広告運用代行を比較しようとすると、手数料率での比較が成立しないことに気づきます。掲載5社のうち料率を公開しているASUEとグラッドキューブは、どちらも広告費の20%です。数字が同じである以上、料率で選ぶことはできません。
差が出るのは最低ラインと契約の縛りです。ASUEは最低手数料10万円・最低出稿期間3ヶ月、グラッドキューブは最低広告費50万円〜で最低契約期間なし(1ヶ月から契約可・最短3営業日で配信)。実質の入口はどちらも広告費50万円ですが、期間の条件が正反対です。
さらに掲載5社の料金公開率は40%で、3社は手数料率も初期費用も非公開です。この記事では掲載5社について、費用の条件、実績の示し方、代行以外の提供範囲を一次データから整理しました。
結論:料率ではなく、最低ライン・縛り・実績の示し方で絞る
先に結論を述べます。
1つめは、最低ラインと縛りです。ASUEは広告費50万円以下でも依頼できますが(その場合は初月のみ初期費用10万円)、最低出稿期間が3ヶ月あります。グラッドキューブは広告費50万円以上が条件ですが、契約期間の縛りがなく1ヶ月から試せます。合わなかった場合に切り替えられるかどうかが分かれ目です。
2つめは、月々の総支出です。料率20%で広告費50万円なら手数料は10万円、月の総支出は60万円、年間では720万円になります。ASUEの最低手数料10万円はこの水準に対応しており、広告費30万円で出稿しても手数料は10万円のまま(実質33%相当)です。少額から始めるなら料率より最低手数料が効きます。
3つめは、実績の示し方です。社数(キーワードマーケティング1,483社・150業種/デジタルアスリート2,425社)、アワード(グラッドキューブのGoogle Premier Partner Awards複数部門受賞)、個別事例(デジタルアイデンティティの獲得効率6倍改善)と3通りに分かれます。何を確かめたいかで見る指標が変わります。
広告運用代行とは
広告運用代行は、リスティング広告やSNS広告の設計・入稿・運用・改善・レポートを外部に任せるサービスです。掲載5社はいずれも料率型で、広告費に対する一定の割合を手数料として支払う形をとります。
料率型では広告費とは別に手数料が発生する点が前提になります。広告費50万円に料率20%なら手数料は10万円で、月の支出は合計60万円です。予算を組む際は、広告費だけでなく手数料を含めた総額で考える必要があります。
なお当メディアの調査では「リスティング広告」という検索キーワードの指数は直近25か月で明確に下がっています。前半12か月の平均63.1に対し後半12か月は40.1で、およそ36%の減少です。最大は起点の2024年7月の72、最小は2026年5月の29でした。
選び方:5つの確認ポイント
1. 手数料率ではなく最低ラインと縛りで比べる
料率を公開している2社の条件を並べると、次のようになります。
| 項目 | ASUE | グラッドキューブ |
|---|---|---|
| 手数料率 | 広告費の20% | 広告費の20% |
| 最低ライン | 最低手数料10万円 | 最低広告費50万円〜 |
| 初期費用 | 0円(広告費50万円以下は初月のみ10万円) | 0円(広告費50万円以上の場合) |
| 最低契約期間 | 3ヶ月 | なし(1ヶ月から) |
| 配信開始 | - | 最短3営業日 |
料率が同じである以上、比較の軸はここに移ります。ASUEの最低手数料10万円は広告費50万円に20%を掛けた金額と一致するため、両社とも実質的な入口は広告費50万円です。しかし3ヶ月の縛りがあるかないかで、合わなかった場合の撤退のしやすさが変わります。
一方で、ASUEは広告費50万円以下でも依頼を受ける形になっています。グラッドキューブが「最低広告費50万円〜」と下限を設けているのに対し、少額から始めたい場合はASUEが対応します。
2. 月々の総支出を広告費と手数料の合計で見積もる
料率型では広告費とは別に手数料が発生します。広告費の20%という料率で月50万円を出稿する場合の計算は次のとおりです。
- 広告費:500,000円
- 手数料(20%):100,000円
- 月の総支出:600,000円
- 年間:広告費600万円 + 手数料120万円 = 720万円
