アドフラウド対策ツール

アドフラウド対策比較5選|入札前に弾くか来たものを判定するか

アドフラウド対策は広告の入札前に弾くプリビッド型と自社サイトで訪問者を判定する型に分かれます。料金を公開しているのはSpider AFのみで月30,000円から、無料診断で被害額を確認できます。

結論:検知する「場所」が2通りある

アドフラウド対策ツールは、どこで不正を止めるかで2つに分かれます。

入札前に弾く(プリビッド型)

  • Integral Ad Science(IAS):主要DSP・SSPと統合し、広告の呼び出し時にリアルタイムでフィルタリング
  • DoubleVerify(DV):プリビッドでの回避からポストビッドのモニタリング・ブロックまで

自社サイトで訪問者を判定する(タグ設置型)

  • Spider AF:ランディングページとコンバージョンページにタグを設置して自動ブロック
  • HYTRA HORNET:流入トラフィックを解析し、不正ユーザーを除外オーディエンスに設定
  • CHEQ:訪問者ごとに2,000超のチェックで人間とbotを判別
導入目的おすすめのタイプ主なサービス
費用を把握してから始めたい掲載5社で唯一の料金公開。月30,000円(年払い)から・無料診断で被害額を可視化Spider AF
国内の広告環境に合わせたい2014年創業の国内初アドベリ事業者。日本語特化の解析と無償診断HYTRA HORNET
フォーム不正や乗っ取りも防ぎたい訪問者ごと2,000超のチェック。誤検知率0.009%未満・世界15,000社以上CHEQ
出稿の前段で無駄をなくしたい1日100億超のインプレッションを分析。TAG認証を業界初取得Integral Ad Science(IAS)
大規模な配信を横断的に守りたい毎日200億超をAI分析。MRC認定のAuthentic Ad®を持つDoubleVerify(DV)

広告主として自分のサイトを守るのか、配信の仕組み全体で対策するのか。ここが最初の分岐です。

アドフラウド対策ツールとは

広告費が実際には成果につながらない不正なトラフィックに使われるのを防ぐためのツールです。

代表的な不正には、botによる自動クリック、データセンターからのアクセス、位置情報を偽装するジオマスキング、同一IPからの重複クリック、デバイスの偽装などがあります。これらは広告の管理画面上では通常のクリックやインプレッションとして計上されるため、対策しない限り気づけません。

業界では無効トラフィックをGIVT(一般無効トラフィック)とSIVT(高度な無効トラフィック)に分けて扱います。前者は既知のbotなど比較的判別しやすいもの、後者はより巧妙に人間を装うものです。

選び方

1. 入札前に弾くか、来たものを判定するか

これが最も根本的な違いです。

IASとDoubleVerifyは、広告の入札前にリアルタイムでフィルタリングします。不正な在庫にそもそも入札しないという考え方で、主要なDSPやSSP、ソーシャルプラットフォームと統合されています。配信後に検証するポストビッドにも対応します。

Spider AF・HYTRA HORNET・CHEQは、自社サイトにタグを設置して訪問者を判定します。すでに来てしまったトラフィックを人間かbotか判別する形です。

大量に出稿していて配信の仕組み側から対策したいならプリビッド型、自社サイトへの流入を守りたいならタグ設置型という分け方ができます。

2. 料金を公開しているのは1サービスだけ

Spider AFのみが金額を公開しています。

  • アドフラウド対策 Performance:年払いで月 30,000円(月払いは37,500円)
  • アドフラウド対策 Elite:年払いで月 90,000円(月払いは112,500円)
  • Enterprise:別途見積り

月間の解析クリック数によって決まり、年払いを選ぶと20%の割引となります。

IAS・DoubleVerify・CHEQ・HYTRA HORNETはいずれも金額を公開しておらず、個別の見積りです。概算を並べて比較するという進め方が取れません。

3. 課金の基準が広告規模に連動するか

  • Spider AF:月間の解析クリック数による帯課金(SiteScanは保護ドメイン数)
  • IAS・DoubleVerify:インプレッション量に連動する従量課金
  • CHEQ:分析するトラフィック量にもとづく契約
  • HYTRA HORNET:ヒアリングと診断を経ての個社見積り

広告への投下量が増えるほど費用も上がる構造です。出稿を拡大する予定がある場合は、増え方を確認しておく必要があります。

なおSpider AFの転売対策は1コンバージョンあたり10円(税抜・月間最低10,000円・上限1,000CV)という別の課金体系です。Proは5円/CV(月間最低100,000円)、リアルタイムブロックは月100,000円の追加となります。

