2019年版|ホームページ制作ツール徹底比較(後編)

ホームページ制作ツール比較の後編。
前編では制作時の評価ポイントで比較を行ってきましてが、後編の今回は、制作後の運用時の評価ポイントで各ツールを比較していきたいと思います。

制作時の評価ポイント

  1. デザインのクオリティ

  2. 柔軟性・拡張性

  3. 制作コスト

  4. 制作期間

運用時の評価ポイント

  1. 更新のし易さ

  2. 安定性

  3. SEO

  4. 運用コスト

前編をご覧になっていないかたはこちらからお読みになることをおすすめします。
それではさっそく見ていきましょう。

5.更新のし易さ

ホームページは作って終わりではありません。
既存の商品やサービスの価格が変わったり、新しい商品やサービスを作り出したりする度に、ホームページのコンテンツを最新の状態にアップデートすることが求められます。
コンテンツが適切に更新されていることはSEO対策上も重要ですよね。
しかし更新作業が面倒だったり、更新の度にお金がかかったりすると重要だとはわかっていても更新を滞らせてしまいがちです。
そこで更新作業のし易さを評価ポイントの1つとして挙げました。

結果は以下のとおり。

1st

Squarespace

1st

Wix

3rd

WordPress

Squarespace

SquarespaceはPCに詳しくない方でも簡単にホームページを作成できることを念頭に開発されたツールです。
シンプルで使いやすいインターフェースでテキストや画像の差し替えはもちろん、新たなページやレイアウトの追加も数回のマウス操作とドラッグ&ドロップで驚くほど簡単に行うことが可能です。
作業のし易さに関しては文句無しのトップと言えると思います。

Wix

WixもSquarespace同様、PCに詳しくない方でも簡単にホームページを作成できることを念頭に開発されたツールです。
ビジネスパーソンなら頻繁に使用する機会のあるMicrosoftのWordやPowePointによく似た操作感でテキストや画像の差し替えを直観的に行うことが可能です。
もちろん新たなページやレイアウトたにの追加が必要な場合も同様の操作で簡単に行うことができます。
Squarespaceと同率の1位とさせていただきました。

WordPress

WordPressはプロ向けのツールというともありSquarespaceやWixと比べると更新作業は少し大変です。
豊富な機能を持っている反面インターフェースが複雑なので、普段からウェブ制作に携わっていない方は更新したい部分の設定箇所を探すのにも一苦労です。
ブログ記事の投稿であれば比較的簡単に行えますが、新たなページやレイアウトを追加するのはプロでないと難しく、その都度制作会社に依頼する必要があります。
そのためSquarespaceとWixには大きな差をつけられての3位とさせていただきました。

6.安定性

安定性とは、障害や不具合が発生することなく、いつも健全な状態でホームページが運営されていることを意味します。
主力な営業ツールとも言えるホームページが不安定では安心してビジネスを遂行することができません。
ホームーページを制作する上では欠かせない要素となるため安定性を評価ポイントの1つとして挙げました。

結果は以下のとおり。

1st

Squarespace

2nd

Wix

3rd

WordPress

Squarespace

Squarespaceはサーバーやコンテンツ管理システムといったウェブサイトの制作・運用に必要な機能をすべて提供しているフルパッケージ型のサービスです。
そのため何か問題が発生した際はSquarespaceが責任をもって対応することになります。
前編でも触れましたが、Squarespaceの提供しているテンプレートやプラグインはすべてSquarespaceのデザインチームが作成した純正のものであるため、どのテンプレートやプラグインもメンテナンスが行き届いており、アップグレードの際もすべての機能が正常に動くことがSquarespceにより担保されています。
サードパーティ製のテンプレートやプラグインを提供しているWordPressやWixに比べると柔軟性や拡張性が劣ってしまう反面、ひとつひとつの機能は高い品質が保たれています。
そのため安定性の観点ではトップであると言えます。