ここで効いてくるのが最低手数料です。ASUEの最低手数料10万円は、広告費が50万円を下回っても変わりません。広告費30万円で出稿しても手数料は10万円で、実質の料率は33%相当になります。少額から始める場合は、料率よりも最低手数料のほうが総額に効きます。
3. 実績の示し方が3通りに分かれる
掲載5社は実績の開示方法が異なります。
社数で示す
- キーワードマーケティング:1,483社・150業種以上(2024年7月現在)
- デジタルアスリート:累計2,425社以上
アワード・認定で示す
- グラッドキューブ:Google Premier Partner Awards複数部門受賞/Google Excellent Performer Award 5期連続最優秀賞/Yahoo!マーケティングソリューション パートナー認定
個別事例で示す
- デジタルアイデンティティ:ソニーネットワークコミュニケーションズで獲得効率6倍改善/Pinterest広告でCPA50%抑制
ASUEは累計社数の数値記載がありません。自社と近い業種の実績を確認したいなら社数と業種数、運用の技術水準を見るならアワード、成果の水準を見るなら個別事例が手がかりになります。
4. 代行以外に何を提供するかを確認する
運用を任せるだけで終わるのか、その先まで見据えるのかで選ぶ先が変わります。
デジタルアスリートは運用代行に加えてインハウス支援を提供しています。掲載5社の中でこれを明示しているのはデジタルアスリートのみで、将来的に自社で運用する体制へ移行したい場合の選択肢になります。
グラッドキューブは自社ツールのSiTest(LPO・アクセス解析)を使って改善を可視化します。広告の先にあるページの改善まで含めて数値で確認できる構成です。
デジタルアイデンティティは全体戦略設計・SEO・制作・マーケティングDXまでを扱い、広告単体ではなくマーケティング全体の設計から入ります。ASUEはWeb制作・LP制作を別途提供し、キーワードマーケティングは無料の広告アカウント診断を用意しています。
5. 出稿したい媒体に対応しているか
掲載5社はいずれもGoogle広告・Yahoo!広告といった検索広告と、Meta・X・LINE・TikTokなどのSNS広告に対応します。差が出るのはその先です。
- デジタルアイデンティティ:20以上の媒体に対応
- グラッドキューブ:Amazon広告・Apple Search Ads(EC・アプリ集客向け)
- デジタルアスリート:Taboola広告(ネイティブ広告)
- キーワードマーケティング:Microsoft広告
- ASUE:YouTube広告を含む主要媒体
出稿を想定している媒体を先に決めておくと、対応可否で候補が絞れます。
独自データ:料金公開率と契約条件の開示状況
当メディアが掲載5社の公式サイトを2026年7月時点で調査した結果は次のとおりです。
料金公開率は40%(2/5)でした。手数料率を公開しているのはASUEとグラッドキューブの2社で、いずれも広告費の20%です。キーワードマーケティング、デジタルアスリート、デジタルアイデンティティは手数料率・初期費用とも公式非公開です。
契約期間を公開しているのも2社です。ASUEが最低出稿期間3ヶ月、グラッドキューブが最低契約期間なし(広告費50万円以上の場合)と、正反対の条件を明示しています。残る3社は要問い合わせです。
無料プラン・無料トライアルは0%(0/5)です。代行サービスのため試用の仕組みがありません。ただしキーワードマーケティングは無料の広告アカウント診断を提供しており、契約前に既存アカウントの状態を確認してもらえます。
実績を数値で公開しているのは3社です。キーワードマーケティングが1,483社・150業種以上、デジタルアスリートが累計2,425社以上、デジタルアイデンティティが個別事例の改善率です。グラッドキューブはアワード受賞歴と認定、ASUEは数値の記載がありません。
対応媒体はデジタルアイデンティティの20以上が最多です。他社は主要な検索広告・SNS広告に加えて、グラッドキューブがAmazon広告・Apple Search Ads、デジタルアスリートがTaboola広告、キーワードマーケティングがMicrosoft広告に対応します。
掲載5社の比較
| 会社 | 手数料率 | 最低ライン | 契約期間 | 実績の示し方 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|---|
