結論:月額を下げると手数料が上がる。分岐点は自社の月商
アクティビティ予約管理システムは、一般的な予約システムと料金の考え方が違います。月額料金に加えて、予約金額に対する手数料がかかるためです。
しかも本ページ掲載5サービスでは、この2つがトレードオフに設計されています。
| 導入目的 | おすすめのタイプ | 主なサービス |
|---|---|---|
| 取扱額が大きく手数料率を下げたい | 月1,900円+3.5%から月24,900円+1.25%まで。海外OTA20社以上と連携 | JTB BÓKUN |
| OTA経由の売上が中心 | OTA予約と手入力予約は手数料0%。Web直販とB2Bのみ2.5%。7言語・23通貨対応 | rezio(レジオ) |
| 固定費を持つか成果連動かを選びたい | 月額無料・月額制11,000円・成果報酬制の3体系。国内OTAと広く連携 | OMUSUBI(おむすび) |
| 固定費を一切かけたくない | 初期0円・月額固定費0円の純従量制。アソビュー!と在庫をリアルタイム連携 | ウラカタ予約 |
| 天候によるキャンセルが多い | 月額0円・予約件数無制限。手数料3.0%は参加完了後に発生しキャンセル分は不要 | Nutmeg(ナツメグ) |
金額を比べる前に、自社が月にどれだけ売り上げるかを見積もってください。
アクティビティ予約管理システムとは
体験やツアー、アクティビティの予約をWeb上で受け付け、在庫と予約を管理するための仕組みです。一般的な店舗向けの予約システムと違う点が2つあります。
1つはOTA(オンライン旅行代理店)との連携です。ViatorやGetYourGuide、じゃらん、アソビュー!といった予約サイトに在庫を出し、複数の販売経路をまとめて管理します。自社サイトだけで集客するのではなく、外部サイトからの送客を前提としています。
もう1つが料金の構造です。月額の基本料に加えて、予約金額に対する手数料がかかります。予約1件ごとの単価が数千円から数万円になる業種のため、件数ではなく金額に対して課金する形が一般的です。
選び方
1. 月額と手数料のトレードオフを理解する
最も分かりやすいのがJTB BÓKUNです。
- エントリー:月1,900円(税別)+予約手数料 3.5%
- ベーシック:月4,900円(税別)+予約手数料 1.5%
- アドバンス:月24,900円(税別)+予約手数料 1.25%
月額を上げるほど手数料率が下がります。初期導入費用は全プラン0円です。
取扱額が小さいうちは月額の低いプランのほうが総額を抑えられますが、取扱額が増えると手数料の差が月額の差を上回ります。自社の月商を見積もったうえで、月額の差と手数料の差のどちらが大きいかを比べるという判断になります。
OMUSUBIも3つの体系を用意しています。
- フリープラン:月額無料・WEB予約手数料無料・事前決済手数料3.5%(期限なし)
- 月額制プラン:月11,000円(税込)・WEB予約手数料無料・事前決済手数料3.5%
- 成果報酬制プラン:月額無料・WEB予約手数料2.0%・事前決済手数料3.0%
固定費を持つか、成果に連動させるかを選べる構成です。
2. どの経路の予約に手数料がかかるか
これは実務で効く違いです。
rezioのPREMIUM(月11,000円・税込)は、OTA経由の予約と手入力の予約が手数料0%です。手数料がかかるのはWeb直販とB2Bの2.5%だけです。OTAにはOTA側の手数料を支払っているため、システム側で二重に取らない考え方になっています。
OMUSUBIのフリープランと月額制プランはWEB予約手数料が無料で、事前決済を使った場合の3.5%のみです。
Nutmegのベーシックプランでは、予約台帳への手入力や予約管理の機能を無料で使えるとしています。
電話やメールで受けた予約を手入力する運用が多い事業では、手入力分に手数料がかかるかどうかで実際の負担が変わります。
3. キャンセル時に手数料が発生するか
Nutmegのオンライン予約手数料3.0%は、参加が完了した後に発生します。予約が入った時点ではないため、キャンセルになった予約には手数料がかかりません。
ただし事前カード決済やメール決済を使った場合のカード決済手数料3.6%は、キャンセルになっても発生します。
天候によるキャンセルが起きやすい屋外の体験では、この違いが年間の負担に効きます。手数料を抑えたい場合は現地払いの併用やキャンセルポリシーの設定を検討することになります。
4. OTA連携が海外中心か国内中心か
訪日客を狙うのか、国内客が中心なのかで必要な連携先が変わります。
