結論:どこまでを1つで束ねるかが違い、束ねる範囲が広いほど金額が見えなくなる
セールスDXという言葉で紹介されるサービスは、マーケティング側の機能だけで完結しません。営業、Webサイト、データ基盤といった隣の領域まで抱え込むかどうかで、性格が大きく変わります。
| 導入目的 | おすすめのタイプ | 主なサービス |
|---|---|---|
| Webサイトを見ている企業から見込み客を見つけたい | 月0円・初期0円のフリープランがある。アクセス解析が起点 | List Finder |
| MAと営業支援を1つの基盤で使いたい | MAスタンダード月20,000円(税別)から。SFAと組み合わせると月45,000円から | Kairos3 Marketing |
| 展示会やセミナーの運営まで扱いたい | 月60,000円のデジタルから3プラン。イベント運営機能付きは月120,000円 | SHANON MARKETING PLATFORM |
| Webサイトの制作・更新から始めたい | CMSが中核。MAとSFA/CRMを単体でもパッケージでも使える | ferret One |
| 顧客データを統合するところから作りたい | CDPとMAとBIをノーコードで統合。SQLを書かずにデータを扱える | b→dash |
そして調べていて分かったのは、束ねる範囲が広いサービスほど、公式サイトに金額が出ていないということです。掲載5サービスのうち金額を公開しているのは3サービスで、ferret Oneは料金表をダウンロードする形式、b→dashは料金ページへの導線自体がありません。
セールスDXのサービスとは
マーケティングで集めた見込み客を、営業が商談につなげるまでの流れを仕組み化するためのサービスです。MAツール(マーケティングオートメーション)とSFA(営業支援システム)の中間、あるいは両方をまたぐ位置にあります。
MAツール単体であれば見込み客の獲得と育成まで、SFA単体であれば商談以降を扱いますが、その間には「どの見込み客を営業に渡すか」という引き継ぎがあります。ここを別々のツールで扱うと情報が分断されるため、まとめて1つで扱おうという発想の製品が増えています。
ただし「まとめる範囲」は各社の判断次第です。営業側まで含めるのか、Webサイトの制作まで含めるのか、顧客データの基盤から作るのかで、必要な予算も導入の重さも変わります。
選び方
1. どこまでを1つで束ねるかを先に決める
掲載5サービスが抱える範囲は次のように分かれます。
- Kairos3 Marketing:MA+SFA(同一基盤で組み合わせ)
- SHANON MARKETING PLATFORM:MA+SFA(商談管理)+イベント運営
- ferret One:CMS+MA+SFA/CRM
- b→dash:CDP(顧客データ基盤)+MA+BI
- List Finder:Webアクセス解析を起点としたMA
自社に足りないのがWebサイトの更新なのか、データの統合なのか、営業への引き渡しなのかで候補が変わります。足りない部分だけを埋めるのか、まとめて入れ替えるのかという判断が先です。
2. 料金が公開されているかを確認する
掲載5サービスのうち、公式サイトで金額を確認できるのは3サービスです。
ferret Oneは料金表をダウンロード(フォーム入力)で提供する形式で、ページ上に金額の記載はありません。パッケージプラン、ferret CMS、ferret MA、ferret SFA/CRM、各種ソリューションメニューごとに料金表が分かれています。
b→dashは料金ページへの導線自体がなく、必要な機能(CDP・MA・BI等)とデータ規模に応じた個社見積りとなります。
検討の初期段階で複数社の概算を比べたい場合、この2サービスは問い合わせが前提になります。比較検討に使える時間との兼ね合いで判断することになります。
3. 入口の金額には10倍以上の開きがある
公開されている3サービスの金額を並べると次のようになります。
- List Finder フリープラン:月0円・初期費用0円
- Kairos3 Marketing MAスタンダード:月20,000円(税別)から
- List Finder ライトプラン:月45,000円・初期費用100,000円
- SHANON MARKETING PLATFORM デジタル:月60,000円
- List Finder スタンダードプラン:月69,000円
- List Finder プレミアムプラン:月92,000円
