の結果 |
|---|---|
| 料金公開率 | 80%(4/5)(open 4社/closed 1社) |
| 利用者数でプランの上限が動く | 1社(Platio) |
| 無料プランあり | 3社(60%)(Monaca/Adalo/FlutterFlow) |
| 無料トライアルあり | 3社(60%)(日数公開2社の平均22日) |
| 実際のソースコードを出力できる | 1社(FlutterFlow) |
| 初期費用0円と明記 | 1社(Platio) |
1ユーザー単価で比べられる製品は1社しかありません。掲載5社のうち1ユーザーあたりの月額を公開しているのはMonacaの2,000円(税抜)だけで、Platio・Adalo・FlutterFlowは契約単位の定額、Yappliは非公開です。このカテゴリで「1人あたりいくら」の相場は成立しません。
従業員数別の年間コストは次のとおりです。金額を公開している2社で並べます。
| 従業員数 | Monaca(Pro) | Platio(Lite) |
|---|---|---|
| 10名 | 240,000円 | 324,000円 |
| 50名 | 1,200,000円 | 324,000円 |
| 100名 | 2,400,000円 | 324,000円 |
100名では7.41倍(2,400,000円 ÷ 324,000円)の差がつき、逆転点は 324,000円 ÷ 24,000円 = 13.5人、つまり14人目です。
ただしこの表は「従業員全員が課金対象になる」と仮定した機械的な並べ方です。Monacaが数えるのは開発者だけなので、実際に開発する人が3人なら年間72,000円で、100人が使っても変わりません。逆にPlatioは利用者を100人まで増やすと年間648,000〜864,000円になります。同じ100人でも、どちらの人数を数えるかで立場が入れ替わります。
掲載5社の比較表
| サービス | 課金の対象 | 最安の有料プラン | 上限の決まり方 | 無料プラン | コード出力 |
|---|---|---|---|---|---|
| Platio | 利用ユーザー数 | 月27,000円(税別・10人込み) | 利用者100/200/500/1,000 | なし(1ヶ月トライアル) | ― |
| Monaca | 開発者1人 | 月2,000円/人(税抜) | 開発者の人数のみ | あり | ― |
| Yappli | 非公開 | 個社見積り | 非公開 | なし | ― |
| Adalo | 組織+公開アプリ数 | 月$36(年払い) | 公開アプリ1・2・5/編集者1・5・10 | あり | ― |
| FlutterFlow | 組織→開発者シート | 月$39(月払い) | Growth以上はシート数+クレジット | あり | Flutterコード |
AdaloとFlutterFlowの金額はUSD建てです。初期費用はPlatioが0円と明記、AdaloとFlutterFlowは記載なし、Monacaは料金ページに明記なし、Yappliは要問い合わせのため列にしていません。
各サービスの詳細
アステリア株式会社が提供するノーコードのモバイルアプリ作成ツールです。同社は1998年9月設立、資本金約22.8億円で、東京都渋谷区広尾に本社を置き、東京証券取引所プライム市場に上場しています(証券コード3853)。データ連携ミドルウェアのASTERIA Warpなども手がけます。
料金は企業単位の月額で、Lite 27,000円/Basic 57,000円/Premium 97,000円/Enterprise 210,000円の4プラン構成です。いずれも税別で保守料金を含み、初期費用は0円。サーバーの構築費やアプリの登録費もかかりません。なおLiteはもともとStandardという名称で、機能と価格を変えずに改称されたものです。Basicは公式の料金ページにNEWと表示される新設プランです。
プランの境目を決めているのは利用ユーザー数の上限です。各プランとも標準で10ユーザーとミニアプリ200本を含み、拡張の上限がLite 100/Basic 200/Premium 500/Enterprise 1,000と段階的に上がります。保存データ容量も10GB/50GB/100GB(1TBまで拡張可)/3TBと差がつきます。
追加ユーザーは10ユーザーあたり3,000〜5,000円で、合計ユーザー数に応じたボリュームディスカウントが適用されます。人数で割ると次のようになります。
| 利用者数 | 月額 | 1人あたり |
|---|---|---|
| 10人(標準) | 27,000円 | 2,700円 |
| 50人 | 39,000〜47,000円 | 780〜940円 |
| 100人(Lite上限) | 54,000〜72,000円 | 540〜720円 |
標準の10ユーザーは1人2,700円ですが、追加分は1人300〜500円です。同じ1ユーザーでも5.4〜9.0倍の開きがあり、人数が増えるほど1人あたりの負担は下がります。
ここからLiteの上限とBasicが重なる点が見えてきます。Liteで利用者を100人まで拡張すると月額54,000〜72,000円になり、上限200人・保存容量50GBのBasic(57,000円)とほぼ同じ水準です。Liteを上限近くまで引っ張るくらいなら、Basicのほうが条件が良くなる場面があります。
