税務申告システムのおすすめ(目的別の早見表)
税務申告システムの料金公開率は80%です。年額の月額換算では最低1,817円・中央値2,058円・最高4,750円(n=3)で、従業員数では料金が変わりません。
比べるべきは規模ではなく、電子申告が本体に含まれるかどうかです。ここを見落とすと、本体価格での順位がそのまま逆転します。
| 導入目的 | おすすめのタイプ | 主なサービス |
|---|---|---|
| 自社で申告する小規模法人 | 初年度21,800円・次年度10,000円(税抜)。作成途中まで無料で試せ電子申告データ出力も本体に含む | 全力法人税 |
| 電子申告まで1つの費用で収めたい | iE年57,000円・初期0円で電子申告・電子納税まで社内完結。上場企業向けiSまで3段階 | 申告奉行クラウド[法人税・地方税編] |
| 必要な税目だけ選びたい | 15タイトル32製品から選択。90日無料体験版あり(電子申告は別売36,000円/年) | 法人税の達人(達人シリーズ) |
| 年額課金を避けたい | 掲載5社で唯一の買い切り。1本目63,800円・2本目以降27,500円(いずれも税込) | 魔法陣[法人税・地方税] |
| グループ通算制度に対応したい | 法人税約120別表・地方税約90別表。四半期・税効果計算まで扱う | TKC 法人電子申告システム ASP1000R |
税務申告システムとは?
税務申告システムとは、法人税・地方税・消費税の申告書と別表を作成し、e-Tax(国税)およびeLTAX(地方税)へ電子申告するためのシステムです。
会計ソフトの決算データを取り込み、別表を自動で連動させ、申告書として組み立てる。別表は法人税だけで100を超えます。 手作業で整合を取るには限界があり、システムに任せる領域です。
「法人税申告」の検索需要は5月に山ができます。3月決算法人の申告期限が5月末に集中するためです。
電子申告が別売かどうかで、総額が変わる
ここが判断の中心です。
| サービス | 本体(年額) | 電子申告 | 合計 |
|---|---|---|---|
| 全力法人税 | 初年度 21,800円/次年度 10,000円(税抜) | 本体に含む | 初年度21,800円 |
| 申告奉行クラウド[法人税・地方税編] | iE 57,000円(税別・初期0円) | 本体に含む | 57,000円 |
| 法人税の達人(達人シリーズ) | Light 24,700円(税別・DL版) | 別売 36,000円(税別) | 60,700円 |
| 魔法陣[法人税・地方税] | 買い切り 63,800円(税込・1本目) | 別売 年 26,400円(税込) | 初年度90,200円(税込) |
| TKC 法人電子申告システム ASP1000R | 要問い合わせ | 本体に含む(添付書類も一貫) | 要問い合わせ |
申告書を作れても、送信できなければ完結しません。
法人税の達人は、本体のLight Editionが24,700円/年(税別・DL版)です。掲載5サービスの中でも安く見えます。しかしe-Tax/eLTAXへ送信するには別売の電子申告の達人36,000円/年が必要です。
本体より電子申告のほうが高いのです。 合計は60,700円/年になります。
そしてこの60,700円は、電子申告まで含んで57,000円/年(初期0円)の申告奉行クラウド[法人税・地方税編]iEシステムを上回ります。 本体価格だけを見た順位とは逆になります。
魔法陣[法人税・地方税]も別売で、《魔法陣》電子申告が年26,400円(税込)です。買い切りの本体に対し、電子申告だけが毎年発生する構造になります。
初年度と次年度で、料金が変わる
年額が一定とは限りません。ここも総額を狂わせる要因です。
全力法人税は初年度21,800円(税抜)に対し、次年度以降は10,000円(税抜)です。半額以下になります。
魔法陣[法人税・地方税]は買い切り63,800円(税込)ですが、次年度以降はバージョンアップ29,700円(税込)です。電子申告ライセンス26,400円(税込)と合わせると、2年目以降は年56,100円(税込)になります。
申告奉行クラウド[法人税・地方税編]は、上位プランに初期費用があります。 iEは0円ですが、iAは50,000円、iSは70,000円(いずれも税別・初年度のみ)です。
3年使う前提で総額を出してください。 初年度だけを比べると、判断が変わります。
従業員数では料金が変わらない
このカテゴリの特徴です。
| 従業員数 | 全力法人税 | 法人税の達人 | 申告奉行クラウド |
|---|---|---|---|