- SHANON MARKETING PLATFORM スタンダード:月120,000円
- Kairos3 Marketing MAプロ:月155,000円(税別)から
- SHANON MARKETING PLATFORM エンタープライズ:月300,000円
List Finderのフリープランは、掲載5サービスの中で唯一、費用をかけずに継続利用できる選択肢です。
4. 表示されている月額は下限であることが多い
Kairos3 Marketingの「月20,000円〜」という表記の「〜」には意味があります。ファイルストレージ・Kairos3 API(Webhook)・シナリオ・AI名刺スキャンはスタンダードプランでは利用量に制限があり、プロプランの契約かオプション契約で制限が外れます。オプションの金額は公開されていません。
List Finderもプラン別の定額に加えて、顧客データ数とPV数による従量部分があります。外部ツール連携はオプションで月10,000円です。
見積りを取る際は、現在のリード件数やサイトのPV数を伝えたうえで金額を出してもらわないと、実際の負担がわかりません。下限の金額同士を比べた結論は、契約後に覆る可能性があります。
5. 初期費用と最低契約期間を確認する
Kairos3 Marketingは最短利用期間が12ヶ月で、月の途中に契約しても日割りはされず1ヶ月分が発生します。初期費用も別途かかりますが、金額は公式に開示されていません。
List Finderはライトプランの初期費用が100,000円で、フリープランであれば0円です。フリープランから有料に移る段階でこの費用が発生します。
月額だけを見て比較すると、初年度に必要な金額を見誤ります。
6. リアルイベントをやるかどうか
SHANON MARKETING PLATFORMは、月60,000円のデジタルプランに対して、リアルイベントの運営管理機能が付くスタンダードが月120,000円という構成です。差額は月60,000円です。
展示会やセミナーを継続的に開催している組織であれば、この機能の有無が選定の分岐点になります。同サービスはセミナー・ウェビナーを含むイベント運営の管理に強みを持つと公式に位置づけられています。
タイプ別に見る
フリープランは月0円・初期0円。アクセス解析でどの企業が見ているかを可視化しホットリードを通知
MAとSFAを組み合わせて月45,000円(税別)から。テナント追加の構成も用意
イベント運営管理付きのスタンダードが月120,000円。累計導入企業数3,000社
専門知識不要のCMSが中核。課題別6パッケージとコンサル・代行のソリューションも提供
取込・加工・統合・抽出・活用をノーコードで。CDPとMAとBIを1つに統合
本ページ独自のまとめ
掲載5サービスを調べたうえで、検討時に引っかかりやすい点を挙げます。
料金公開率は掲載5サービス中3サービス(60%)にとどまります。セールスDXの領域では、複数の機能を束ねる構成が主流であるほど、金額が構成によって変わるため公開しにくくなります。ferret Oneは料金表のダウンロード、b→dashは個社見積りという形で、いずれも問い合わせが前提です。
無料で試せる範囲は極めて限られます。無料プランがあるのはList Finderのみ(20%)で、無料トライアルを公式に公開しているサービスは掲載5社に1つもありません(0%)。試用できるかどうかは、いずれも問い合わせでの確認になります。
「〜」が付いた金額は、下限にすぎません。List Finderは顧客データ数・PV数で従量が発生し、Kairos3 Marketingもオプション機能の利用量に応じて上位プランやオプション契約が必要になります。規模が大きい会社ほど、公開されている下限額との差が開きます。
契約期間の縛りは表に出ていません。Kairos3 Marketingの最短12ヶ月・日割りなしという条件は料金表の外側にあります。他の4サービスについては公式ページ上に最低契約期間の明記がなく、これも問い合わせでの確認事項になります。
@card 掲載5サービスの料金公開状況|料金を公開:3サービス(60%)/料金非公開:2サービス(ferret One・b→dash)/無料プランあり:1サービス(20%)/無料トライアルあり:0サービス(0%・公式ページに記載なし)
各サービスの詳細
カイロスマーケティング株式会社が提供するMAツールです。同社は2012年9月設立、資本金6,950万円の企業で、東京都渋谷区千駄ヶ谷のリンクスクエア新宿に拠点を置きます。