作る側のStudioユーザーは各プラン標準で10人で、Premiumは50人、Enterpriseは100人まで拡張できます。追加は1ユーザー月額2,000円で、1人足すと作成できるミニアプリの枠も5本増えます。Premiumでの容量追加は1TBあたり月額60,000円です。
100種類以上の業務テンプレートから点検記録・日報・在庫確認といったアプリを組み立てられ、アプリストアの審査を経ずに社内へ配信でき、電波の届かない倉庫や屋外でもオフラインで利用できます。社内システムとの連携はPlatio Connectで拡張します。1ヶ月の無料トライアルで100種類以上のテンプレートを試せます。SAML認証・Studio権限管理・管理APIはEnterpriseのみの機能です。
アシアル株式会社が提供するハイブリッドアプリの開発環境です。同社は2002年7月2日設立、資本金1,000万円、従業員43名(2024年12月時点)の企業で、東京都文京区後楽に本社を置きます。
課金の対象が開発者だけという点が、このカテゴリでの立ち位置を決めています。公式にアプリの配布数による追加料金はなしと示されているため、完成したアプリを社内の何人が使っても月額は変わりません。開発者3人がProプランを使えば月額6,000円・年間72,000円で、利用者が10人でも1,000人でも同額です。
料金は開発者1ユーザーあたりの月額で、次の構成です。
| プラン | 1ユーザー月額(税抜) | 基本料(月・税抜) |
|---|---|---|
| Free | 0円 | ― |
| Pro | 2,000円 | ― |
| Business | 5,000円 | 2,000円 |
| Enterprise | 10,000円 | 50,000円 |
BusinessとEnterpriseは人数分の単価とは別に月額の基本料がかかるため、少人数ほどProとの差が開きます。年払い割引の記載はありません。
開発はブラウザ上のクラウドIDEで行い、ビルドもクラウド側で実行します。iOSアプリのビルドにMacを用意する必要がなく、Windows環境からでもiOS向けのアプリを作れます。HTML・CSS・JavaScriptで1つのコードを書いてiOSとAndroidの両方に出力するため、社内にWebエンジニアがいる組織では立ち上がりが速くなります。
無料トライアルは14日間で、有料プラン相当の機能を試せます(リリースビルドとサポートチケットは対象外)。期間が終わった時点で支払い方法が未設定であれば自動的にFreeプランへ移行するため、意図しない課金は発生しません。機能制限つきの無料Freeプランも常設されています。
オプションはエンタープライズプラグインが1種あたり年額90,000円(1アプリ単位)で、Businessはアプリごとに買い足す形、Enterpriseは無制限に利用できます。サポートチケットは1枚10,000円、10枚100,000円、50枚450,000円、100枚800,000円で、50枚以上でまとめると1枚あたり9,000円・8,000円まで下がります。請求書払いはBusinessが6ヶ月または年額のみ、Enterpriseは1ヶ月単位です。
株式会社ヤプリが提供する完全ノーコードのアプリプラットフォームです。同社は2013年4月設立、資本金13億5,800万円(資本準備金を含む・2024年3月時点)で、東京都港区六本木に本社を置き、2020年12月に東京証券取引所グロース市場へ上場しています(証券コード4168)。
料金は非公開です。初期費用も月額も導入規模と必要な機能に応じた個社別の見積りで、掲載5社のなかで料金非公開はYappliの1社だけです。金額が出ていないぶん、比較では実績と運用範囲が判断材料になります。
実績としては導入約900アプリ・継続率99%を公表しています。Yappliで作られたアプリの累計ダウンロード数は2億に到達しました。またデロイト トーマツ ミック経済研究所の『ローコード/ノーコードプラットフォームソリューション市場動向 2025年度版』(2025年6月刊)において、完全ノーコードプラットフォームソリューション全体のベンダー売上・シェア推移で2021〜2025年度のNo.1とされています。5年連続で首位という第三者調査の結果です。
製品としての特徴は、制作だけでなく運用まで同じ管理画面で回せる点にあります。コードを書かずにiOS・Android向けのネイティブアプリを制作し、公開後のコンテンツ更新、プッシュ配信、利用状況の分析までを担当者が行えます。更新のたびに開発会社へ依頼する必要がないため、制作費用とは別にかかる運用の外注費を抑えられます。総額を比べるときに見落としやすい部分です。
近年は提供範囲を広げており、Web構築のYappli WebX、社内エンゲージメント向けのUNITE by Yappli、アプリ申請を代行するApp Support by Yappliに加え、2026年2月にはYappli MobileOrderとLINEミニアプリ開発プラットフォームのYappli MiniAppを展開しています。アプリ単体で終わらせず顧客接点をまとめて設計したい場合に選択肢が広がります。
