DM発送サービスの料金は「1通◯円〜」という形で示されます。ところが掲載5サービスの表記を並べると、62.9円、69円、72円と近い数字が続く中に、約8.2円という桁の違う数字が混ざります。
差の正体は単価に含まれる範囲です。62.9円や69円は印刷から発送までを含む金額で、約8.2円は印刷費のみです。後者には作業費とゆうメール180〜360円/通などの送料が別に積み上がります。数字だけを横に並べると10倍近い差があるように見えますが、比べているものが違います。
もう一つ差が出るのが最低ロットとエリアの条件です。1通から発注できるサービスがある一方、単価の安いプランは500通以上・特定エリアといった条件が付きます。この記事では掲載5サービスについて、単価の内訳、最低ロット、対応範囲を一次データから整理しました。
結論:単価の内訳・最低ロット・任せたい工程の3点で絞る
先に結論を述べます。
1つめは、単価に何が含まれているかです。ラクスル ダイレクトメールの通常プランは1通62.9円(税込)〜で印刷と発送を含み、NEXLINKのオンデマンド便はA5ハガキ69円〜・A4ハガキ72円〜/通で印刷・宛名印字・発送費込み、ジブリックの加工セットは1通69円〜で6工程込みです。一方ダイレクトメール発送ONLINEの約8.2円/通(1,000部・ハガキ)は印刷費のみで、作業費と送料が別に加算されます。
2つめは、最低ロットです。NEXLINKとラクスルの通常プランは1通から発注できます。ジブリックは特約ゆうメール便で300通以上、ラクスルDM便は500通以上かつ一都三県を含むエリアが条件です。安い単価には部数とエリアの条件が付いていると考えたほうが実態に近くなります。
3つめは、どこまで任せたいかです。原稿とあて先が用意できているならセルフ発注型(NEXLINK・ラクスル・ダイレクトメール発送ONLINE)で完結します。企画やデザインからであれば、ディーエムソリューションズのようなワンストップの受託代行が対象になります。
DM発送サービスとは
DM発送サービス(ダイレクトメール発送代行)は、ダイレクトメールの印刷、宛名印字、封入・封緘、発送までを代行するサービスです。自社で印刷会社と配送手配を別々に押さえる代わりに、一括で任せられます。
掲載5サービスは大きく2つの型に分かれます。ひとつはWeb上で原稿とあて先をアップロードして発注するセルフ発注型で、NEXLINK、ラクスル ダイレクトメール、ダイレクトメール発送ONLINEが該当します。もうひとつは企画から発送までを請け負う受託代行型で、ディーエムソリューションズがこれにあたります。ジブリックは加工と発送の工程をセットで請け負う形式です。
なお発送代行という性質上、掲載5サービスには無料プランも無料トライアルもありません。SaaSのように試用期間で確かめる方法が使えないため、1通から発注できるかどうかが実質的な試しやすさの目安になります。
当メディアの調査では「ダイレクトメール」という検索キーワードの指数は直近25か月で22〜28の範囲に収まり、振れ幅がほとんどありませんでした。前半12か月の平均25.9に対し後半12か月は23.8です。急に注目される施策ではない代わりに、検討量が大きく動くこともない分野です。
選び方:5つの確認ポイント
1. 1通単価に何が含まれているか
ここが最大の落とし穴です。掲載5サービスの単価表記を、含まれる範囲とあわせて並べると次のようになります。
| サービス | 単価表記 | 含まれるもの |
|---|---|---|
| ラクスル(通常) | 1通62.9円(税込)〜 | 印刷+発送 |
| NEXLINK(オンデマンド便) | A5ハガキ69円〜/A4ハガキ72円〜 | フルカラー印刷+宛名印字+発送費 |
| ジブリック(加工セット) | 1通69円〜 | 印刷・宛名ラベル貼付・封入・折加工・封緘・発送の6工程 |
| ダイレクトメール発送ONLINE | ハガキ約8.2円/通(1,000部) | 印刷費のみ(作業費・送料は別) |
| ディーエムソリューションズ | 非公開 | 個社見積り |
ダイレクトメール発送ONLINEの約8.2円に、ゆうメールの送料180円を足すだけで188円を超えます。印刷費が安いこと自体は事実ですが、他社の込み単価と直接比べられる数字ではありません。逆に内訳が分かれているぶん、どの工程にいくらかかっているかは把握しやすくなっています。