4. 広告以外の不正まで対象にするか

対象とする範囲が各社で異なります。

広告の無効トラフィックに特化

  • IAS・DoubleVerify:GIVT・SIVTの検知が中心

広告以外もカバー

  • Spider AF:アドフラウド+不正リード対策+サイト改ざんを検知するSiteScan+転売対策
  • CHEQ:広告フラウド+フォーム不正+アカウント乗っ取り+合成ID

広告費の無駄をなくしたいのか、サイト全体の不正を減らしたいのかで必要な範囲が変わります。

5. 契約前に被害状況を確認できるか

Spider AFは無料診断で現状のアドフラウド被害額を可視化できるとしています。HYTRA HORNETも導入フローの中で無償の診断を実施します。

この2サービスは契約前に自社がどれだけ影響を受けているかを把握できるため、投資の判断材料を得やすい構成です。アドフラウドは「対策しないと被害が見えない」性質があるため、この診断の有無は実務上大きな差になります。

IAS・DoubleVerify・CHEQは公開されたトライアルがなく、問い合わせからの検討となります。

6. 国内向けの支援があるか

Spider AFは日本人の専任カスタマーサクセスが、管理画面の操作から媒体への返金交渉まで伴走するとしています。不正なクリックを検知したあと、実際に媒体へ返金を求める交渉は手間がかかる部分です。

HYTRA HORNETは2014年創業の国内初のアドベリフィケーション事業者で、日本語に特化した解析技術を掲げています。

CHEQは日本法人としてチェク・ジャパン株式会社があります。IASは日本でPlatform One MarketOneなどとの連携実績があります。

タイプ別に見る

まず被害額を知りたい

無料診断で可視化。75以上の広告ネットワークに対応し導入600社以上・継続率99%

Spider AF
国内媒体中心に出稿している

Google広告・Yahoo!広告・主要SNSに対応。除外オーディエンス設定で再配信も防ぐ

HYTRA HORNET
会員登録や問い合わせの不正も多い

広告フラウドに加えフォーム不正・アカウント乗っ取り・合成IDに対応

CHEQ
新種のbotに追随したい

Threat Labが404bot等を継続追跡。決定論的bot抑制と機械学習を組み合わせる

Integral Ad Science(IAS)
動画やCTVを含め横断的に守りたい

プリビッドからポストビッドまで保護。毎日1,600万超の疑わしいデバイスを識別

DoubleVerify(DV)

本ページ独自のまとめ

掲載5サービスを調べたうえで、検討時に押さえておきたい点を挙げます。

料金公開率は掲載5サービス中1サービス(20%)です。Spider AFのみが月30,000円(年払い)からという金額を示し、残る4サービスは個別見積りです。広告の規模によって費用が変わる構造のため一律に示しにくい面はありますが、比較の入口としては情報が限られます。

「対策しないと被害が見えない」性質があります。アドフラウドは管理画面上では通常のクリックとして計上されるため、導入前に自社の被害額を把握することが難しい領域です。Spider AFとHYTRA HORNETが無料診断を用意しているのは、この性質に対応したものといえます。

検知する場所によって、守れる範囲が違います。プリビッド型は入札前に弾くため広告費そのものを節約できますが、自社サイトへの直接的な不正流入は対象外です。タグ設置型はサイトを守りますが、すでに支払われた広告費は戻りません。Spider AFが媒体への返金交渉まで伴走するとしているのは、この点への対応です。

広告以外の不正まで含めるかで候補が変わります。Spider AFの不正リード・転売対策、CHEQのフォーム不正・アカウント乗っ取りは、広告費の無駄とは別の課題です。両方が問題になっているなら、この2サービスが対象になります。

@card 掲載5サービスの料金公開状況|料金を公開:1サービス(20%・Spider AF)/個別見積り:4サービス/無料診断あり:2サービス(40%・Spider AF/HYTRA HORNET)/無料トライアル・無料プラン:0サービス/課金の基準:解析クリック数1・インプレッション量2・トラフィック量1・個社見積り1

各サービスの詳細

Spider AF

掲載5社で唯一の料金公開。無料診断と媒体への返金交渉まで伴走

公式サイト ↗

Spider Labs, Inc.(株式会社Spider Labs、旧Phybbit)が提供するアドフラウド対策ツールです。同社は2011年4月設立、資本金9,000万円の企業で、東京都港区南青山に本社を置きます(シリーズAで3.2億円/2019年11月、シリーズBで5.5億円/2021年10月を調達)。

掲載5社の中で唯一、料金を公開しています。 アドフラウド対策はPerformanceが年払いで月30,000円(月払いは37,500円)、Eliteが年払いで月90,000円(月払いは112,500円)で、月間の解析クリック数によって決まります。Enterpriseは別途見積りです。年払いを選ぶと20%の割引となります。

