ファイル転送サービス
ファイル転送サービスは、メールに添付できない大きなファイルを社外とやり取りするためのサービスです。当メディアが掲載5社を調べたところ料金公開率は100%(5/5)でしたが、当メディアの集計による年間費用は2,160円から597,600円まで約277倍の開きがありました。この差は容量ではなく、誰が何を送ったかを管理する仕組みに対する対価です。
ファイル転送サービスとは
ファイル転送サービスの料金を並べると、年間2,160円から597,600円まで約277倍の開きがあります(いずれも当メディアの集計・税抜換算)。掲載5社はすべて料金を公開しており、公開率は100%(5/5)でした。
妙なのは、金額と容量が対応していない点です。年間2,160円のギガファイル便は1ファイル最大300GBまで送れます。一方、年間180,000円のBizストレージ ファイルシェアは1回あたり最大2GBです。83倍の金額を払って、送れる容量は150分の1になります。
この逆転が起きるのは、法人向けのサービスが売っているものが容量ではないからです。上長による送信承認、アクセスログ、IPアドレス制限、二要素認証といった、誰が何を社外に送ったかを管理する仕組みに費用がかかっています。無料で使えるサービスにはこの部分がありません。
この記事では、まず自社に管理の仕組みが要るのかを切り分け、そのうえで課金の単位・1ファイルの上限・セキュリティ機能・第三者認証を整理しました。公開されている数値だけを使って比較します。
ファイル転送サービスの検索需要トレンド
「ファイル転送」の検索指数は直近25か月で60〜90の範囲を推移し、平均は77.4でした。前半12か月の平均83.7に対し後半12か月は70.7で、15%ほど下がっています。最大は2024年9月の90、最小は2025年12月の60です。2025年12月に80から60へ落ちて以降、70前後の水準が続いています。(出典:Googleトレンド/キーワード「ファイル転送」)
ファイル転送サービスの選び方の要点
掲載5社は性格で2つに分かれます。 手軽な受け渡し型は、ギガファイル便とfirestorageの無料版です。会員登録なしで大きなファイルを送れます。ギガファイル便はダウンロードパスワード、保持期間(最大100日)、削除キーを備えますが、認証や上長承認といった法人向けの管理機能は限定的です。 管理型は、Bizストレージ ファイルシェア、GigaCC、Smooth File、firestorageの法人プランです。上長による送信承認、アクセスログ、IPアドレス制限などを備え、誰が何を社外に送ったかを追えます。 取引先との契約で送信履歴の管理を求められる場合や、情報漏えい対策として承認を挟みたい場合は後者になります。社内の各自が自由に大きなファイルを送ってよい環境なら前者で足ります。
当メディアの集計による年間費用(税抜換算・各社の最安プラン)は次のとおりです。 ・ギガファイル便 スタンダード:2,160円 ・Smooth File ユーザーライセンスプラン(100GB・10ライセンス):120,000円 ・GigaCC ASP STANDARD(10ID):144,000円 ・Bizストレージ ファイルシェア(1GByte):180,000円 ・firestorage 法人プラン5(1TB・100アカウント):597,600円 最安と最高では597,600 ÷ 2,160 = 約277倍の開きです。ただし前提がそろっていません。容量は1GBから1TBまで、ID数は10から100までばらついています。 初期費用も別途かかります。GigaCCが50,000円(税別)、Smooth Fileが55,000円(税込)、firestorageが55,000円(税込)です。Bizストレージ ファイルシェアは料金ページ上に初期費用の記載がなく、ギガファイル便は初期費用がありません。
何GBまで一度に送れるかは各社で大きく異なります。 ・ギガファイル便:1ファイル最大300GB(容量無制限) ・firestorage:無料版は1ファイル最大300GiB、法人プランは1ファイル10GB(カスタム可、一部300GB対応) ・Smooth File:1回あたり最大15GB ・Bizストレージ ファイルシェア:1回あたり最大2GB ・GigaCC:公式サイトに1ファイルまたは1回の上限の明記を確認できず ギガファイル便の300GBとBizストレージ ファイルシェアの2GBでは150倍の差があります。金額が高いほど大きく送れるわけではありません。 映像データや設計データなど、数十GB単位のファイルを日常的に扱う場合は、法人向けサービスでも上限が足りるかを先に確認しておく必要があります。