2. 最低ロットと発送エリアの条件
少部数で始めたい場合、最低ロットが分かれ目になります。
- NEXLINK:オンデマンド便は1通から。帳票作成タイプのDoculinkは最低ロットの設定なし
- ラクスル(通常プラン):1通から
- ラクスルDM便:500通以上、かつ一都三県を含むエリアが条件(エリア外はゆうメール、500通未満は通常プラン)
- ジブリック:特約ゆうメール便・クロネコゆうメール便は300通以上、エリアメール便は1,000通以上
- ダイレクトメール発送ONLINE:最低ロットの明記なし(送料割引は2,000通以上が対象)
配送コスト1通41.3円(税抜)〜というラクスルDM便の水準は掲載5サービスの中で低い部類ですが、500通とエリアの条件が付きます。単価だけを見て候補に入れると、条件で外れる場合があります。
3. 部数が増えたときの単価の下がり方
DM発送は部数が増えるほど1通あたりが下がります。掲載5サービスで公開されている段階は次のとおりです。
NEXLINKの料金ページ表記では、A4ハガキが1〜2,999通で83円、3,000通からは77円です。ダイレクトメール発送ONLINEは2,000通以上で送料が8〜21%割引になります。ラクスルは500通以上でDM便の対象となり、配送コストが1通41.3円(税抜)〜になります。
想定している部数を先に決めてから見積りを取らないと、単価の比較が実態と合わなくなります。
4. 封入点数と納期で単価が変わる
封書の場合、何点封入できるかで単価が変わります。NEXLINKのオンデマンド便では、郵便を利用する場合、定形封筒が145円〜/通で封入3点まで、大形封筒が188円〜/通で封入4点までです。
これがメール便利用に変わると、定形が146円/通で最大5点、大形が146円/通で最大15点になります。同じ146円で封入点数の上限が3倍以上変わる組み合わせがあるということです。
納期も金額に影響します。NEXLINKの定形ハガキは当日発送で135円という表記があります。同じ形態でも、配送手段と納期の選び方で単価が動きます。
5. 企画やデザインから任せたいか
印刷と発送だけを依頼するのか、企画から任せるのかで選ぶ先が変わります。
ディーエムソリューションズは企画立案・仕様設計、各種広告デザイン、ダイレクトメール印刷、データ入力・加工・集計、宛名印字、封入・封緘・区分、発送代行、資材保管までをワンストップで請け負い、全国5拠点のメールセンターで運用します。料金は個社見積りです。
これに対しNEXLINK・ラクスル・ダイレクトメール発送ONLINEはWebから発注や自動見積りができるセルフ発注型で、原稿とあて先を用意できることが前提になります。原稿がまだない段階であれば、企画から任せられる先を選ぶほうが結果的に早く進みます。
あて先データがない場合は、ダイレクトメール発送ONLINEが送付先企業リストの提供に対応しています。
独自データ:料金公開率と最低ロットの分布
当メディアが掲載5サービスの公式サイトを2026年7月時点で調査した結果は次のとおりです。
料金公開率は80%(4/5)でした。ラクスル、NEXLINK、ジブリック、ダイレクトメール発送ONLINEが単価を公開しており、ディーエムソリューションズが個社見積りです。ただし公開されている4サービスも、単価に含まれる範囲がそれぞれ異なります。
無料プラン・無料トライアルはいずれも0%(0/5)です。発送代行という性質上、試用期間という概念がありません。代わりに最低ロットが試しやすさの指標になります。
1通から発注できるのは2サービスです。NEXLINK(オンデマンド便・Doculink)とラクスルの通常プランです。残る3サービスは300通以上、500通以上(DM便)、または明記なしとなっています。
初期費用の記載があるのは2サービスです。ラクスルが0円(都度従量)、NEXLINKのDoculinkが初期費用・月額とも0円です。NEXLINKのオンデマンド便、ジブリック、ダイレクトメール発送ONLINEは初期費用の明記がなく、ディーエムソリューションズは要問い合わせです。
掲載5サービスの比較
| サービス | 提供元 | 型 | 公開単価 | 最低ロット | 特徴 |
|---|---|---|---|---|---|