| 10名 | 21,804円/年 | 24,696円/年 | 57,000円/年 |
| 50名 | 21,804円/年 | 24,696円/年 | 57,000円/年 |
| 100名 | 21,804円/年 | 24,696円/年 | 57,000円/年 |
※最安プラン・税抜/年払い換算。従業員数に依存しない定額
1事業所あたりの定額、または本数課金だからです。 人数が増えても申告書の枚数は変わりません。人数課金のSaaSとは、費用の伸び方が根本的に違います。
つまり従業員が増えたから乗り換える、という理由は発生しません。 プランを上げる理由になるのは、四半期決算や税効果会計、グループ通算制度といった処理の複雑さのほうです。
誰が使うシステムかで、設計が分かれる
税理士に依頼せず、自社で申告書を作って送信する。監修や自動作成の支援が厚い
企業の税務部門が使う。規模別プランや四半期決算・税効果会計に対応する
税理士・会計士事務所が複数の顧問先を扱う。本数課金やネットワーク運用に対応する
全力法人税は、税理士を置かない前提で設計されています。 元国税調査官・税理士の監修により、法人税・消費税・別表・内訳書・概況説明書を自動作成します。一人社長のマイクロ法人でも進められます。
申告奉行クラウド[法人税・地方税編]は事業会社の税務部門向けで、iE(年57,000円)・iA(年177,000円・初期50,000円)・iS(年264,000円・初期70,000円)の3段です。iSは四半期決算と税効果会計に対応します。
魔法陣[法人税・地方税]は2本目以降が27,500円(税込)と半額以下になり、複数の顧問先を扱う事務所ほど単価が下がります。
TKC 法人電子申告システム ASP1000Rは上場企業・中堅大企業と会計事務所が対象で、法人税約120別表・地方税約90別表に対応します。
最安プランには、機能の欠落があることがある
法人税の達人で注意すべき点です。
最安のLight Edition(24,700円/年・税別)は、他ソフトからのデータ連動ができません。 会計ソフトの決算データを取り込みたいなら、Standard Edition(37,100円/年・税別)以上が必要になります。
電子申告の達人36,000円/年と合わせると、データ連動と電子申告の両方を使う構成は73,100円/年です。Light基準の24,700円からは3倍近くになります。
またStandard EditionのDL版は1台のみインストール可です。複数の担当者が使うなら、ネットワーク運用が可能でインストール台数無制限のProfessional Edition(55,900円/年・税別)が必要です。
「最安プランで足りるか」は、価格表だけでは分かりません。
会計ソフトからデータを取り込めるか
決算データを手で入力し直すのでは、システムを入れる意味が薄れます。
全力法人税は弥生会計・freee・マネーフォワード・会計王の決算データ取り込みに対応します。中小企業で使われる主要な会計ソフトが並びます。
法人税の達人はマネーフォワード クラウド等とAPI連携します。掲載5サービスの中でAPI連携を明示しているのは本サービスです。ただし前述のとおり、データ連動にはStandard Edition以上が必要です。
申告奉行クラウド[法人税・地方税編]は勘定奉行クラウドと連携します。奉行シリーズで揃えている企業では、決算から申告までが同じ基盤でつながります。
自社の会計ソフトが対応リストにあるかを先に確かめてください。
試せるかどうか
掲載5サービスのうち、4社がトライアルを用意しています。
法人税の達人は90日無料体験版です。トライアル期間を日数で明示しているのはこの1社で、決算を1回通してみるだけの時間があります。
全力法人税は申告書の作成までを無料で進められ、出力・印刷時に課金されます。掲載5サービスの中で無料プランを持つのはこの1社です。自社の決算数値で実際に作ってから判断できます。
魔法陣[法人税・地方税]は体験版のダウンロード、申告奉行クラウド[法人税・地方税編]は無料体験(期間は要確認)です。
TKC 法人電子申告システム ASP1000Rは無料トライアルの公表がありません。 料金も非公開のため、資料請求や問い合わせから検討が始まります。
各サービスの詳細
ジャパンネクス株式会社が提供するクラウド型の法人税申告システムです。同社は2015年4月6日設立、資本金300万円の企業で、神奈川県鎌倉市小町に拠点を置きます。
初年度21,800円(税抜)・次年度以降10,000円(税抜)と、掲載5社の中で最も低い料金水準にあります(10%割引キャンペーン適用時は初年度19,620円)。