| ASUE | 広告費の20% | 最低手数料10万円 | 3ヶ月 | 記載なし | 少額でも依頼可・条件を全公開 |
| グラッドキューブ | 広告費の20% | 最低広告費50万円〜 | なし | アワード・認定 | 最短3営業日・SiTest併用 |
| キーワードマーケティング | 非公開 | 非公開 | 要問い合わせ | 1,483社・150業種 | 無料アカウント診断 |
| デジタルアスリート | 非公開 | 非公開 | 要問い合わせ | 累計2,425社以上 | インハウス支援 |
| デジタルアイデンティティ | 非公開 | 非公開 | 要問い合わせ | 個別事例(6倍改善等) | 20以上の媒体・中堅〜大手 |
各社の詳細
掲載5社の中で、手数料率・最低手数料・初期費用・最低出稿期間のすべてを公開している点が特徴です。
運用手数料は広告費の20%で、最低手数料は10万円です。この10万円は広告費50万円に20%を掛けた金額と一致します。広告費が50万円を下回っても手数料は10万円が下限となるため、少額での出稿では実質の料率が上がります。たとえば広告費30万円なら実質33%相当です。
初期費用は0円ですが、広告費が50万円以下の場合は初月のみ10万円が発生します。最低出稿期間は3ヶ月で、短期間で結果を見て切り替える前提の契約には向きません。逆に言えば、下限の広告費が設定されていないため50万円以下でも依頼できる点は他社にない条件です。
対応媒体はGoogle広告・Yahoo!広告のリスティング広告に加えて、Facebook広告、Instagram広告、X(旧Twitter)広告、LINE広告、YouTube広告、TikTok広告です。Web制作・LP制作は別途提供されます。専任担当による設計・入稿・運用・改善・レポートという体制です。
手数料率を公開しており、代行費用は広告費の20%です。最低広告費は50万円〜で、広告費50万円以上の場合は初期費用0円・最低契約期間なしという条件が適用されます。1ヶ月から契約でき、最短3営業日で配信を開始できます。
掲載5社の中で契約期間の縛りがないことを明示しているのはグラッドキューブです。短期のキャンペーンや、まず試してみたい場合の選択肢になります。
実績はアワードと認定で示されています。Google Premier Partner Awardsでの複数部門受賞、Google Excellent Performer Awardの5期連続最優秀賞、Yahoo!マーケティングソリューションのパートナー認定を公表しています。
対応媒体はGoogle広告・Yahoo!広告に加えて、Facebook広告、Instagram広告、X(旧Twitter)広告、LINE広告、YouTube広告、さらにAmazon広告とApple Search Adsにも対応します。掲載5社の中でこの2媒体への対応を明示しているのはグラッドキューブです。自社ツールのSiTest(LPO・アクセス解析)を使って改善を可視化する体制も特徴です。
公式トップページに1,483社・150業種以上の支援実績(2024年7月現在)を掲載しています。掲載5社の中で、業種数まで含めた実績を公表しているのはキーワードマーケティングです。自社と近い業種での経験があるかを確認したい場合の手がかりになります。
特徴のひとつが無料の広告アカウント診断です。掲載5社はいずれも代行サービスのため無料トライアルがありませんが、キーワードマーケティングでは契約前に既存アカウントの状態を確認してもらえます。試用の仕組みがない中で、事前に判断材料を得られる入口になります。
対応媒体はGoogle広告・Yahoo!広告に加えてMicrosoft広告、Facebook広告・Instagram広告、X(旧Twitter)広告、LINE広告、TikTok広告です。検索広告の配信先を広げたい場合に対応します。
手数料率と初期費用は公式非公開で、要問い合わせとなります。最低契約期間も明記されていないため、条件は見積り時に確認する形です。
累計2,425社以上のWeb戦略支援実績を公式サイトに掲載しており、掲載5社の中でもっとも多い社数を公表しています。
特徴は運用代行とインハウス支援の両方を提供している点です。外部に任せ続けるのではなく、将来的に自社で運用する体制へ移行したい場合の選択肢になります。掲載5社の中でインハウス支援を明示しているのはデジタルアスリートです。
