原価管理システム

原価管理システム比較5選|建設と製造で候補がまるごと入れ替わる

建設業ならどっと原価3(1ライセンス月13,000円〜)、製造業ならGEN(月23,800円〜・30日無料)。同じ原価管理でも工事別と製番別で別物で、掲載5社の料金公開率は40%にとどまります。

原価管理システムを比べるとき、最初に確かめるべきは金額ではなく業種です。

掲載5社は建設業向けと製造業向けにきれいに分かれています。

  • 建設業・工事業向け:どっと原価シリーズ、建設WAO(原価管理WAO)
  • 製造業向け:GEN、TECHS-S、アラジンオフィス

建設業の会社が製造業向け製品を検討することはなく、その逆もありません。同じ「原価管理システム」という名前でも、扱う単位も帳票も別物だからです。

結論:業種・仕掛かり中の可視化・ライセンス上限の3点で絞る

先に結論を述べます。

1つめは、業種です。建設業なら工事(プロジェクト)単位、個別受注型の製造業なら製番(案件番号)単位。ここが合わない製品は比較の土俵に乗りません。

2つめは、仕掛かり中に採算が見えるかです。原価管理システムの価値は締めたあとの集計ではなく、案件が終わる前に赤字を見つけることにあります。

3つめは、ライセンス数の上限です。どっと原価3は5人目と6人目で月額が1.41倍に跳ねます。

掲載5社の料金公開率は40%(2/5)、無料トライアルは1社(20%)でした。

原価管理システムとは

原価管理システムとは、案件ごとにかかった材料費・労務費・外注費を集計し、見積や実行予算と突き合わせて採算を管理するシステムです。

会計上の原価計算とは目的が違います。会計の原価計算は決算のために期間の原価を確定させるものですが、原価管理システムは締める前に手を打つためにあります。案件が終わってから赤字が分かるのでは、値上げ交渉も工程の組み直しもできません。

管理する単位は業種で変わります。

業種単位管理する内容
建設業・工事業工事(プロジェクト)見積・実行予算・発注・支払・工事原価
個別受注型の製造業製番(案件番号)部品・工数・外注費の積み上げ
繰り返し生産の製造業品目品目別原価+間接費配賦

当メディアの調査では、「原価管理」という検索キーワードの指数は直近25か月で47〜82の範囲を推移し、平均は65.7でした。最高は2025年5月と2026年6月の82、最低は2025年12月の47で、先頭66に対し末尾62とほぼ横ばいです。5〜6月に高く12月に落ちる動きが2年続いており、決算期の前後に原価の見直しが動く傾向が読み取れます。

選び方:5つの確認ポイント

1. 建設業向けか製造業向けかで候補が入れ替わる

サービス対象業種管理の単位
どっと原価シリーズ建設業・工事業(小規模〜中規模)工事単位
建設WAO(原価管理WAO)建設業(中堅〜大規模)工事・部門・工種の多軸
GEN製造業(商社・工場・メーカー)品目別+間接費配賦
TECHS-S個別受注型の機械・装置業製番別
アラジンオフィス個別受注型製造業製番別

建設業向けの2社も、対象とする企業規模が分かれています。どっと原価シリーズは小規模〜中規模、建設WAOは中堅〜大規模(売上101億〜500億円・従業員101〜500名・600ライセンス規模の事例あり)です。

製造業向けの3社も、GENが繰り返し生産を含む幅広い製造業、TECHS-Sとアラジンオフィスが個別受注型と分かれます。TECHS-Sは多品種少量の部品加工業向けに姉妹製品TECHS-BKを別に用意しており、製品を分けていること自体が、原価管理は業態ごとに別物であることを示しています。

2. 仕掛かり中に採算が見えるかを確かめる

掲載5社の多くが、この点を中心的な機能として掲げています。

サービス仕掛かり中の可視化
TECHS-S製番別原価グラフで仕掛中の原価と完成時予測原価をリアルタイム把握
アラジンオフィス製番別原価構成表で仕掛中の物件原価を把握、不採算物件を早期発見
建設WAO予算・原価・注文・支払・利益をリアルタイム把握・分析
どっと原価シリーズ見積・実行予算・発注・支払・工事原価を工事単位で一元管理
GEN受注ごとの原材料費・工賃を積み上げて原価・利益をレポート