申告書の作成までを無料で進められ、出力・印刷時に課金されるフリーミアム型です。掲載5社の中で無料プランを持つのは本サービスだけです。実際に自社の数字で作ってみてから、支払うかを決められます。
電子申告のためのデータ出力が本体に含まれます。 法人税の達人が別売の電子申告の達人36,000円/年(税別)を必要とするのに対し、追加費用なしでe-Tax(国税)・eLTAX(地方税)へ取り込むデータを出力できます。
想定利用者は自社申告の小規模法人や一人社長のマイクロ法人です。元国税調査官・税理士の監修により、税理士に依頼せず申告する前提で設計されています。法人税・消費税・別表・内訳書・概況説明書を自動作成し、弥生会計・freee・マネーフォワード・会計王の決算データを取り込めます。ブラウザ完結でインストールは不要です。複数事業所は7,980円(税抜・割引時6,980円)の追加です。
株式会社オービックビジネスコンサルタント(OBC)が提供するクラウド型の税務申告システムです。同社は1980年12月設立(1981年7月事業開始)、資本金105億1,900万円、従業員1,356名(2026年4月1日現在)で、東京都新宿区西新宿の住友不動産新宿オークタワーに本社を置き、東京証券取引所プライム市場に上場しています(証券コード4733)。
電子申告から電子納税までを社内で完結できます。料金は企業規模別の3プランで、iEシステムが月額4,750円/年額57,000円・初期費用0円、iAシステムが月額14,750円/年額177,000円・初期費用50,000円、iSシステムが月額22,000円/年額264,000円・初期費用70,000円(いずれも税別)です。
電子申告が別売でない点が、実質の価格差を生みます。 法人税の達人はLight Edition 24,700円/年(税別・DL版)に別売の電子申告の達人36,000円/年を足すと60,700円/年となり、iEシステムの57,000円/年を上回ります。本体価格だけを見た順位とは逆になります。
上位のiSシステムは四半期決算と税効果会計に対応し、大法人・上場企業を想定しています。法人税・地方法人税・住民税・事業税の申告書を作成でき、勘定奉行クラウドと連携します。会社の成長に合わせてプランを上げていける設計です。公式サイトに無料体験の記載があります(期間は要確認)。
株式会社NTTデータが提供する税務申告ソフトです(達人シリーズ)。同社は2022年11月1日設立、資本金10億円で、東京都江東区に拠点を置きます。親会社のNTTデータグループはNTT株式会社による完全子会社化に伴い2025年9月26日をもって東証プライム市場を上場廃止となり、現在の上場企業はNTT株式会社です(東証プライム9432)。
15タイトル32製品から必要な税目を選んで導入できます。料金はLight Edition 24,700円/年、Standard Edition 37,100円/年、Professional Edition 55,900円/年(いずれも税別・DL版)の3段です。Lightは他ソフトからのデータ連動が不可、Standardは連動対応で1台のみ、Professionalは連動対応でネットワーク運用が可能かつインストール台数無制限です。
注意すべきは電子申告です。 e-Tax(国税)・eLTAX(地方税)へ送信するには、別売の電子申告の達人36,000円/年(税別)が必要です。本体のLight Edition 24,700円/年より高く、合計60,700円/年となります。
この合計は、電子申告まで含んで57,000円/年(税別・初期0円)の申告奉行クラウド[法人税・地方税編]iEシステムを上回ります。 本体価格だけを見た順位とは逆になるため、電子申告を含めた総額で比べてください。
90日無料体験版が用意され、掲載5社の中で最も長く試せます。クラウド連携サービスの達人Cube経由で一括署名・一括送信ができ、マネーフォワード クラウド等とのAPI連携も公表されています。
株式会社ハンドが提供する申告書作成ソフトです。同社は1991年10月設立、資本金3,550万円で、大阪市北区梅田のハービスENTオフィスタワーに拠点を置きます。
掲載5社の中で唯一、年間ライセンスではなく買い切りの料金体系をとります。法人税・地方税は1本目が63,800円(税込・税抜58,000円)、2本目以降が27,500円(税込・税抜25,000円)です。バージョンアップは1本目29,700円(税込)、2本目以降8,800円(税込)です。消費税は2本目以降11,000円(税込)で追加できます。
2本目以降が1本目の43%まで下がるため、複数の法人を扱う事務所ほど有利になります。
