動画配信システムは掲載5サービスすべてが料金を公開しており、料金公開率は100%です。ところが同じ「月5万円」のプランを並べると、含まれる中身がまったく違いました。
millviのエントリーは月間転送200GB、J-Stream EquipmediaのStartupは300GB、SmartSTREAMのベーシックプランは3TBです。転送量で見ると15倍の開きがあります。クラストリームのライトに至ってはデータ転送料が無料です。
動画配信では転送量がコストの中心になるため、この差は実際に配信できる量に直結します。さらに短期利用のペナルティも、月額2倍・初期費用11万円・スポット料金3倍と3通りに分かれていました。この記事では掲載5サービスについて、容量と転送量、契約条件、超過単価を一次データから整理しました。
結論:転送量・契約期間・超過単価の3点で絞る
先に結論を述べます。
1つめは、月額に含まれる転送量です。同じ月5万円クラスでmillviが200GB、J-Stream Equipmediaが300GB、SmartSTREAMが3TB、クラストリームは転送無料です。想定する視聴回数と動画の長さから必要な転送量を先に見積もらないと、金額の比較が実態と合いません。
2つめは、短期利用の条件です。J-Stream Equipmediaは12ヶ月未満だと月額が2倍、クラストリームは12ヶ月未満または月払いで初期費用11万円(税込)、ULIZAの単月スポットは月額型の3倍です。最低利用期間1ヶ月で割増がないのはSmartSTREAMのみです。
3つめは、超過したときの単価です。millviは100GBあたりストレージ2万円・転送1.5万円、クラストリームは超過ストレージ22円/GB(税込・100GBで2,200円)と、9倍前後の開きがあります。上限に近い運用が続くならここが総額に効きます。
動画配信システムとは
動画配信システムは、社内研修やセミナー、会員向けコンテンツの動画をVOD(オンデマンド)やライブで配信するためのシステムです。YouTubeなどの一般向けプラットフォームと違い、視聴者を限定したり、視聴ログを取得したり、資料と連携したりできます。
料金はストレージ容量と月間転送量(配信流量)で決まる形が基本です。ストレージは動画を保存する容量、転送量は視聴されたときに流れるデータ量を指します。同じ動画でも視聴回数が増えれば転送量は増えるため、視聴者数の見積もりが料金に直結します。
なお当メディアの調査では「動画配信」という検索キーワードの指数は直近25か月で14〜17の狭い範囲にとどまり、中央値は16でした。2025年3月だけ35と2倍以上に跳ねた月がありますが、それ以外はほぼ横ばいです。水準そのものが低く、検索キーワードとしての動きがほとんどない分野といえます。
選び方:5つの確認ポイント
1. 同じ金額でもストレージと転送量が大きく違う
掲載5サービスの月5万円クラスを並べると次のようになります。
| サービス | プラン | 月額 | 初期費用 | ストレージ | 月間転送量 |
|---|---|---|---|---|---|
| millvi | エントリー | 税抜5万円 | 0円 | 200GB | 200GB |
| J-Stream Equipmedia | Startup | 5万円(12ヶ月契約) | 5万円 | 500GB | 300GB |
| SmartSTREAM | ベーシック | 5万円 | 5万円 | 500GB | 3TB |
| クラストリーム | ライト | 税抜5万円 | 0円(12ヶ月契約時) | 1,024GB | 転送無料 |
| ULIZA | Standard | 5万円(3ヶ月以上) | 5万円 | プランによる | プランによる |
millviの200GBとSmartSTREAMの3TBでは15倍の開きがあります。クラストリームはそもそも転送量で課金されません。
動画配信は転送量がコストの中心になるため、金額だけを横に並べても比較になりません。「30分の動画を月に何人が視聴するか」から必要な転送量を先に見積もる必要があります。
2. 短期利用のペナルティが3通りに分かれる
イベントで一度だけ配信したい場合、契約条件が分かれ目になります。
- J-Stream Equipmedia:12ヶ月契約が前提。短期契約は月額が2倍
- クラストリーム:12ヶ月契約なら初期費用0円。12ヶ月未満または月払いは初期費用11万円(税込)
- ULIZA:月額型は3ヶ月以上。単月スポットはStandard 15万円・Pro 30万円で月額型の3倍(ただし初期費用0円)
- millvi:エントリーは最短6ヶ月、その他は12ヶ月
- SmartSTREAM:最低利用期間1ヶ月。期間による割増なし