とくにTECHS-Sの完成時予測原価は、個別受注生産で追加工数が膨らんだ案件を、締める前に見つけるための機能です。

TECHS-Sにはもうひとつ、見積り時に過去の類似案件の原価を参照できる機能があります。個別受注では毎回条件が違うため見積が担当者の勘に頼りやすく、実際にかかった原価のデータを引ける形になっていることが値決めの根拠になります。

3. ライセンス数の上限と追加単価を確認する

どっと原価3のクラウド版はライセンス数帯で料金が決まります。

プラン1ライセンス月額上限追加1ライセンス
ライト13,000円(税抜)最大5ライセンス月7,000円
スタンダード23,000円(税抜)最大20ライセンス月7,000円

上限まで使ったときの実質単価を計算します。

  • ライト5ライセンス:13,000円 + 7,000円 × 4 = 41,000円(1ライセンスあたり8,200円)
  • スタンダード20ライセンス:23,000円 + 7,000円 × 19 = 156,000円(1ライセンスあたり7,800円)

問題は上限をまたぐときです。ライトは最大5ライセンスなので、6人目からはスタンダードに移る必要があります。

  • スタンダード6ライセンス:23,000円 + 7,000円 × 5 = 58,000円
  • 58,000円 ÷ 41,000円 = 1.41倍

1人増えるだけで月額が1.41倍に跳ねます。上限をまたぐ人数かどうかは見積り前に確認してください。

4. クラウドか買い切りかを年数で判断する

どっと原価シリーズはクラウド版(どっと原価3)とオンプレミス版(どっと原価NEO)を選べます。

形態金額
クラウド どっと原価3 ライト1ライセンス年額 156,000円(税抜)
オンプレ どっと原価NEO LTソフトウェア本体 850,000円〜(税抜)+KDSS保守年額
オンプレ どっと原価NEO STソフトウェア本体 1,100,000円〜(税抜)+KDSS保守年額

本体価格だけをクラウド版ライトの年額と比べます。

  • 850,000円 ÷ 156,000円 = 約5.45年

ただしKDSS保守年額が非公開のため、実際の分岐点はこれより手前に来ます。

オンプレ版NEOはLT(小規模/同時20ライセンス)、ST(小・中規模)、EX(中規模/同時200ライセンス)の3グレードで、同時接続ライセンス数で規模が区切られています。

なおTECHS-S・アラジンオフィス・建設WAOもオンプレミス/クラウドの両方に対応しますが、いずれも料金は個社見積りです。GENはクラウド専業で、サーバーの購入が不要です。

5. 無料トライアルは1社。デモで自社の案件を当てる

サービス試用の可否
GEN30日間の無料トライアル
どっと原価シリーズ無料相談・体験デモの案内(日数の明記なし)
TECHS-S公式記載なし(問い合わせ・デモ)
アラジンオフィス公式記載なし(問い合わせ・デモ)
建設WAO公式記載なし(見積依頼・デモ)

掲載5社で無料トライアルがあるのはGENの1社(20%)のみで、日数を公開しているのもこの1社だけです。

原価管理は自社の工事台帳や部品構成を入れないと使い勝手が判断できません。デモの段階で実際の案件を持ち込み、見積から実行予算・発注・実績集計までを再現してもらうと判断材料になります。

タイプ分類:3つの型

型1|建設業・工事別原価型(どっと原価シリーズ/建設WAO)

工事(プロジェクト)単位で見積・実行予算・発注・支払・工事原価を管理する型です。どっと原価シリーズは建設業向け原価管理パッケージ市場で2015〜2023年度まで9年連続導入企業数第1位を獲得し、クラウド版が1ライセンス月13,000円(税抜)から。建設WAOは中堅〜大規模向けで、マルチディメンジョン集計により工事・部門・工種など多軸から原価を分析できます。

型2|個別受注・製番別原価型(TECHS-S/アラジンオフィス)