電子申告は別売です。 《魔法陣》電子申告のライセンスが年26,400円(税込)で、e-Tax(国税)・eLTAX(地方税)への読み込み・署名・送信・メッセージ確認までを扱います。買い切りの本体に対し、電子申告だけが年額で発生する構造になります。
税理士・会計士が開発したソフトで、想定利用者は税理士・会計士事務所と大手企業の税務部門です。法人税・消費税・所得税・相続税をラインナップし、複数の税目を本数単位で揃えられます。体験版をダウンロードして試用できます。
株式会社TKCが提供するクラウド型の税務申告システムです。同社は1966年10月22日設立、資本金57億円、従業員は連結2,964名(2025年9月30日現在/単体2,458名)で、栃木県宇都宮市鶴田町に本社を置き、東京証券取引所プライム市場に上場しています(証券コード9746)。
上場企業・中堅大企業の税務部門と、税理士・会計士事務所を対象としています。
扱える別表の数が掲載5社の中で際立ちます。法人税は約120別表、地方税は約90別表に対応し、消費税も扱います。大法人の申告で必要になる別表を網羅する設計です。
グループ通算制度と四半期・税効果計算に対応します。申告奉行クラウド[法人税・地方税編]では最上位のiSシステム(年264,000円・初期70,000円・税別)が四半期決算と税効果会計に対応しますが、本サービスはさらにグループ通算制度まで扱います。 グループ会社を束ねて申告する必要があるなら、対応の有無が候補を絞ります。
140項目超の税法エキスパートチェックと別表の自動連動を備え、添付書類を含めてe-Tax/eLTAXへ一貫して電子申告できます。
料金は公式非公開で、個社見積りです。 掲載5社の料金公開率は80%で、非公開はこの1社です。無料トライアルの公表もなく、資料請求や問い合わせから検討が始まります。
よくある質問
税務申告システムの料金はいくらですか?
年額の月額換算で最低1,817円・中央値2,058円・最高4,750円です(n=3)。年額では全力法人税が初年度21,800円・次年度以降10,000円(いずれも税抜)、法人税の達人がLight Edition 24,700円〜(税別・DL版)、申告奉行クラウド[法人税・地方税編]がiEシステム57,000円(税別・初期0円)です。魔法陣[法人税・地方税]は買い切りで1本目63,800円(税込)、TKC 法人電子申告システム ASP1000Rは要問い合わせです。
電子申告は本体料金に含まれますか?
含まれないサービスがあります。法人税の達人はe-Tax/eLTAXへの送信に別売の電子申告の達人36,000円/年(税別)が必要で、本体のLight Edition 24,700円/年を上回ります。魔法陣[法人税・地方税]も別売の《魔法陣》電子申告が年26,400円(税込)です。申告奉行クラウド[法人税・地方税編]、全力法人税、TKC 法人電子申告システム ASP1000Rは電子申告まで対応します。
従業員数で料金は変わりますか?
変わりません。掲載5サービスは1事業所あたりの定額、または本数・プラン単位の課金です。従業員10名でも100名でも、全力法人税は年21,804円、法人税の達人は年24,696円、申告奉行クラウド[法人税・地方税編]は年57,000円(いずれも最安プラン・税抜/年払い換算)で同額です。
無料で試せますか?
掲載5サービスのうち4社がトライアルを用意しています。法人税の達人は90日無料体験版、魔法陣[法人税・地方税]は体験版のダウンロード、申告奉行クラウド[法人税・地方税編]は無料体験(期間は要確認)です。全力法人税は申告書の作成までを無料で進められ、出力・印刷時に課金される形です。TKC 法人電子申告システム ASP1000Rは無料トライアルの公表がありません。
会計ソフトのデータを取り込めますか?
取り込めます。全力法人税は弥生会計・freee・マネーフォワード・会計王の決算データに対応します。法人税の達人は達人シリーズ各タイトルとマネーフォワード クラウド等とのAPI連携、申告奉行クラウド[法人税・地方税編]は勘定奉行クラウドとの連携に対応します。TKC 法人電子申告システム ASP1000RはTKC会計システムや他社会計データからの取り込みに対応します(詳細は要問い合わせ)。
グループ通算制度や税効果会計に対応していますか?
上位のサービスが対応します。TKC 法人電子申告システム ASP1000Rはグループ通算制度と四半期・税効果計算に対応し、法人税約120別表・地方税約90別表を扱います。申告奉行クラウド[法人税・地方税編]は最上位のiSシステム(年264,000円・初期70,000円・税別)が四半期決算と税効果会計に対応します。