法人向けサービスが備える管理機能の内訳は各社で異なります。 GigaCCは暗号化、上長(送信)承認ワークフロー、ウイルスチェック、アクセスログ、IPアドレス制限、二要素認証を備えます。掲載5社の中で二要素認証まで公式に挙げているのはGigaCCです。 Smooth FileはSSL通信暗号化、ファイル暗号化、ウイルスチェック、アクセス元IP制限、ワークフロー・操作権限設定、ログ管理に加えてWAFを標準搭載します。 Bizストレージ ファイルシェアは送信承認、アクセスログ、暗号化通信(SSL)、ウイルスチェック、ID/パスワード認証を備えます。社外の相手はアカウント不要で受信できます。 firestorageは全プランでウイルスチェックに対応し、法人プランは専用回線・専用サーバを使います。 ギガファイル便はダウンロードパスワード、保持期間(最大100日)、削除キーで、認証や上長承認は限定的です。
官公庁や金融など、調達の要件が厳しい場合は認証の有無が効いてきます。 Smooth FileはISMAP(政府情報システムのためのセキュリティ評価制度)に登録され、ASP・SaaS認証、ISO27001:2022/ISO9001:2015を運営会社が取得しています。掲載5社の中でISMAP登録を公式に掲げているのはSmooth Fileです。 GigaCCは運営会社がプライバシーマークを取得し、国内開発・国内データ保管を掲げています。firestorageもプライバシーマークを取得しています。 提供形態も分かれます。Smooth Fileはクラウド(SaaS)に加えてアプライアンスと仮想アプライアンスを提供しており、自社の環境に置く構成を選べます。残る4社はクラウドでの提供です。 ネットワークを分離した環境で使う必要がある場合、この提供形態の違いが選択肢を絞ります。
ファイル転送サービスの比較一覧(全5サービス)
GigaFile便(ギガファイル便)
月額198円〜株式会社ギガファイルが運営する、ユーザー登録不要で使える無料の大容量ファイル転送サービス。容量無制限(1ファイル最大300GBまで)で、アップロード後は最大100日間ファイルを保持できる。広告収益型で基本は無料。広告非表示のスタンダード月額198円(税込)、相手側も広告非表示にできるプレミアム月額999円(税込)の少額有料プランもある。
Smooth File(スムースファイル)
月額11,000円〜株式会社CYLLENGE(旧プロット)が提供する、企業間・拠点間の大容量ファイル転送&共有システム。1回あたり最大15GBの転送に対応し、SSL暗号化・ウイルスチェック・IP制限・ワークフロー・ログ管理・WAF標準搭載などのセキュリティを備える。クラウド/アプライアンス/仮想アプライアンスから選べ、ユーザー無制限プランは月額33,000円(税込)から。導入300社以上。
GigaCC(ギガシーシー)
月額12,000円〜日本ワムネットが提供する国産の企業間ファイル共有・転送サービス。2002年提供開始で累計1,000社以上の導入実績を持つ。暗号化・上長承認・ウイルスチェック・アクセスログ・IP制限・二要素認証などのセキュリティを備え、料金は初期費用50,000円+ID帯ごとの月額定額。STANDARDプランは10ID月額12,000円(税別)から。
Bizストレージ ファイルシェア
月額15,000円〜NTTドコモビジネス(NTTコミュニケーションズ)が提供する法人向けの安全なファイル転送・受け渡しサービス。Webブラウザから最大2GBのファイルを送受信でき、相手がアカウントを持たなくても受信できる。ディスク容量帯ごとの月額定額制で、1GByteプランは1,000IDまで利用でき月額15,000円(税抜)から。2週間の無料トライアルあり。
firestorage(ファイヤーストレージ)
月額54,780円〜ロジックファクトリーが運営する無料オンラインストレージ/ファイル転送サービス。無料の「おくる」機能は登録不要で1ファイル最大300GiBまで送信でき、保存期間は3時間〜14日。全プランでウイルスチェックに対応し、独自暗号化技術を持つ。法人向けは専用回線・サーバの「法人プラン」を用意し、最安のプラン5(1TB・100アカウント)は月額54,780円(税込)から(ユーザー数無制限は専用サーバーの上位プラン)。
掲載は無料掲載と有料掲載の2つです。無料掲載は1カテゴリまでで、相互リンクのご協力が必要。 有料掲載は月額20,000円(税抜)で相互リンクが不要になり、この一覧とおすすめ比較記事の最上部に固定して掲載します。 「料金改定を反映してほしい」といった訂正のご相談も同じ窓口で、こちらは費用はかかりません。