単発のイベント配信であれば、SmartSTREAMのベーシックプラン(月5万円+初期5万円=10万円で配信流量3TB)か、ULIZAのStandardスポット(15万円・初期0円)が候補になります。
3. 超過したときの単価を確認する
プランの上限を超えた場合の単価もサービスによって差があります。
- millvi:ストレージ超過2万円/転送超過1.5万円(いずれも100GBあたり)
- クラストリーム:超過ストレージ22円/GB(税込)=100GBあたり2,200円
同じ100GBの超過でも9倍前後の開きがあります。J-Stream EquipmediaはEnterpriseとUnlimited Liveで配信量を別途購入する形、SmartSTREAMはプレミアムプランで配信流量が無制限(同時接続1万人超で制限の場合あり)です。
millviのエントリーは転送200GBと少なめのため、上限に近い運用が続く見込みなら、超過単価を含めた総額で判断したほうが安全です。
4. 課金の軸が容量型かユーザー数型かを見る
掲載5サービスのうち4サービスはストレージ容量と転送量が課金の軸ですが、クラストリームは視聴数と同時視聴数が上限に入ります。
| プラン | 税込月額 | 視聴数 | 同時視聴数 |
|---|---|---|---|
| スモール | 3.3万円 | 最大30ユーザー | - |
| ライト | 5.5万円 | 100 | 100 |
| スタンダード | 11万円 | 1,000 | 200 |
| エンタープライズ | 16.5万円 | 10,000 | 5,000 |
少人数に対して長時間の動画を大量に配信するなら、データ転送が無料のクラストリームが向きます。逆に多人数に配信するなら、容量・転送量で決まる他サービスのほうが上限に当たりにくくなります。視聴する人数と配信量のどちらが自社にとって効くかで選ぶ側が変わります。
5. セキュリティ機能と付加機能を確認する
社内研修や会員向けの限定配信では、視聴を制限する機能が要件になります。
クラストリームはSSL・暗号化に加えて、スタンダード以上でウォーターマーク、IP制限、二要素認証を提供します。会員制・限定配信サイトの構築、視聴権限設定、倍速再生、PDF連携にも対応します。
millviは暗号化ストリーミングとドメイン・IP制限に対応し、スタンダード以上では自動字幕生成が月5時間まで無償です。掲載5サービスの中でこの機能を明示しているのはmillviです。
J-Stream Equipmediaは視聴管理・ユーザー認証ポータルと限定配信・アクセス制御を備え、疑似ライブ配信にも対応します。ULIZAは個別ID/PWによるアクセス制御と会員管理・チャット(Proで各100人まで)、自社アプリでライブ配信するためのSDKを提供します。SmartSTREAMはセキュア配信とマルチデバイス配信に対応します。
独自データ:料金公開率と契約条件
当メディアが掲載5サービスの公式サイトを2026年7月時点で調査した結果は次のとおりです。
料金公開率は100%(5/5)でした。掲載5サービスすべてがプラン別の金額、ストレージ、転送量を公開しています。
無料プランは0%(0/5)です。無料トライアルを提供しているのはmillviのみで、14日間です(20%)。ULIZAは無料トライアルの明記がありませんが、税抜・年払い月7,500円のULIZA miniが会員登録のみで利用できるため、実質的に低コストで試せます。
初期費用が0円のサービスは2つです。millviが全プラン無料、クラストリームが12ヶ月契約の場合に0円です。ULIZAはminiとスポット利用が0円、J-Stream EquipmediaとSmartSTREAMは5万円(J-Streamの上位2プランは10万円)です。
最低利用期間はSmartSTREAMの1ヶ月がもっとも短くなっています。ULIZAの月額型が3ヶ月以上、millviのエントリーが6ヶ月、その他は12ヶ月が基本です。
最安はULIZA miniの税抜・年払い月7,500円です。他社の最安が月3万円(クラストリーム スモール)であるのに対し、4分の1の水準になります。
掲載5サービスの比較
| サービス | 提供元 | 最安プラン | 初期費用 | 最低利用期間 | 課金の軸 |
|---|---|---|---|---|---|
| ULIZA | 株式会社PLAY | 月7,500円(税抜・年払い) | 0円(mini) | 3ヶ月(miniは登録のみ) | プラン定額+オプション |
| クラストリーム | 株式会社アイ・ピー・エル | 税込3.3万円 | 0円(12ヶ月契約時) | 明記なし | 視聴数・同時視聴数 |