海外OTA中心
- JTB BÓKUN:Viator・GetYourGuide・Klook・Trip.comなど海外OTA20社以上
- rezio:KKday・Viator・GetYourGuide・Klook・Google Things to do
国内OTA中心
- OMUSUBI:沖楽・じゃらん・アソビュー!・アクティビティジャパン(JTB BÓKUNとのシステム連携も可)
- ウラカタ予約:アソビュー!との在庫・予約リアルタイム連携
Nutmegは旅行会社・DMO向けのDXソリューションを提供していますが、具体的なOTA連携先は公式ページ本文で確認できていません。
5. 多言語・多通貨と決済手段
訪日客向けなら言語と通貨、国内客向けなら決済手段の幅が使い勝手を左右します。
rezioは日本語・英語・中国語(簡体/繁体)・韓国語・タイ語・ベトナム語の7言語と23通貨の表示に対応します。掲載5サービスの中で最も具体的に範囲が示されています。
OMUSUBIは決済手段が最も幅広く、クレジットカード4ブランド(VISA/Mastercard/JCB/AMEX)に加えてGoogle Pay・PayPay・後払い(ペイディ)に対応します。言語は英語・繁体字・韓国語です。
ウラカタ予約は公式ページ本文に多言語対応の明示がありません。訪日客向けの運用を想定する場合は確認が必要です。
6. 固定費をかけずに始められるか
月額の基本料を持たずに始められるサービスが3つあります。
- OMUSUBI フリープラン:月額無料・期限なく利用可・WEB予約手数料も無料
- Nutmeg ベーシックプラン:登録料・初期費用・月額とも0円
- ウラカタ予約:初期費用0円・月額固定費0円の純従量制
予約が入らない月に固定費が発生しないという点は、季節変動の大きいアクティビティ事業では実務上の利点になります。
なおNutmegは予約件数の上限を設けていないことを明示しています。一般的な予約システムのように「月◯件まで」でプランが変わる構成とは考え方が異なります。
タイプ別に見る
アドバンスは手数料1.25%。海外OTA20社以上と連携し30日間の無料トライアルあり
OTA予約・手入力予約とも手数料0%。KKdayが開発・運営し7言語23通貨に対応
Google Pay・PayPay・後払い(ペイディ)まで対応。運営10年以上・導入400社以上
固定費なしの純従量制。アソビュー!からの送客を受けながら自社サイトでも予約を受けられる
件数の上限なし・月額0円。手数料は参加完了後に取引額の3.0%
本ページ独自のまとめ
掲載5サービスを調べたうえで、選定時に押さえておきたい点を挙げます。
料金公開率は掲載5サービス中5サービス(100%)です。ただし完全に金額が出ているのは3サービスで、ウラカタ予約はサービス利用料の率、Nutmegは上位プランの月額が公式で確認できていません。
月額だけの比較は成立しません。手数料率が1.25%から3.5%まで開きがあり、月商が大きいほど手数料の差が月額の差を上回ります。逆に月商が小さいうちは、月額無料のプランが総額で有利になります。分岐点は自社の月商次第であり、一律の答えはありません。
手数料がかかる範囲は各社で違います。rezioはOTA経由と手入力が0%、OMUSUBIのフリープランと月額制プランはWEB予約手数料が無料、Nutmegは参加完了後の課金でキャンセル分がかかりません。「手数料3.0%」といった数字だけを並べても、何に対してかかるのかが違えば比較になりません。
季節変動の大きい事業では、固定費の有無が効きます。「体験予約」の検索指数は夏に跳ね上がり冬に落ち込む明確な季節性があり、2026年7月は83、2024年12月は36でした。予約が入らない時期に固定費が発生するかどうかは、年間の負担を左右します。
@card 掲載5サービスの料金公開状況|料金を公開:5サービス(100%・うち一部条件が要問い合わせ:2サービス)/月額無料で始められる:3サービス(OMUSUBI・ウラカタ予約・Nutmeg)/無料トライアルあり:2サービス(40%・日数の明示は1サービス)/予約手数料の幅:1.25%〜3.5%
各サービスの詳細
株式会社JTBが提供するアクティビティ予約管理システムです。同社は1963年11月設立(創業1912年)、資本金1億円の企業で、東京都港区東新橋の汐留シティセンターに本社を置きます。導入は1,000社以上とされています。