製番(案件番号)単位で部品・工数・外注費を積み上げる型です。TECHS-Sは製番別原価グラフで仕掛中原価と完成時予測原価をリアルタイム把握し、過去の類似案件から見積を積算できます(17業種以上・TECHSシリーズ累計4,500社超)。アラジンオフィスは製番別原価構成表で不採算物件を早期発見し、CAD/Excelからの部品リスト取り込みや受注発注同時計上に対応します(全体で導入5,000社超)。

型3|生産管理一体型(GEN)

生産管理と同じシステム上で原価を扱う型です。品目ごとの原価把握に加えて、工場間接費や設備償却などの間接費配賦に対応します。受注ごとの原材料費・工賃の積み上げによる原価・利益レポート、MRPエンジン、QR/バーコードによる進捗管理を備え、業種別エディションの月額を公開しています(GEN FACTORY 月23,800円〜・税別)。30日間の無料トライアルがあります。

独自データ:料金公開率40%、無料トライアルは1社のみ

当メディアの調査で分かったことを整理します。

項目掲載5社の結果
料金公開率40%(2/5)(open 2社/partial 0社/closed 3社)
1ユーザー単価で比較できる社数0社(全社が企業単位またはライセンス数帯の定額)
無料プラン0社(0%)
無料トライアル1社(20%)/30日間
建設業向け/製造業向け2社/3社

企業規模別の年間コストは、金額を公開している2社で次のようになります。掲載5社はいずれも従業員数に連動しない定額なので、10名でも100名でも変わりません。

サービス年間コスト(最安構成)
どっと原価シリーズ156,000円(クラウド版ライト・1ライセンス・税抜)
GEN285,600円(GEN FACTORY 月23,800円×12・税別)

285,600円 ÷ 156,000円 = 約1.83倍。

ただしこの2社を比べることに意味はありません。どっと原価シリーズは建設業向け、GENは製造業向けで、そもそも同じ会社が両方を検討する場面がないからです。カテゴリの中で最安の2社であっても、比較の相手にならない。これが原価管理システムというカテゴリの特徴です。

掲載5社の比較表

サービス対象業種管理の単位公開されている金額提供形態無料トライアル
どっと原価シリーズ建設業(小〜中規模)工事単位クラウド 1ライセンス月13,000円〜/オンプレ買い切り850,000円〜クラウド/オンプレ体験デモ(日数非公開)
建設WAO建設業(中堅〜大規模)工事・部門・工種の多軸非公開Web(オンプレ/クラウド)記載なし
GEN製造業(商社・工場・メーカー)品目別+間接費配賦GEN FACTORY 月23,800円〜(税別)クラウド30日間
TECHS-S個別受注型の機械・装置業製番別非公開オンプレ/クラウド記載なし
アラジンオフィス個別受注型製造業製番別非公開オンプレ/クラウド記載なし

無料プランは掲載5社とも提供がないため、表からは省いています。

各サービスの詳細

どっと原価シリーズ(どっと原価3/どっと原価NEO)

建設業向け原価管理で9年連続シェア1位

公式サイト ↗

株式会社建設ドットウェブが提供する建設業・工事業向けの原価管理システムです。同社は2001年1月設立、資本金1億円、従業員106名(2026年7月1日時点)で、石川県金沢市に本社を置きます。株式会社Arentの傘下にあります。

建設業向け原価管理パッケージソフトウェア市場で2015〜2023年度まで9年連続で導入企業数第1位を獲得しています。原価管理システムは業種によって扱う単位も帳票も異なるため、対象業種でのシェアは実務への適合度を測る手がかりになります。

見積・実行予算・発注・支払・工事原価を工事(プロジェクト)単位で一元管理し、原価と利益をリアルタイムに見える化します。建設業では1つの工事に対して複数の協力会社への発注と支払が発生し、これらが別々の台帳で管理されていると工事ごとの採算がいつまでも確定しません。

ラインアップはクラウド版「どっと原価3」とオンプレミス版「どっと原価NEO」(LT/ST/EX)に分かれます。クラウド版は利用者1ライセンス月額13,000円(税抜・ライト、最大5ライセンス)/23,000円(スタンダード、最大20ライセンス)で、追加ライセンスは1つ月7,000円です。支払管理・会計連動・日報管理などのオプションを組み合わせられます。