| SmartSTREAM | NTTスマートコネクト株式会社 | 月5万円 | 5万円 | 1ヶ月 | 容量・配信流量 |
| millvi | 株式会社エビリー | 税抜5万円 | 0円 | 6ヶ月(エントリー) | 容量・転送量 |
| J-Stream Equipmedia | 株式会社Jストリーム | 月5万円 | 5万円 | 12ヶ月 | 容量・転送量 |
各サービスの詳細
掲載5サービスの中でもっとも低い金額から始められる動画配信システムです。
ULIZA miniは税抜で年払い月7,500円・月払い9,000円、初期費用0円です。この金額でVOD、ライブ、見逃し配信、DVR配信に対応します。会員登録のみで利用を始められるため、スモールスタートに向く構成です。他社の最安が月3万円であるのに対し、4分の1の水準になります。
上位のULIZA Standardは初期5万円+月5万円(3ヶ月以上)、ULIZA Proは初期10万円+月10万円(3ヶ月以上)です。ProではID/PWによるアクセス制御、チャット、会員管理(各100人まで)が使えます。
単月のスポット型も用意されており、Standardが15万円、Proが30万円です。月額型の3倍の金額になりますが、初期費用は0円で1ヶ月だけの利用ができます。イベントで一度だけ配信する場合の選択肢です。自社アプリでライブ配信するためのSDKも提供されます。
掲載5サービスの中で唯一、視聴数と同時視聴数が課金の軸に入っている動画配信システムです。
プランはスモールが税込3.3万円(税抜3万円)で最大30ユーザー、ライトが税込5.5万円(税抜5万円)でストレージ1,024GB・視聴100・同時視聴100、スタンダードが税込11万円(税抜10万円)でストレージ2,048GB・視聴1,000・同時200、エンタープライズが税込16.5万円(税抜15万円)で視聴1万・同時5,000です。
特徴的なのがデータ転送料が無料である点です。ライト以上でデータ転送料がかからず、エンタープライズでは月2TBまでCDN配信が無料です。転送量で課金される他サービスと比べ、長時間の動画を繰り返し視聴する運用で総額を抑えられます。超過ストレージは22円/GB(税込)で、100GBあたり2,200円と低い水準です。
セキュリティ面ではSSL・暗号化に加えて、スタンダード以上でウォーターマーク、IP制限、二要素認証が使えます。会員制・限定配信サイトの構築、視聴権限設定、倍速再生、PDF連携にも対応し、研修やeラーニング用途に向く構成です。12ヶ月契約なら初期費用0円ですが、12ヶ月未満または月払いの場合は初期費用11万円(税込)が発生します。
掲載5サービスの中で契約条件がもっとも緩く、最低利用期間が1ヶ月の動画配信システムです。
プランは2段階です。ベーシックプランが月5万円・初期5万円でストレージ500GB・配信流量3TB・再生無制限、プレミアムプランが月10万円・初期5万円でストレージ2TB・配信流量無制限(同時接続1万人超で制限の場合あり)です。
注目したいのがベーシックプランの配信流量3TBです。同じ月5万円クラスで転送量が200GB〜300GBのサービスがある中で、10倍以上の水準になります。動画配信では転送量がコストの中心になるため、この差は実際に配信できる量に直結します。ベーシックプランは再生回数にも上限がありません。
契約期間の縛りがなく、短期契約による割増もないため、イベントで一度だけ配信する用途にも対応できます。初期料金は5万円ですが、過去に無料キャンペーンの実績があります。プランが2つに絞られているぶん、どちらを選ぶかの判断が単純になる構成です。
掲載5サービスの中で唯一、無料トライアル(14日間)を提供している動画配信システムです。初期費用も全プラン無料です。
プランはエントリーが税抜5万円でストレージ200GB・転送200GB・最短6ヶ月、スタンダードが税抜7万円でストレージ500GB・転送300GB・最低12ヶ月、プロフェッショナルが税抜12万円でストレージ2,000GB・転送1,000GB、アドバンスが税抜18万円でストレージ3,000GB・転送2,000GB・管理グループ3個・ライブ配信オプション込みです。
スタンダード以上では自動字幕生成が月5時間まで無償で使えます。掲載5サービスの中でこの機能を明示しているのはmillviです。研修動画にテキストを付ける工程を減らせます。
超過分は従量で、ストレージが2万円、転送が1.5万円(いずれも100GBあたり)です。エントリーの転送200GBは掲載5サービスの月5万円クラスの中でもっとも少ないため、上限に近い運用が続く場合は超過単価が総額に効いてきます。セキュア配信として暗号化ストリーミングとドメイン・IP制限に対応します。