同社のSFAであるKairos3 Salesと同一基盤で組み合わせて使える点が特徴で、マーケティングから営業への引き渡しを1つの環境で扱えます。MAとSFAを別ベンダーで持つと、リードの受け渡しで情報が落ちがちです。
料金はMAスタンダードが月20,000円(税別)から、MAプロが月155,000円(税別)からです。SFAのKairos3 Salesはスタンダードが月25,000円(税別)から、プロが月50,000円(税別)からです。組み合わせる場合はMAスタンダード+SFAスタンダードが月45,000円(税別)から、MAスタンダード+SFAプロが月70,000円(税別)から、MAプロ+SFAスタンダードが月180,000円(税別)から、MAプロ+SFAプロが月205,000円(税別)から、マルチテナントを加える構成が月235,000円(税別)からとなります。掲載5社の中で最も低い金額から始められます。
いずれの金額も「〜」付きの下限表記です。 ファイルストレージ(容量追加)・Kairos3 API(Webhook)・シナリオ・AI名刺スキャンはスタンダードプランでは利用量に制限があり、プロプランの契約かオプション契約で制限が外れます(オプションの金額は非公開)。初期費用も発生しますが、金額は公式に開示されていません。
契約は最短利用期間が12ヶ月で、月の途中に契約しても日割りはされず1ヶ月分が発生します。 開始のタイミングによっては初月の負担感が変わります。無料トライアルについては、料金ページ上に記載がありません。
株式会社Innovation X Solutionsが提供するBtoB向けのMAツールです。資本金1,500万円で、親会社の株式会社シャノンは東証グロース上場です(証券コード3976)。
Webサイトのアクセス解析を起点として、どの企業がどのページを見ているかを可視化し、見込み客を見つけるという使い方を中心に据えています。メールを送る前に、すでに関心を持っている企業を見つける方向です。
料金はフリープランが月額0円・初期費用0円、ライトプランが月45,000円・初期費用100,000円、スタンダードプランが月69,000円、プレミアムプランが月92,000円です。掲載5社の中で、費用をかけずに継続的に使えるのは本サービスだけです。
プラン別の定額に加えて、顧客データ数とPV数による従量部分があります。外部ツール連携はオプションで月10,000円です。ライトプランの初期費用100,000円は月額の2.2か月分にあたるため、始めるときの負担も見ておいてください。
機能としては、アクセス解析による見込み客の可視化、ホットリードのメール通知、メールの一斉配信、休眠顧客の掘り起こし、リードスコアリング、アプローチ管理などを備えています。
公式サイトによると継続利用率は99%で、野村不動産・東芝・三菱ほか大手企業を含む導入実績があるとされています。
株式会社ベーシックが提供するBtoBマーケティングのサービスです。同社は2004年3月設立、従業員149名(2026年5月時点)で、東京都千代田区一番町の一番町MSビルに拠点を置きます。導入実績は2,000社超です。
専門知識がなくても更新できるCMSを中核に、MAとSFA・CRMを単体でもパッケージでも使えるようにしている点が特徴です。サイトを作るところから始めたい組織では、CMSが同じ基盤にあることが効きます。
リード獲得・育成・営業連携といった課題別に6つのパッケージが用意されており、さらにコンサルティングや各種代行を含む「ソリューション」も別途提供されます。ツールだけを導入するのではなく、運用まで含めて任せる選択肢がある構成です。
料金は公式サイトのページ上に金額の記載がなく、料金表をダウンロード(フォーム入力)する形で提供されています。パッケージプラン、ferret CMS、ferret MA、ferret SFA/CRM、各種ソリューションメニューごとに料金表が分かれており、利用するツールとソリューションの構成に応じた個社見積りとなります。問い合わせを待たずに料金表そのものは取得できるため、非公開の他社よりは検討を進めやすい形です。
無料トライアルについては公式の記載がないため、問い合わせでの確認が必要です。
株式会社データXが提供するマーケティングサービスです。同社は2010年4月6日設立、資本金1億円の企業で、東京都新宿区西新宿の住友不動産西新宿ビルに拠点を置きます。
データの取込・加工・統合・抽出・活用までをノーコードで行える点を中核に据えており、SQLを書かずにデータを扱えることを特徴としています。データ基盤を持つには通常エンジニアが要りますが、そこを不要にする方向です。