対応媒体はGoogle広告・Yahoo!広告のリスティング広告に加えて、Meta(Facebook)広告・Instagram広告、X(旧Twitter)広告、LINE広告、YouTube広告、TikTok広告、さらにTaboola広告に対応します。Taboolaはネイティブ広告の配信面で、掲載5社の中でこの媒体への対応を明示しているのはデジタルアスリートです。
LP・ホームページ制作も提供範囲に含まれるため、運用と制作を分けて発注する必要がありません。手数料率と初期費用は公式非公開で、要問い合わせとなります。
掲載5社の中では中堅〜大手企業を主な対象としており、全体戦略の設計から運用までを一気通貫で扱います。他の掲載社が中小〜中堅中心であるのに対し、想定する事業規模が異なります。
対応媒体は20以上と公表しており、掲載5社の中でもっとも幅が広い構成です。Google広告・Yahoo!広告に加えて、Meta広告、X(旧Twitter)広告、YouTube広告、LINE広告、TikTok広告などに対応します。
提供範囲は広告運用にとどまりません。全体戦略設計、SEO、制作、マーケティングDXまでを扱うため、広告単体ではなくマーケティング全体の設計から相談する形になります。何にいくら投じるかの判断から任せたい場合に対応します。
実績は個別の改善事例として公開されています。ソニーネットワークコミュニケーションズでの獲得効率6倍改善、Pinterest広告でのCPA50%抑制といった数値を挙げています。一方、全体の累計支援社数は公式に記載がありません。手数料率と初期費用は公式非公開で、資料請求または問い合わせでの対応となります。
よくある質問
広告運用代行の手数料相場はいくらですか。
掲載5社のうち手数料率を公開しているのはASUEとグラッドキューブの2社で、いずれも広告費の20%です。ASUEは最低手数料10万円を設けており、初期費用は0円(広告費が50万円以下の場合は初月のみ10万円)、最低出稿期間は3ヶ月です。グラッドキューブは最低広告費50万円〜で、広告費50万円以上なら初期費用0円・最低契約期間なしとなります。キーワードマーケティング、デジタルアスリート、デジタルアイデンティティは手数料率・初期費用とも公式非公開で要問い合わせです。
広告費はいくらから依頼できますか。
ASUEは最低手数料10万円という形で下限を設けており、広告費が50万円以下でも依頼できますが、その場合は初月のみ初期費用10万円が発生します。グラッドキューブは最低広告費50万円〜で、広告費50万円以上の場合に初期費用0円・最低契約期間なしという条件が適用されます。両社とも実質的な入口は広告費50万円前後です。他の3社は下限が公開されていないため、問い合わせでの確認となります。
契約期間の縛りはありますか。
ASUEは最低出稿期間が3ヶ月です。グラッドキューブは広告費50万円以上の場合に最低契約期間がなく、1ヶ月から契約できます。配信開始までは最短3営業日とされています。キーワードマーケティング、デジタルアスリート、デジタルアイデンティティは契約期間が公式に明記されておらず、要問い合わせです。
初期費用はかかりますか。
ASUEは初期費用0円ですが、広告費が50万円以下の場合は初月のみ10万円が発生します。グラッドキューブは広告費50万円以上の場合に初期費用0円です。キーワードマーケティング、デジタルアスリート、デジタルアイデンティティは初期費用が公式非公開で、要問い合わせとなります。
契約前に現状を見てもらえますか。
掲載5社は代行サービスのため無料プランや無料トライアルはありません。ただしキーワードマーケティングは無料の広告アカウント診断を提供しており、契約前に既存アカウントの状態を確認してもらえます。デジタルアイデンティティは資料請求を、他社は問い合わせを入口としています。
どの広告媒体に対応していますか。
掲載5社はいずれもGoogle広告・Yahoo!広告の検索広告と、Meta(Facebook・Instagram)広告、X(旧Twitter)広告、LINE広告、TikTok広告に対応します。加えてデジタルアイデンティティは20以上の媒体に対応し、グラッドキューブはAmazon広告とApple Search Ads、デジタルアスリートはTaboola広告も扱います。ASUEはYouTube広告を含む主要媒体、キーワードマーケティングはMicrosoft広告にも対応します。