掲載5サービスの中でもっとも多い5段階のプランを持ち、小規模から大規模までを1つのサービスでカバーします。
プランはStartupが月5万円(12ヶ月契約)・初期5万円でストレージ500GB・月間転送300GB、Businessが月10万円でストレージ2,000GB・月間転送1,000GB、Expertが月18万円でストレージ3,000GB・月間転送3,000GBです。いずれも初期費用は5万円です。
上位はEnterpriseが月22万円〜+配信量従量・初期10万円でストレージ5,000GB、Unlimited Liveが月25万円〜+配信量従量・初期10万円でストレージ5,000GB・ライブ配信無制限です。この2つは年間契約となり、配信量は別途購入する形になります。ライブ配信の頻度が高い運用ではUnlimited Liveが対象になります。
契約は12ヶ月が前提で、短期契約の場合は月額が2倍になります。単発の利用には向きません。
機能はVOD、ライブ配信、疑似ライブ配信、視聴管理・ユーザー認証ポータル、限定配信・アクセス制御、視聴ログ分析です。録画済みの動画をライブのように配信する疑似ライブ配信に対応しているのは、掲載5サービスの中でJ-Stream Equipmediaです。
よくある質問
動画配信システムの費用相場はいくらですか。
掲載5サービスはすべて料金を公開しています。もっとも低いのはULIZA miniで税抜・年払い月7,500円(月払い9,000円・初期0円)です。月5万円クラスにはmillviのエントリー(税抜5万円・初期0円)、J-Stream EquipmediaのStartup(月5万円・初期5万円)、SmartSTREAMのベーシックプラン(月5万円・初期5万円)、クラストリームのライト(税抜5万円)、ULIZAのStandard(初期5万円+月5万円)が並びます。上位プランはJ-Stream Equipmediaが月18万円〜、millviが月18万円、クラストリームが税抜15万円、SmartSTREAMが月10万円です。
初期費用はかかりますか。
millviは全プラン初期費用が無料です。クラストリームは12ヶ月契約なら初期費用0円ですが、12ヶ月未満または月払いの場合は11万円(税込)が発生します。ULIZAはminiとスポット利用が初期0円、Standardが5万円、Proが10万円です。J-Stream Equipmediaは5万円(EnterpriseとUnlimited Liveは10万円)、SmartSTREAMは5万円です。
短期間だけ利用できますか。
SmartSTREAMは最低利用期間が1ヶ月で、期間による割増がありません。ULIZAは単月のスポット型があり、Standardが15万円・Proが30万円で初期費用0円です。J-Stream Equipmediaは12ヶ月契約が前提で短期契約は月額が2倍になり、クラストリームは12ヶ月未満または月払いの場合に初期費用11万円(税込)が発生します。millviはエントリーが最短6ヶ月、その他のプランは12ヶ月です。
無料で試せますか。
掲載5サービスに無料プランはありません。無料トライアルを提供しているのはmillviのみで、14日間試せます。ULIZAは無料トライアルの明記がありませんが、税抜・年払い月7,500円のULIZA miniが用意されており、会員登録のみで利用を始められます。J-Stream Equipmedia、クラストリーム、SmartSTREAMは料金ページ上に無料トライアルの明記がなく、要問い合わせとなります。
ライブ配信にも対応していますか。
掲載5サービスはいずれもライブ配信に対応します。J-Stream Equipmediaは疑似ライブ配信にも対応し、Unlimited Liveプラン(月25万円〜)ではライブ配信が無制限です。millviはライブ配信が上位プランの対応で、アドバンスにはライブ配信オプションが含まれます。クラストリームはエンタープライズで同時ライブ2本に対応します。ULIZAはライブ見逃し配信・ライブDVR配信に対応し、自社アプリでライブ配信するためのSDKも提供します。SmartSTREAMもライブ配信に対応します。
視聴できる人数に上限はありますか。
クラストリームは視聴数と同時視聴数が上限に入ります。スモールが最大30ユーザー、ライトが視聴100・同時視聴100、スタンダードが視聴1,000・同時200、エンタープライズが視聴1万・同時5,000です。SmartSTREAMのベーシックプランは再生無制限で、プレミアムプランは配信流量が無制限(同時接続1万人超で制限の場合あり)です。J-Stream Equipmedia、millvi、ULIZAは容量と転送量が課金の軸で、視聴人数そのものの上限は料金ページ上に明記されていません。