見積りを取るときは初期費用と月額を分けて提示してもらい、公開されている他社の年額と同じ土俵に置いて判断してください。無料プランと無料トライアルはいずれも用意がなく、資料請求や問い合わせから入る形です。
米国ミズーリ州セントルイスに拠点を置く企業が提供するノーコードのアプリビルダーです。2018年創業の非上場企業で、代表者や従業員数は公開されていません(創業年や所在地は第三者情報です)。画面をキャンバス上に並べて画面遷移やデータの流れをつなぐ形で作り、App Store・Google Play・Webのいずれにも公開できます。
料金は組織単位の月額で、年払いを選ぶと20%オフと公式に明記されています。
| プラン | 年払い(月あたり) | 月払い | 公開アプリ | App Editor |
|---|---|---|---|---|
| Free | $0 | $0 | 0本 | 1人 |
| Starter | $36 | $45 | 1本 | 1人 |
| Professional | $52 | $65 | 2本 | 5人 |
| Team | $160 | $200 | 5本 | 10人 |
プランを分けているのは公開できるアプリの本数とApp Editorの人数です。2本目を公開する時点でStarterからProfessionalへ上げる必要があり、年払いなら月$36から$52へ1.44倍になります。
1本あたりに直すと見え方が変わります。Starterが$36、Professionalが$26、Teamが$32で、Professionalが最も低く、Starterとは1.38倍の差があります。Teamが1本あたりで上がるのは、エディター10人や優先サポートなどアプリ数以外の条件が乗るためです。
このカテゴリで目立つのは、公式が従量・トークン課金なしを全プランで示している点です。AI機能の利用量に応じてクレジットを消費する製品が増えるなかで、使い込んでも月額が動かない設計を選んでいます。月ごとの支払いを一定にしたい場合や、社内の利用量を細かく管理する手間を避けたい場合に向きます。
無料のFreeプランはクレジットカードの登録なしで始められます。テストアプリは無制限に作れ、1アプリあたり500レコードまでデータを扱え、Ada AIアシスタント(Beta)も利用できます。公開アプリは0本なので、実際に配信する段階でStarter以上へ移る形です。
Starter以上ではApp Storeへの自動公開に対応し、Adaloのブランド表示を外せます。Professionalではカスタム連携・プッシュ通知・アプリ分析が加わります。ストレージはチーム単位で5GB/25GB/125GBです。既存事業者向けにAdalo Blueという別ラインも用意されています。
米国カリフォルニア州マウンテンビューに拠点を置く企業が提供するローコードのアプリ開発プラットフォームです。2020年創業の非上場企業で、Y CombinatorやGoogle Venturesなどから出資を受けています(創業年や出資は第三者情報です)。
掲載5社で実際のソースコードを出力できるのは同社だけです。GoogleのFlutterを使っており、ドラッグ&ドロップで組み立てた内容を、そのまま動くFlutterのコードとして持ち出せます。あとから自社の開発チームや外部のベンダーへ引き継ぐ余地が残るため、数年単位で使う予定なら月額の差以上にこの点が効いてくることがあります。
料金は次の構成です(USD建て・2026年8月時点の公式料金ページで月払いの表示を確認)。
| プラン | 月額 | Liteクレジット | AIリクエスト |
|---|---|---|---|
| Free | $0 | 10 | 生涯5回 |
| Basic | $39(組織単位) | 月100 | 月50回 |
| Growth | 1席目$80・2席目$55 | 月200/席 | 月200回 |
| Business | 1席目$150・2〜5席$85 | 月400/席 | 月500回 |
Basicまでは組織単位の定額で人数が増えても月額は変わりませんが、Growth以上は開発者のシート単位に切り替わります。同じ製品のなかで課金の考え方が途中で変わるため、何人で作るかを決めてからプランを選んでください。
席数で割ると実際の負担が見えます。Growthを2席で使うと合計月$135で1席あたり$67.5、Businessを5席で使うと合計月$490で1席あたり$98です。人数が増えるほど1席あたりは下がりますが、Basicの$39と比べると1席目の単価が大きく上がります。
もう一つの軸がLiteクレジット制です。定額で使い放題という形ではないため、試作の段階ではなく日常的に使う量で見積もる必要があります。AIリクエストもFreeは生涯5回にとどまるため、AI機能を本格的に使う想定なら有料プランが前提になります。
iOS・Android・Webの3つに同じプロジェクトから対応でき、バックエンドはFirebase連携が標準で用意されています。認証やデータベースを別途組む手間を減らせます。無料のFreeプランが常設され、有料プランには無料トライアルがあります(日数は公開されていません)。
よくある質問
アプリ開発ツールの料金相場はいくらですか?