オンプレ版NEOはソフトウェア本体850,000円〜(LT)/1,100,000円〜(ST)(いずれも税抜)にKDSS保守年額が加わる買い切り型です。LTは同時20ライセンス、EXは同時200ライセンスと、同時接続数で規模が区切られています。

GEN(クラウドERP/生産管理・原価管理)

生産管理と一体の原価管理。月23,800円〜で30日間試せる

公式サイト ↗

GEN株式会社が提供する中小企業向けのクラウドERP/生産管理システムで、生産管理と一体で原価管理機能を備えます。同社は2000年6月設立、資本金3,000万円で、東京都目黒区中目黒に本社を置きます。

原価管理の考え方に特徴があります。品目ごとの原価把握に加えて、繰り返し生産される品目への経費按分、つまり工場間接費や設備償却などの間接費配賦に対応します。材料費と工賃だけを積み上げても、設備の償却費や工場の共通経費が乗らなければ本当の採算は分かりません。

受注ごとの原材料費・工賃の積み上げによる原価・利益レポートにも対応し、MRPエンジンやQR/バーコードによる進捗管理も搭載しています。原価の精度は実績データの精度で決まるため、現場からバーコードで入力できることが重要になります。

業種・業態別に最適化した複数エディションがあり、月額利用料はGEN TRADING(商社)23,500円〜/GEN FACTORY(工場)23,800円〜/GEN PRODUCTS(メーカー)24,300円〜(いずれも税別・最小構成)で公開されています。製造原価管理向けはGEN FACTORYで、年額に直すと285,600円です。

30日間の無料トライアルが利用できます。掲載5社で無料トライアルがあるのは同社の1社(20%)のみで、日数を公開しているのもこの1社だけです。ブラウザ上で運用できるクラウド型でサーバーの購入が不要なため、情報システム部門を置けない中小企業でも始めやすい構成です。初期費用は利用ユーザー数・利用機能によって異なるため要問い合わせです。

TECHS-S(テックス エス)

製番別原価グラフで完成時予測原価まで見える

公式サイト ↗

テクノア株式会社が提供する個別受注型の機械・装置業向け生産管理システムです。同社は1985年10月設立、資本金7,280万円、従業員355名(2026年4月1日時点)で、岐阜県岐阜市に本社を置きます。

原価管理では製番別原価グラフによって、仕掛中の原価と完成時の予測原価をリアルタイムに把握できます。個別受注生産は1案件ごとに採算が異なり、完成して締めたあとに赤字が判明するという事態が起こりがちな領域です。進行中に予測原価を見られることで、追加工数が膨らんでいる案件を早い段階で見つけられます。

見積の精度を高める仕組みも備えます。見積り時に過去の類似案件の原価を参照できるため、スピーディーで精度の高い見積積算が可能です。個別受注では毎回条件が違うため見積が担当者の勘に頼りやすく、実際にかかった原価のデータを引ける形になっていることは値決めの根拠を社内で共有するうえでも意味があります。

工作機械・金型・化学機械・産業用ロボット・半導体製造装置・食品機械・電力制御装置など17業種以上での導入実績があり、多品種少量の部品加工業には姉妹製品TECHS-BKを提供します。同じ製造業でも装置を1台つくる個別受注と部品を多品種少量で加工する業態では管理の粒度が違うため、製品を分けています。

TECHSシリーズ全体で累計4,500社超の導入実績を持ちます。クラウド環境でも利用でき、バーコードハンディターミナルでリアルタイムに進捗を把握できます。料金は公式サイトでは非公開で、資料請求・問い合わせによる個社見積りです。

アラジンオフィス(個別受注型製造業向け原価管理)

製番別原価構成表で不採算物件を早期に見つける

公式サイト ↗

株式会社アイルが提供する在庫・販売・生産管理の基幹業務システムで、個別受注型製造業向けの原価管理パッケージを用意しています。アイルは1991年設立、資本金3億54百万円(2025年7月末時点)、従業員1,075名(連結・2026年4月1日時点)で、東京証券取引所プライム市場に上場しています(証券コード3854)。