料金は月額基本料と予約手数料の組み合わせで、月額を上げるほど手数料率が下がる設計です。エントリーが月1,900円(税別)+予約手数料3.5%、ベーシックが月4,900円(税別)+1.5%、アドバンスが月24,900円(税別)+1.25%となります。初期導入費用は全プラン0円です。
月間の取扱額が小さいうちはエントリー、大きくなるほど上位プランが有利になる構成です。エントリーからベーシックへ上げると月額は3,000円増えますが手数料は2.0ポイント下がるため、3,000円 ÷ 2.0% = 月商15万円が目安になります。自社の月商を見積もったうえで、月額の差と手数料の差のどちらが大きいかを比べてください。
OTA連携の広さも特徴です。Viator・GetYourGuide・Klook・Trip.comといった海外OTAを含め20社以上と連携でき、国内のOMUSUBIとも接続できます。多言語・インバウンド対応を掲げており、訪日外国人の集客を想定した構成です。
30日間の無料トライアルが提供されています。海外からの送客を本格的に取りにいく事業者に向きます。
株式会社KKDAY JAPANが提供するアクティビティ予約管理システムです。同社は東京都新宿区四谷に拠点を置き、アジア最大級の体験予約プラットフォームであるKKdayが開発・運営しています。
手数料の設計に特徴があります。 PREMIUM(月11,000円・税込・30日)では、Web直販とB2Bの予約に2.5%がかかる一方、OTA経由の予約と手入力の予約は0%です。OTAにはOTA側の手数料をすでに支払っているため、システム側では二重に取らないという考え方になっています。
OTA経由の売上比率が高い事業者や、電話・メールで受けた予約を手入力する運用が多い事業者では、この設計が実際の負担に直結します。ADVANCEやENTRYといった下位プランも存在しますが、現行の料金ページ上に月額の表示がありません。
多言語・多通貨対応が具体的です。日本語・英語・中国語(簡体/繁体)・韓国語・タイ語・ベトナム語の7言語と、23通貨の表示に対応します。KKday・Viator・GetYourGuide・Klookに加えて、Google Things to doとも連携します。
無料体験が提供されていますが、期間は料金ページ上に明示されていません。OTA経由の予約が多く、手数料の二重取りを避けたい事業者に向きます。
株式会社SEECが提供するアクティビティ予約管理システムです。同社は2005年10月設立、資本金5,000万円、従業員216名(単体)/240名(グループ)の企業で、東京都渋谷区恵比寿に本社を置きます(沖縄営業所は那覇市泉崎)。運営実績は10年以上、導入400社以上、累計申込20万組以上とされています。
料金体系を3つから選べる点が特徴です。フリープランは月額無料でWEB予約手数料も無料、事前決済手数料のみ3.5%。期限なく利用できます。 月額制プランは月11,000円(税込)でWEB予約手数料無料・事前決済手数料3.5%、成果報酬制プランは月額無料でWEB予約手数料2.0%・事前決済手数料3.0%です。
固定費を持たずに始めたいのか、成果に連動させたいのかを選べる構成です。フリープランに期限がないため、まず無料で運用を始めて様子を見るという進め方が取れます。
国内OTAとの連携が広く、沖楽・じゃらん・アソビュー!・アクティビティジャパンに加えてJTB BÓKUNともシステム連携できます。国内の集客経路を押さえたい事業者に向いた構成です。
決済手段はクレジットカード(VISA/Mastercard/JCB/AMEX)に加えてGoogle Pay・PayPay・後払い(ペイディ)に対応し、掲載5社の中で最も幅があります。英語・繁体字・韓国語にも対応します。
アソビュー株式会社が提供するアクティビティ予約管理システムです。同社は2011年3月14日設立、資本金10億円(資本準備金含む)、従業員約200〜220名の企業で、東京都品川区大崎のゲートシティ大崎イーストタワーに本社を置きます。遊び予約サイト「アソビュー!」を運営しています。
料金は初期費用0円・月額固定費0円で、予約総額に対するサービス利用料のみがかかる純従量制です。掲載5社の中で、月額の基本料を持たない形が最も徹底しています。予約が入らない月に費用が出ることがありません。
ただしサービス利用料の率については公式ページ本文で明示を確認できていないため、問い合わせでの確認が必要です。事前決済を使う場合は、これとは別に決済代行手数料と振込手数料が事業者の負担となります。決済代行は株式会社ペイジェントです。
アソビュー!との在庫・予約のリアルタイム連携に対応しており、同サイトからの送客を受けながら自社サイトでも予約を受けられます。二重予約を避けながら集客経路を増やせる形です。