| ラクスル ダイレクトメール | ラクスル株式会社 | セルフ発注 | 1通62.9円(税込)〜/DM便は配送1通41.3円(税抜)〜 | 通常1通/DM便500通 | DM便は一都三県を含むエリア条件 |
| NEXLINK | 株式会社ネクスウェイ | セルフ発注 | A5ハガキ69円〜/A4ハガキ72円〜 | 1通(Doculinkは設定なし) | API連携・当日発送プランあり |
| ジブリック | 株式会社ジブリック | 加工発送受託 | 1通69円〜(6工程込み) | 300通(エリアメール便1,000通) | 大阪拠点・返送対応あり |
| ダイレクトメール発送ONLINE | 有限会社サードパーティー | セルフ発注 | 印刷ハガキ約8.2円/通(1,000部・印刷のみ) | 明記なし | 自動見積り・送付先リスト提供 |
| ディーエムソリューションズ | ディーエムソリューションズ株式会社 | ワンストップ受託 | 非公開 | 要問い合わせ | 企画〜資材保管・全国5拠点 |
各サービスの詳細
ネット印刷の仕組みをそのまま使い、印刷から宛名印字、封入、発送までをオンラインの注文で完結できるサービスです。
通常プランは1通62.9円(税込)〜で、印刷と発送を含むワンストップの単価です。1通から注文でき、はがき(通常/大判)、圧着はがき、OPP封筒に対応します。初期費用はなく都度の従量課金のため、継続契約の縛りがありません。
部数がまとまる場合はラクスルDM便が選べます。セイノーグループの地区宅便との協業により、配送コストが1通41.3円(税抜)〜という水準です。ただし500通以上かつ一都三県を含むエリアが条件で、エリア外はゆうメールでの対応、500通未満は通常プランでの対応となります。
宛名印字は可変(バリアブル)印刷に対応し、定期発送や複数封入も扱えます。少部数から試して、量が増えたらDM便に移るという進め方ができる構成です。
Web上で原稿とあて先をアップロードして発注する形式のオンデマンド印刷発送サービスです。フルカラー印刷から宛名印字、封入封緘、投函までを一括で任せられ、API連携にも対応します。
オンデマンド便の単価はA5ハガキ69円〜・A4ハガキ72円〜/通で、フルカラー印刷・宛名印字・発送費が含まれます。料金ページの表記ではA4ハガキが1〜2,999通で83円、3,000通からは77円、定形ハガキは当日発送で135円など、数量と納期によって変動します。
封書は定形封筒が145円〜/通で郵便利用時は封入3点まで、大形封筒が188円〜/通で封入4点までです。メール便を利用する場合は封入点数を増やせ、定形が146円/通で最大5点、大形が146円/通で最大15点となります。
帳票作成タイプのDoculinkは初期費用・月額とも0円で最低ロットの設定がありません。定形封筒137円/通にA4 1枚あたり18円を加える方式や、ハガキV(モノクロ)144円/通といった料金です。請求書や通知書の発送に向く構成で、1通から発注できます。
大阪を拠点とし、関西圏の販促DMを中心に扱うDM発送代行サービスです。
料金は加工セットという形で提供され、特約ゆうメール便・クロネコゆうメール便を使う場合は1通69円〜です。この単価には印刷、宛名ラベル出力・貼付、封入、折加工、封緘、発送の6工程が含まれます。重量は100g未満と200g以下の2段階で区分されます。
最低ロットは特約ゆうメール便・クロネコゆうメール便が300通以上、エリア配布向けのエリアメール便が1,000通以上です。1通から発注できるサービスと比べると下限がありますが、その分工程が一式まとまった単価になっています。A4を三つ折りにして封入するといった折加工も工程に含まれるため、別途手配する必要がありません。
対応形態ははがき、ビニール封筒(封書)、各種封入物です。返送対応も提供範囲に含まれており、あて先不明で戻ってきた分の扱いを任せられます。
東京と大阪に拠点を持ち、Web上の自動見積りで発注前に金額を確認できるDM印刷・発送代行サービスです。
料金の考え方が掲載5サービスの中で特徴的で、印刷費、作業費、送料を分けて積算します。1,000部の場合の印刷費はハガキ約8.2円/通、A4約9.4円/通、長3封筒約9.24円/通です。これに作業費と、ゆうメール180〜360円/通・通常郵便50〜1,350円/通といった送料が加わります。