原価管理の中核は製番別原価構成表です。仕掛中の物件(案件)の原価を把握でき、不採算物件の早期発見・防止につなげられます。案件が動いている最中に原価の構成を分解して見られることが、原価管理システムを入れる理由になります。

個別受注製造の原価管理に必要な機能を標準装備しています。CAD/Excelからの部品リスト取り込み、受注と発注の同時計上、外注依頼書発行、作業日報入力、ハンディターミナル対応などです。個別受注では案件ごとに部品構成が変わるため、そのつど部品表を手で打ち直していては管理が追いつきません。

受注が決まった時点で必要な部材の発注を立てられるため、発注漏れによる納期遅延や、後追いの発注で原価が膨らむ事態を防げます。外注依頼書の発行にも対応しており、外注費が原価の大きな割合を占める個別受注製造の実務に合わせた構成です。

基本パッケージにオプションを組み合わせて業務形態に合わせられます。鉄鋼・非鉄金属、ねじ製造、自動車部品、印刷業などの製造業で採用され、アラジンオフィス全体では導入5,000社を超えます。原価管理だけの単体製品ではなく基幹業務システムの一部として提供されるため、原価管理と同時に基幹業務を刷新する場合の選択肢になります。料金は公式サイトでは非公開です。

建設WAO(原価管理WAO)

中堅〜大規模の建設企業向け。多軸で原価を分析できる

公式サイト ↗

株式会社チェプロが提供する建設業向け統合ERP「建設WAO」の原価管理モジュールです。チェプロは1997年3月設立、資本金8,530万円で、東京都新宿区西新宿に本社を置きます。

予算・原価・注文・支払・利益をリアルタイムに把握・分析できます。建設業では1つの工事に対して複数の協力会社への注文と支払が発生するため、注文と支払まで同じ仕組みに載っていることが、原価をリアルタイムに確定させる条件になります。

分析の切り口が広いことが特徴です。「マルチディメンジョン集計機能」により、工事・部門・工種など多軸の切り口から戦略的に原価を管理できます。工事別の採算だけを見ていると、どの工種で利益が出ていて、どの部門が原価を押し上げているのかが分かりません。横断で集計できることは、個々の工事の管理から一段上がった経営判断の材料になります。

内部案分処理による詳細な原価配賦にも対応します。共通の資材や重機、間接部門の費用を複数の工事へどう割り付けるかは工事別採算の精度を左右する部分で、案分のルールをシステム側で持てることで担当者ごとの判断のばらつきを抑えられます。

Webシステムとして本社・現場の双方からアクセスできます。建設業は現場が分散するため、事務所に戻らないと原価が入力できない運用では実績が遅れます。

売上101億〜500億円・従業員101〜500名・600ライセンス規模の事例があり、中堅〜大規模の建設企業を主な対象とします。掲載5社のもう1つの建設業向け製品であるどっと原価シリーズが小規模〜中規模を対象としているのに対し、こちらは規模の大きい企業向けです。同社の高速Web技術(Visual WAO等)をベースに開発された自社製品で、料金は公式サイトでは非公開です。

よくある質問

原価管理システムの料金相場はいくらですか?

掲載5社はいずれも1ユーザーあたりの月額ではなく企業単位またはライセンス数帯の定額のため、当メディアでは1ユーザー単価の相場を算出していません。金額を公開している2社で見ると、どっと原価3のクラウド版が利用者1ライセンス月額13,000円(税抜・年額156,000円、ライトは最大5ライセンス)から、GENが業種別エディションの最小構成でGEN TRADING 23,500円〜/GEN FACTORY 23,800円〜/GEN PRODUCTS 24,300円〜(いずれも税別)です。年間コストではどっと原価が156,000円、GENが285,600円になりますが、前者は建設業向け、後者は製造業向けのため直接比べる相手ではありません。TECHS-S・アラジンオフィス・建設WAOは料金非公開です。

建設業向けと製造業向けは何が違いますか?