体験・アクティビティ事業者やレジャー・観光施設、アウトドアガイドといった小規模事業者を想定しています。多言語対応については公式に明示がありません。繁閑の差が大きく、閑散期に固定費を出したくない事業者に向きます。
NutmegLabs Japan株式会社が提供するアクティビティ予約管理システムです。同社は2018年4月23日設立、従業員約22〜25名の企業で、東京都千代田区丸の内の丸の内北口ビルディングに拠点を置きます。
ベーシックプランは登録料・初期費用・月額のいずれもかかりません。 費用は手数料のみで、オンライン予約手数料が取引額の3.0%です。特徴的なのは課金のタイミングで、予約が入った時点ではなく参加が完了した後に発生します。そのためキャンセルになった予約には手数料がかかりません。一方、事前カード決済やメール決済を使った場合のカード決済手数料3.6%は、キャンセルになっても発生します。
予約件数に上限を設けていない点も明示されています。「月◯件まで」という制限がなく、事業の規模を問わず一定の手数料率となるため、費用の見通しを立てやすい構成です。手入力の予約管理も無料の範囲で使えます。
上位にスタンダードプランとプレミアムプランがありますが、月額の金額は公式で数値を確認できていません。取引量が非常に多い場合はエンタープライズプランの専用価格が用意されており、問い合わせでの対応となります。
現地体験事業者やツアー・アクティビティ事業者、旅行会社・DMOを対象としています。キャンセルの発生が多い業態で、確定した参加分にだけ費用を払いたい事業者に向きます。
よくある質問
月額無料で始められるサービスはありますか。
OMUSUBIのフリープラン(月額無料・WEB予約手数料無料・事前決済手数料3.5%)とNutmegのベーシックプラン(登録料・初期費用・月額とも0円)が該当します。ウラカタ予約も初期費用0円・月額固定費0円で、予約総額に対するサービス利用料のみの純従量制です。いずれも月額はかからない代わりに手数料が発生します。
月額と手数料はどちらを重視すべきですか。
月間の取扱額によって変わります。JTB BÓKUNのようにエントリー(月1,900円・税別+3.5%)からアドバンス(月24,900円・税別+1.25%)まで用意されている場合、取扱額が大きいほど手数料率の低い上位プランが有利になります。取扱額が小さいうちは月額の低いプランのほうが総額を抑えられます。
電話やメールで受けた予約にも手数料はかかりますか。
rezioのPREMIUMは手入力の予約が0%です。Nutmegもベーシックプランでは予約台帳への手入力や予約管理の機能を無料で使えるとしています。OMUSUBIのフリープランと月額制プランはWEB予約手数料が無料で、事前決済を使った場合のみ手数料3.5%がかかります。
キャンセルが多い場合に不利にならないサービスはありますか。
Nutmegはオンライン予約手数料3.0%が参加完了後に発生するため、キャンセルになった予約には手数料がかかりません。ただし事前カード決済やメール決済を使った場合のカード決済手数料3.6%はキャンセルでも発生します。手数料を抑えたい場合は現地払いの併用やキャンセルポリシーの設定を検討することになります。
訪日外国人の集客に使えますか。
JTB BÓKUNはViator・GetYourGuide・Klook・Trip.comなど海外OTA20社以上と連携でき、多言語・インバウンド対応を掲げています。rezioは7言語・23通貨の表示に対応し、KKday・Viator・GetYourGuide・Klook・Google Things to doと連携します。OMUSUBIも英語・繁体字・韓国語に対応しています。
予約件数に上限はありますか。
Nutmegは予約件数の上限を設けず、取引額に対する手数料のみとしています。他の4サービスも月額と手数料の組み合わせで、件数の上限を条件としたプラン分けは公式ページ上で確認できません。一般的な予約システムのように「月◯件まで」でプランが変わる構成とは考え方が異なります。
アソビュー!やじゃらんに掲載しながら自社サイトでも予約を受けられますか。
ウラカタ予約はアソビュー!と在庫・予約をリアルタイムに連携し、同サイトからの送客を受けながら自社サイトでも予約を受けられます。OMUSUBIは沖楽・じゃらん・アソビュー!・アクティビティジャパンと連携します。在庫を二重に管理せずに済むかどうかは、連携先が自社の販売経路をカバーしているかで決まります。