印刷費だけを見ると他サービスの単価より大幅に低くなりますが、発送までを含む総額で見る必要があります。一方で内訳が分かれているため、どこにいくらかかっているかは把握しやすい構成です。2,000通以上では送料が8〜21%割引になります。
対応形態ははがき、A4圧着・二つ折り、封書(長3封筒ほか)、ビニール封筒です。送付先企業リストの提供と不着DMのリスト化にも対応しており、あて先データを持っていない場合の選択肢になります。
企画から発送、保管までをワンストップで請け負う受託代行サービスです。掲載5サービスの中で、対応範囲がもっとも広い構成です。
提供範囲は企画立案・仕様設計、各種広告デザイン、ダイレクトメール印刷、データ入力・加工・集計、宛名印字(ラベル出力・貼付)、封入・封緘・区分、発送代行、資材保管です。原稿がまだない段階から相談でき、印刷物の保管まで任せられます。定期的に発送する場合、都度印刷せず在庫から発送する運用も組めます。
全国5拠点のメールセンターで運用しており、小ロットから大ロットまで対応します。ただし最低ロットの下限は公開されておらず、要問い合わせです。
対応形態ははがき・招待状、封書、パンフレット・冊子、ポスター・チラシ、伝票・フォーム印刷と幅広く、DM以外の販促物も扱えます。料金は個社見積りで公開されていないため、仕様を伝えて見積りを取る流れになります。
よくある質問
DM発送サービスの費用相場はいくらですか。
掲載5サービスは単価に含まれる範囲が異なるため、単純な相場は成立しません。印刷から発送までを含む単価では、ラクスル ダイレクトメールの通常プランが1通62.9円(税込)〜、NEXLINKのオンデマンド便がA5ハガキ69円〜・A4ハガキ72円〜/通、ジブリックの加工セットが1通69円〜(6工程込み)です。ダイレクトメール発送ONLINEは印刷費が1,000部の場合にハガキ約8.2円/通で、別途作業費と送料が加算されます。ディーエムソリューションズは個社見積りです。
1通だけでも発注できますか。
NEXLINKは1通から発注でき、帳票作成タイプのDoculinkは最低ロットの設定がありません。ラクスル ダイレクトメールの通常プランも1通から注文できます。ジブリックは特約ゆうメール便・クロネコゆうメール便が300通以上、エリアメール便が1,000通以上です。ラクスルDM便は500通以上が条件で、500通未満は通常プランでの対応となります。ダイレクトメール発送ONLINEは最低ロットの明記がなく、送料割引の対象が2,000通以上です。
初期費用はかかりますか。
ラクスル ダイレクトメールは初期費用なしの都度従量です。NEXLINKの帳票作成タイプDoculinkは初期費用・月額とも0円で、最低ロットの設定もありません。NEXLINKのオンデマンド便は料金ページに初期費用の明記がなく、ジブリックとダイレクトメール発送ONLINEも初期費用の記載がありません。ディーエムソリューションズは要問い合わせです。
無料トライアルはありますか。
掲載5サービスはいずれも発送代行のため、無料プランと無料トライアルは提供されていません。試しやすさの目安になるのは最低ロットで、NEXLINKとラクスルの通常プランは1通から発注できます。ダイレクトメール発送ONLINEはWeb上で自動見積りができるため、発注前に金額を確認できます。
対応できるDMの形態を教えてください。
NEXLINKはハガキ(A5/A4/定形)、封書(定形/大形封筒)、圧着ハガキ、帳票に対応します。ラクスル ダイレクトメールははがき(通常/大判)、圧着はがき、OPP封筒です。ジブリックははがき、ビニール封筒、各種封入物に対応します。ダイレクトメール発送ONLINEははがき、A4圧着・二つ折り、封書(長3封筒ほか)、ビニール封筒です。ディーエムソリューションズははがき・招待状、封書、パンフレット・冊子、ポスター・チラシ、伝票・フォーム印刷まで扱います。
送付先のリストがない場合はどうすればよいですか。
ダイレクトメール発送ONLINEは送付先企業リストの提供に対応しており、不着DMのリスト化も行います。ディーエムソリューションズはデータ入力・加工・集計を提供範囲に含んでおり、企画立案の段階から相談できます。その他の掲載サービスは、あて先データを利用者側で用意することが前提の構成です。