管理する単位が違います。建設業は工事(プロジェクト)単位で、見積・実行予算・発注・支払・工事原価を紐づけて管理します。どっと原価シリーズと建設WAOがこの方式です。個別受注型の製造業は製番(案件番号)単位で、部品・工数・外注費を積み上げます。TECHS-Sの製番別原価グラフ、アラジンオフィスの製番別原価構成表がこれにあたります。GENは生産管理と一体で、品目ごとの原価に加えて工場間接費や設備償却などの間接費配賦にも対応します。扱う帳票も現場の運用も異なるため、業種の合わない製品は候補になりません。

仕掛かり中の原価は見られますか?

掲載5社の多くが、この点を中心的な機能として掲げています。TECHS-Sは製番別原価グラフによって仕掛中の原価と完成時予測原価をリアルタイムに把握できます。アラジンオフィスは製番別原価構成表で仕掛中の物件原価を把握し、不採算物件の早期発見・防止につなげます。建設WAOは予算・原価・注文・支払・利益をリアルタイムに把握・分析でき、マルチディメンジョン集計機能で工事・部門・工種など多軸から見られます。どっと原価シリーズは見積・実行予算・発注・支払・工事原価を工事単位で一元管理し、原価と利益をリアルタイムに見える化します。

人数が増えると費用はどう変わりますか?

どっと原価3のクラウド版はライセンス数帯で決まります。ライトは1ライセンス月額13,000円で最大5ライセンス、スタンダードは1ライセンス月額23,000円で最大20ライセンス、追加は1ライセンスあたり月7,000円です。ライトを5ライセンスまで使うと 13,000円+7,000円×4=41,000円(1ライセンスあたり8,200円)、スタンダードを20ライセンスまで使うと 23,000円+7,000円×19=156,000円(1ライセンスあたり7,800円)になります。6人目でライトの上限を超えてスタンダードに移ると 23,000円+7,000円×5=58,000円となり、41,000円から1.41倍に跳ねる点に注意が必要です。GENは利用ユーザー数・利用機能に応じて変動するため要問い合わせです。

クラウドと買い切りはどちらを選ぶべきですか?

掲載5社で明確に両方を用意しているのはどっと原価シリーズです。クラウド版(どっと原価3)はライト年額156,000円(税抜)から、オンプレミス版(どっと原価NEO)はソフトウェア本体がLT 850,000円〜/ST 1,100,000円〜(いずれも税抜)にKDSS保守年額が加わります。本体価格だけをクラウド版ライトの年額と比べると 850,000円 ÷ 156,000円 = 約5.45年で並びますが、保守年額が非公開のため実際の分岐点はこれより手前です。TECHS-S・アラジンオフィス・建設WAOもオンプレミス/クラウドの両方に対応しており、いずれも料金は個社見積りです。GENはクラウド専業です。

無料トライアルはありますか?

掲載5社のうち無料トライアルがあるのはGENの1社(20%)で、30日間です。日数を公開しているのもこの1社のみです。どっと原価シリーズは無料相談・体験デモの案内がありますが、無料トライアルの日数は公式に明記されていません。TECHS-S・アラジンオフィス・建設WAOはいずれも無料トライアルの公式記載がなく、問い合わせ・デモでの対応になります。原価管理は自社の工事台帳や部品構成を登録しないと判断できないため、デモの段階で実際の案件を持ち込んで確認するのが実務的です。

まとめ

原価管理システムは、業種で候補がまるごと入れ替わるカテゴリでした。カテゴリ内で最安の2社であるどっと原価シリーズ(年156,000円)とGEN(年285,600円)でさえ、建設業向けと製造業向けでそもそも比較の相手になりません。

判断の順序は次のとおりです。

  1. 業種と管理単位を確定する:建設なら工事単位、個別受注型製造なら製番単位、繰り返し生産なら品目単位
  2. 仕掛かり中に採算が見えるか確かめる:締めてから集計するのでは打つ手がない
  3. 人数とライセンス上限を突き合わせる:どっと原価3は5人目と6人目で月額が1.41倍に跳ねる

建設業で小〜中規模ならどっと原価シリーズ、建設業で中堅〜大規模かつ多軸分析が必要なら建設WAO、製造業でクラウドで小さく始めて間接費配賦まで扱うならGEN、個別受注型の機械・装置業で完成時予測原価まで見たいならTECHS-S、基幹業務ごと刷新する個別受注型製造業ならアラジンオフィス、というのが基本の割り振りです。

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