CDP(顧客データ基盤)とMAを統合し、さらにBI分析まで同じサービスの中で扱います。 AIコンシェルジュ、レコメンド、シナリオ、コパイロットといったAI関連の機能も備え、セグメント配信やオムニチャネル施策に対応します。
料金は公式サイトに掲載されておらず、必要な機能(CDP・MA・BI等)とデータ規模に応じた個社見積りとなります。料金ページへの導線自体が用意されていないため、金額の目安を知るには問い合わせが必要です。掲載5社の中で最も情報が少ない状態から検討を始めることになります。
対象はBtoCとBtoBの両方で、中堅からエンタープライズの規模を想定しています。累計導入は1,200社を超え、データマーケティングツールの業界シェアNo.1を公表しています。無料トライアルについては公式の記載がありません。
株式会社シャノンが提供するMAツールです。同社は2000年8月25日設立、資本金1億円、従業員は単体178名・連結186名(契約社員含む・2026年6月末時点)で、東京都港区浜松町のJEI浜松町ビルに本社を置き、東京証券取引所グロース市場に上場しています(証券コード3976)。
保有リードの管理から新規リードの獲得、見込み客へのアプローチ、商談の創出までを扱い、特にセミナー・イベント(展示会・ウェビナー)の運営管理に強みを持ちます。展示会やセミナーが主要なリード源である組織では、この機能が候補を絞ります。
料金は公式の料金ページで3プランが公開されています。 デジタルが月額60,000円、リアルイベントの運営管理機能が付くスタンダードが月額120,000円、大企業向けのエンタープライズが月額300,000円です。税別・税込の別はページ上に明記がなく、詳細な費用やカスタマイズは問い合わせでの相談となります。
月額は企業単位のプラン別定額で、1ユーザーあたりの単価ではありません。デジタルプランの段階でAIコンシェルジュ・メール配信・名刺デジタル化・Webトラッキング・企業分析(IPアドレス解析)・フォーム/LP生成などが使えます。
SFA(商談管理)機能を内包するほか、Salesforce・kintone・Sansanとの連携やシングルサインオンに対応します。累計導入企業数は3,000社で、ITreview Grid Awardを5年連続受賞、Best Software in Japan 2025受賞、顧客満足度4.2と記載されています。
よくある質問
MAツールとセールスDXのサービスは何が違いますか。
明確な線引きはありませんが、掲載5サービスはいずれもマーケティング側の機能だけで完結せず、営業側やWebサイト、データ基盤といった隣接する領域まで束ねている点が共通しています。Kairos3 MarketingはMAとSFA、SHANON MARKETING PLATFORMはMAとSFAにイベント運営、ferret OneはCMSとMAとSFA/CRM、b→dashはCDPとMAとBIを扱います。
費用をかけずに始められるものはありますか。
List Finderに月額0円・初期費用0円のフリープランがあり、掲載5サービスの中で唯一、費用をかけずに継続利用できます。有料のライトプランに移ると月45,000円・初期費用100,000円が発生します。
料金が公開されていないのはどのサービスですか。
ferret Oneとb→dashの2サービスです。ferret Oneは料金表をダウンロード(フォーム入力)で提供しており、ページ上に金額の記載はありません。b→dashは必要な機能とデータ規模に応じた個社見積りで、料金ページへの導線自体がありません。
導入前に試せますか。
掲載5サービスのうち、公式ページで無料トライアルを公開しているものはありません。試用の可否はいずれも問い合わせでの確認になります。List Finderだけはトライアルではなくフリープラン(月0円)で継続的に無料利用できます。
すぐに解約できますか。
Kairos3 Marketingは最短利用期間が12ヶ月で、月の途中に契約した場合も日割りはされず1ヶ月分が発生します。他の4サービスは公式ページ上に最低契約期間の明記がないため、問い合わせでの確認が必要です。
展示会やセミナーの運営管理もできますか。
SHANON MARKETING PLATFORMが該当します。月60,000円のデジタルプランに対し、リアルイベントの運営管理機能が付くスタンダードが月120,000円という構成です。セミナー・ウェビナーを含むイベント運営の管理に強みを持つとされています。