1ユーザーあたりの相場は成立しません。掲載5社のうち1ユーザー単価を公開しているのはMonacaの月額2,000円(税抜)だけで、Platioは企業単位で月額27,000円(税別・利用者10人込み)、Adaloは月$36(年払い・USD建て)、FlutterFlowは月$39(月払い・USD建て)と契約単位の定額です。Yappliは非公開で、料金公開率は80%(4/5)でした。自社の利用者数と開発者数を当てはめ、年額に直してから比べてください。
使う人と作る人、どちらの人数で金額が決まりますか?
製品によって違います。掲載5社で利用者の人数によってプランの上限が動くのはPlatioだけで、Lite 100人/Basic 200人/Premium 500人/Enterprise 1,000人という段階があります。Monacaは開発者1ユーザーあたりの課金で、公式にアプリの配布数による追加料金はなしと示されています。AdaloとFlutterFlowも上限がかかるのは公開アプリ数・エディター数・開発者シート数といった作り手の側です。社内で何人が使うのか、何人が作るのかを分けて数えてから料金表を見てください。
同じ規模で比べるとどのくらい差が出ますか?
100人が使うアプリを1本動かす条件で計算すると、Monacaは開発者3人のProプランで 2,000円 × 3人 × 12ヶ月 = 年間72,000円、PlatioはLiteで利用者を100人まで拡張して月額54,000〜72,000円=年間648,000〜864,000円です。9.0〜12.0倍の開きになります。ただしMonacaの側にはコードを書ける人が要るため、この差は作る手間を社内で持つか製品側に預けるかの差として読むのが実態に近くなります。
無料で試すことはできますか?
掲載5社のうち常設の無料プランは3社(60%)で、Monaca・Adalo・FlutterFlowが用意しています。Adaloはクレジットカードの登録なしで始められます。期間限定の無料トライアルも3社(60%)で、Platioが1ヶ月、Monacaが14日間、FlutterFlowは有料プランに用意がありますが日数は公開されていません(日数公開2社の平均は22日)。Yappliは無料プランもトライアルもなく、資料請求や問い合わせから入る形です。
作ったアプリをApp StoreやGoogle Playに公開できますか?
掲載5社のうちMonaca・Yappli・Adalo・FlutterFlowは一般公開向けのアプリを作れます。AdaloはStarter以上でApp Storeへの自動公開に対応します。Platioは社内配信が前提で、アプリストアの審査を経ずに配布できる代わりに、一般ユーザー向けの公開アプリには向きません。作ったものを誰に配るのかで、選ぶ製品が変わります。
あとから別のツールに乗り換えられますか?
乗り換えやすさには差があります。掲載5社ではFlutterFlowが実際のFlutterコードを出力できるため、作ったものを自社や外部の開発体制へ引き継ぐ余地があります。それ以外の製品は、その製品の上で動く形で作るため、乗り換えは作り直しに近くなります。数年単位で使う予定なら、契約前にデータの書き出し方法まで確認しておくと安全です。
まとめ
アプリ開発ツールは、月額の数字を横に並べても比較になりません。課金の対象が「使う人」か「作る人」かで、総額の伸び方がまるで違うからです。
掲載5社で利用者の人数によって金額が動くのはPlatioだけです。最安のLiteは月額27,000円(税別)に利用者10人を含み1人あたり2,700円ですが、追加は10ユーザーあたり3,000〜5,000円で1人300〜500円と5.4〜9.0倍の開きがあります。上限の100人まで伸ばすと月額54,000〜72,000円になり、上限200人・容量5倍のBasic(57,000円)と重なります。
Monacaが数えるのは開発者だけで、アプリの配布数による追加料金はありません。100人が使うアプリ1本という同じ条件では、開発者3人の年間72,000円に対しPlatioは年間648,000〜864,000円と9.0〜12.0倍になりますが、その差は作る手間を社内で持つかどうかの差です。
Adaloは公開アプリ数とエディター数で分かれ、従量・トークン課金なしを明示しています。FlutterFlowはGrowth以上でシート単位に切り替わりクレジット制を採る一方、掲載5社で唯一実際のFlutterコードを出力できます。Yappliは料金非公開ですが、導入約900アプリ・継続率99%と第三者調査でのシェアNo.1が判断材料になります。
まずは社内で何人が使い、何人が作るのかを分けて数えるところから始めてください。そのうえで2〜3年後の人数で年額に直せば、どの製品が自社の伸び方に合うかが見えてきます。