Wix

WixもSquarespaceと同様、サーバーやコンテンツ管理システムをセットで提供しているフルパッケージ型のサービスです。
一部のプラグインがサードパーティーによって提供されているものの、フルパッケージ型であるが故に問題が発生した際の原因の特定が比較的し易く、安定した運用が可能であると言えます。
サーバーやコンテンツ管理システム、テンプレート、Wix純正のプラグインに原因がある場合はWixのサポートチームが責任を持って対応してくれる一方、一部のサードパーティー製のプラグインに関しては、プラグインの開発者に対応を仰ぐことになります。
すべて純正のプラグインで構成されているSquarespaceに比べると安定性の面ではやや劣る部分はありますが、特にその点で困っている方は少ないようです。
そのため、Squarespaceに次ぐ2位とさせていただきました。

WordPress

豊富な機能を提供して柔軟性や拡張性に強みを持つことの裏返しになるかもしれないのですが、WordPressが安定性において多くの課題を抱えていることは有名ですね。
ユーザーがそれぞれ個別に契約したサーバー上に複数のサードパーティー製のテンプレートやプラグインを組み合わせてホームページを制作するため、何か問題が発生した際に、原因がどこにあるのかを特定するのがまず困難です。
また原因が特定できたとしても開発者のサードパーティーによって対応の品質にバラつきがあるため、連絡がとれずに泣き寝入りというケースも多々見られます。
また多く聞かれるのがワードプレスのアップデートにより、使用しているプラグインに不具合が発生してしまうケースです。頻繁に修正作業を強いられギブアップしてしまう方もいらっしゃいます。
WordPressでホームページを運用する場合は、経験豊富な制作会社やエンジニアに依頼して安定性を保つためのメンテナンスをしてもらう必要があると言えます。
そのため最下位とさせていただきました。

7.SEO

せっかく立派なホームページを制作しても、そのページが検索エンジンで引っかからなければ誰も見に来てくれません。検索エンジンで上位に表示されるようになると、費用をかけて広告を打たなくとも多くの方がホームページを訪れてくれます。
そういった意味でSEO(検索エンジン最適化)は重要なポイントであるため評価ポイントの1つとさせていただきました。

結果は以下のとおり。

1st

Squarespace

2nd

Wix

2nd

WordPress

Squarespace

SquarespaceはSEO対策に非常に力を入れており、SEO対策用の専用機能を提供しているだけではなく頻繁にアップデートしています。
あらかじめ用意された項目を埋めていくだけで簡単にSEO対策を行うことが可能です。
また整理されたソースコード、スマートフォン対応、検索エンジンへのインデックス促進といった検索エンジンが検索順位を決める際にチェックするポイントもしっかりクリアしており、ユーザーが意識せずとも万全のSEO対策が施されたホームページが作成できます。
そのため1位とさせていただきました。

Wix

WixもSuarespceと同様にSEO対策に非常に力を入れているサービスです。
いくつかの質問に答えるだけで、ホームページのSEO対応状況をチェックし、対応ができていないポイントを教えてくれる便利な専用機能も提供されています。
ホームページ制作未経験の方でも簡単にSEO対策を施したホームページを作成することが可能です。
1点残念なのは、作成時に生成されるソースコードがSquarespaceやWordPressと比べて複雑であることです。
WixはSquarespaceと同様ドラッグ&ドロップでホームページを簡単に作り上げることができるのですが、Squarespaceがレイアウトの配置にある程度の制約を設けている(オブジェクト同士が必要以上に接近したりオブジェクト同士が重なることが無いように制御されています)のに対してWixはどこにでも好きなところにオブジェクトを配置することが可能です。配置の自由度が高い分、裏のソースコードが複雑なものになってしまいます。
検索エンジンはソースコードの複雑度も検索順位の決定に影響を及ぼすと言われていますので、ここだけ少し加味して2位とさせていただきました。