アドフラウド以外のメニューも持ちます。不正リード対策はBasicが年払いで月30,000円、上位のPlusが100,000円、Proが150,000円。サイト改ざんを検知するSiteScanはStandardが年払いで月30,000円で、保護対象のドメイン数によって決まります。転売対策は1コンバージョンあたり10円(税抜・月間最低10,000円・上限1,000CV)という従量制で、Proは5円/CV(月間最低100,000円)、リアルタイムブロックは月100,000円の追加です。

無料診断によって現状のアドフラウド被害額を可視化できる点と、日本人の専任カスタマーサクセスが管理画面の操作から媒体への返金交渉まで伴走する点が特徴です。検知して終わりではなく、支払った広告費を取り戻すところまでを扱います。

Google・Yahoo!・Meta・Microsoftなど75以上の広告ネットワークに対応し、導入600社以上・継続率99%としています。中小から大手の広告主・広告代理店・EC事業者を対象としており、金額を確認してから検討したい企業に向きます。

HYTRA HORNET

2014年創業の国内初アドベリ事業者。日本語特化の解析と無償診断

公式サイト ↗

Momentum株式会社が提供するアドフラウド対策ツールです。同社は2014年10月設立、資本金51,495,251円(2023年5月末時点)で、東京都港区虎ノ門の虎ノ門ツインビルディングに本社を置きます。2014年創業の国内初のアドベリフィケーション事業者とされています。

サイトへの流入トラフィックを解析し、botや不正なクリック・表示を行う不正ユーザーを特定します。特定した不正ユーザーは除外オーディエンスとして設定でき、再訪問や再配信を防げます。検知して終わりではなく、その後の配信から除外するところまでを扱う構成です。

独自のデータベースと日本語に特化した解析技術、AIによる検知を掲げています。日本市場の広告環境を前提とした対策という位置づけで、海外発の製品とは検知の土台が異なります。Google広告・Yahoo!広告・主要なSNS媒体に対応します。

料金は公開されておらず、ヒアリングと診断を経ての個社見積りです。ただし導入フローの中で無償の診断を実施するため、契約前に自社の状況を確認できます。ヒアリングから診断・導入・運用までの6段階のフローで支援します。

HYTRA APIのサーバ基盤を活用することで導入の障壁を下げているとしています。国内媒体への出稿が中心で、日本語環境に合った検知を求める企業に向きます。

CHEQ

訪問者ごと2,000超のチェック。広告以外にフォーム不正や乗っ取りも対象

公式サイト ↗

CHEQ AI Technologies Ltd.(日本法人はチェク・ジャパン株式会社)が提供するサービスです。2016年設立の企業で、本社はイスラエル・テルアビブ、日本オフィスは東京・丸の内にあります。従業員は約260名(2026年4月時点・第三者情報)、累計資金調達は183百万USDです。

世界15,000社以上が利用し、100万を超えるドメインを監視しているとしています。訪問者ごとに2,000を超えるチェックを行い、人間とbotをリアルタイムで判別します。TCP/IPのフィンガープリントやデバイス・ブラウザの偽装検知といったトラフィック解析を組み合わせており、誤検知率は0.009%未満としています。

対象とする範囲が広い点が特徴です。 広告フラウド(顧客獲得の不正)に加えて、フォームの不正、アカウントの乗っ取り、合成IDまでを扱います。アクイジション・フォーム保護・アナリティクス・防御という統合モジュールとして提供されるため、広告費の無駄だけでなくサイト側の不正まで一つの仕組みで抑えたい場合に候補になります。

導入はJavaScriptタグまたはAPI連携で行います。料金は分析するトラフィック量にもとづく個別契約で、公開されていません。公開されたトライアルの明記もないため、問い合わせからの検討となります。

マーケティングチームのほか、EC・SaaS・金融などで採用されています。日本法人があるため、国内での契約とサポートを求める企業でも検討しやすい構成です。

Integral Ad Science(IAS)

1日100億超のインプレッションを分析。TAG認証を業界初取得

公式サイト ↗

Integral Ad Science Holding Corp.が提供する広告検証サービスです。2009年設立、米国ニューヨークに本社を置き、東京ほか世界各地に拠点があります。従業員は約880名です。2021年6月にNasdaqへ上場していましたが、Novacapによる買収に伴い2025年12月23日に上場廃止・非公開化されています。

1日あたり100億を超えるインプレッションを分析しているとしています。検知のアプローチが多層的で、行動、ネットワーク・ブラウザ・デバイス、専門調査という複数の観点を組み合わせ、決定論的なbot抑制と動的な機械学習を独自に組み合わせています。またThreat Labによって404botのような新種のbotを継続的に追跡しています。

広告の呼び出し時にリアルタイムのシグナルでフィルタリングするプリビッドに対応し、配信後のポストビッド計測も扱います。無駄な入札を事前に止める形と、配信結果を検証する形の両方を持てます。