WordPress

WordPressはSEOに強いという話は有名ですね。
確かにWordPressには自動でホームページのコンテンツを階層化したり、検索エンジンへのインデックスを促進したりといった機能があらかじめ備わっています。
また、あらかじめ強力なSEO対策が施されたテンプレートやSEO対策用のプラグインが提供されていたりとSEOの観点では万全の機能を備えていると言えます。
しかし、WordPressに限らず、SquarespaceやWix等のホームページ制作ツールはそれもSEO対策が施されているのが一般的で、部分的に異なる点はあるもののどれを使用しても大差は無いというのが現実です。
WordPressのに関しては、基本機能ではSEO関連の細かな設定を行うことができず、制作時に自身で特定のテンプレートやプラグインをインストール・設定しなければいけないため、この点を考慮してWixと同率の2位とさせていただきました。

8.運用コスト

ホームページを制作する際は制作にかかる初期費用ばかりに目が行きがちですが、ホームページを継続して運営していくにはサーバー、ドメイン、制作会社に支払う保守・管理費等、多くの費用が必要になります。
そこで運用コストも評価ポイントの1つとさせていただきました。

結果は以下のとおり。

1st

Squarespace

1st

Wix

3rd

WordPress

Squarespace

Squarespaceには容量無制限のサーバーが含まれています。そのためSquarespaceでホームページを運営していくのに必要な費用は1. Squarespace利用料、2. ドメイン費用の2つとなります。
Squarespaceの利用料は最も高いビジネスプランで1月あたり18ドル(1ドル110円換算で1,980円)、ドメイン費用は月額500円程度として、月々およそ2,500円程度でホームページを運営していくことが可能です。
不具合発生時の対応もSquarespaceのサポートチームが実施するため、制作会社に保守をお願いする必要もありません。
最も低コストでホームページを運営していくことができるため1位とさせていただきました。

Wix

WixもSquarespaceと同様にサーバーがパッケージに含まれています。そのためWixでホームページを運営していくのに必要な費用は1. Wix利用料、2. ドメイン費用の2つとなります。
Wixの利用料は最も高いVIPプランで1月あたり2,500円、ドメイン費用は月額500円程度として、月々およそ3,000円程度でホームページを運営していくことが可能です。
不具合発生時の対応もWixのサポートチームが実施するため、制作会社に保守をお願いする必要もありません。
かなりの低コストでホームページを運営していくことができるため、Squarespaceと同率の1位とさせていただきました。

WordPress

WordPressは無料のサービスです。あれだけの機能をもった制作ツールが無料というのは驚きですが、サーバーが含まれていないため別途契約する必要があります。
またWordPressは無料であるためサポートチームは存在しません。ホームページに不具合が発生した場合は自身で原因を特定し、対応を行う必要があります。
複数の開発者が作成したテンプレートやプラグインを組み合わせて制作するという性質上、ホームページ制作経験の無い方は、制作会社に保守をお願いするのが一般的です。
そのため、WordPressでホームページを運営していくのに必要な費用は1. サーバー費用、2. ドメイン費用、3. 保守・管理費用の3つとなります。
サーバー費用は一般的に月額2,000円~3,000円程度、ドメイン費用が500円程度、保守・管理費用が月額5,000円~数万円程度必要になりますので、WordPressでホームページを運営していくには月々およそ7,000円程度~数万円といった費用が必要になります。
機能が充実している分、運用していくのにもプロのサポートが必要になってしまうということで、SquarespaceやWixと比べるとどうしても割高になってしまうため、3位とさせていただきました。

前編から長々とさまざまな観点でホームページ制作ツールを比較してきましたがいかがだったでしょうか?
ホームページ制作を検討中の方はぜひ参考にしてみてください。

Shori

SquareStudioを運営しているウェブクリエイターです。
Squarespaceを用いたウェブサイト制作・運用支援や、Squarespaceユーザー向けの情報発信、ワークショップ運営を通して、スモールビジネスや個人事業主の皆さまにとってウェブサイトをより身近なものにするためのお手伝いを行っています。
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