業界初のTAG Certified Against Fraud Sealを取得しており、IVT検知でMRC認定も受けています。第三者認証の有無は、掲載5社の中で判断材料の差になります。大手競合と比べて90.8%多くbotトラフィックを特定したと主張しています。

主要なDSPやSSP、ソーシャルプラットフォームと連携し、日本ではPlatform One MarketOneなどとの連携実績があります。料金はインプレッション量に連動する従量課金でUSD建ての個別契約です。大手広告主・広告代理店・パブリッシャーを対象としています。

DoubleVerify(DV)

毎日200億超のインプレッションをAI分析。MRC認定の独自指標を持つ

公式サイト ↗

DoubleVerify Holdings, Inc.が提供する広告検証サービスです。2008年設立、米国ニューヨーク(28 Crosby Street)に本社を置き、NYSEに上場しています(ティッカーDV・2021年4月IPO)。

毎日200億を超えるインプレッションをAIで分析し、2,000を超えるクライアントを持つとしています。毎日1,600万を超える疑わしいデバイスシグネチャを識別しているとしており、掲載5社の中で分析量の規模が最も大きく示されています。上位のグローバル広告主の多くが利用しているとされています。

プリビッドでの回避からポストビッドでのモニタリングとブロックまで、配信の前後を通して保護する構成です。主要なDSPやソーシャルプラットフォームへ横断的に統合されているため、媒体をまたいで同じ基準で検証できます。

MRC(Media Rating Council)に認定された独自指標のAuthentic Ad®を持ち、人による視聴とブランドの適合性を評価します。認証面ではMRC認定(デスクトップ/モバイルウェブ/アプリ/CTV)に加え、TAG認定を2016年から毎年、JICDAQ認定を2021年から毎年取得しています。国内基準であるJICDAQの認定を継続して取得している点は、日本での出稿でも判断材料になります。

料金はインプレッション単位の従量課金で、金額は公開されていません。USD建ての個別契約となります。媒体をまたいで大規模に出稿しており、第三者認証を重視する広告主に向きます。

よくある質問

料金の目安はどれくらいですか。

公開されているのはSpider AFのみで、アドフラウド対策のPerformanceが年払いで月30,000円(月払いは37,500円)、Eliteが年払いで月90,000円(月払いは112,500円)です。月間の解析クリック数によって決まり、Enterpriseは別途見積りです。IAS・DoubleVerify・CHEQ・HYTRA HORNETは金額を公開していません。

プリビッドとポストビッドの違いは何ですか。

プリビッドは広告の入札前に不正な在庫をフィルタリングする方式で、そもそも不正なところへ出稿しないという考え方です。ポストビッドは配信後に検証する方式です。IASとDoubleVerifyは両方に対応し、主要なDSPやSSP、ソーシャルプラットフォームと統合されています。Spider AF・HYTRA HORNET・CHEQは自社サイトにタグを設置して訪問者を判定する方式です。

契約前に自社の被害を確認できますか。

Spider AFは無料診断で現状のアドフラウド被害額を可視化できるとしています。HYTRA HORNETも導入フローの中で無償の診断を実施します。IAS・DoubleVerify・CHEQは公開されたトライアルがなく、問い合わせからの検討となります。

広告以外の不正にも対応していますか。

Spider AFはアドフラウドに加えて不正リード対策、サイト改ざんを検知するSiteScan、転売対策を提供します。CHEQは広告フラウドに加えてフォームの不正、アカウント乗っ取り、合成IDまでを対象とします。IASとDoubleVerifyは広告の無効トラフィック(IVT)に特化しています。

日本語でのサポートを受けられますか。

Spider AFは日本人の専任カスタマーサクセスが管理画面の操作から媒体への返金交渉まで伴走するとしています。HYTRA HORNETは2014年創業の国内初のアドベリフィケーション事業者で、日本語に特化した解析技術を掲げています。CHEQは日本法人としてチェク・ジャパン株式会社があります。

どれくらいの規模で使われていますか。

DoubleVerifyは毎日200億超のインプレッションを分析し2,000超のクライアントを持つとしています。IASは1日100億超のインプレッションを分析するとしており、業界初のTAG Certified Against Fraud Sealを取得しています。CHEQは100万超のドメインを監視し世界15,000社以上が利用、Spider AFは導入600社以上・継続率99%としています。

検知した不正に対して媒体から返金を受けられますか。

Spider AFは日本人の専任カスタマーサクセスが媒体への返金交渉まで伴走するとしています。掲載5サービスの中で返金交渉の支援を明示しているのは同サービスです。検知することと、実際に支払った広告費を取り戻すことは別の作業になるため、この支援の有無は実務上の差になります。

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